11 王都
マイク王子は側近と話している。マリエール商会二号店の事である。居酒屋、病院、薬局、商店を営み上々の売り上げを誇っている。
11 王都
王宮の一室で第三王子のマイク王子が側近から話しを聞いていた。マイク王子と呼んでいるが本当はマイクリオン王子だ。第三王子のマイク王子の正式名称を気にする者は誰もいない。側近と話していたのはマリエール商会の二号店の事だ。
「ドラッグストアと名乗り、薬と食料品など同時に扱いお酒も扱うし、おまけに病院にもなる何でも屋です。」
マイク王子は、
「そんな店流行るのか。」
側近はしたり顔で、
「店舗1階ですが、場所を区切って居酒屋も営業して病院は、薬剤売り場の中です。24時間営業していて売り上げは上々です。特に最近できたビールと言う飲み物は今ところここでしか飲めないし、エールに比べると遥かに美味しい。ハイボールとかチュウハイとか新しい美味しいお酒が豊富にある。食べ物これまた美味しい。店の子も美人で可愛い。」
側近はそこの常連のようである。
「自慢話でもしたいのか。」
側近は首を横に振る。
「その店の名は、マリエール商会二号店と言うのです。最近砂漠を越えて辺境の地に至ったと言う男爵令嬢マリエールの店です。たった12歳の少女が辺境の地に立ち、病院と居酒屋と薬局と商店を開くなんて不思議じゃないですか。」
マイク王子が14歳、マリエール12歳の年である。マイク王子と側近は平民の服を着て、マリエール商会二号店に向かった。夕方になると冒険者達が詰めかけて混雑するが、昼の2時は比較的空いている。マイク王子と側近は居酒屋の席座ると直ぐに店員が現れ、
「ご注文はなんになさいますか。」
マイク王子と年頃の変わらない美少女が笑顔満載で尋ねた。
「ビールと串盛り、コップ2個で。」
ビールは直ぐ来た。良く冷えたビールだ。この辺りもこの店の売りなのだろう。マイク王子は、店員に、
「マイクと申す。マリエール店長を呼んで欲しい。」
店員は怪我そうにマイクを見た。
「店長は一々お客様に顔を見せないです。」
もっともな話だ。
「マイク王子がマリエール令嬢を訪ねて来たと伝えて欲しい。」
店員は奥に向かった。程なくマリエールは現れた。
「マイク王子がお呼びの事とお聞きしましたが、生憎、私はマイク王子のお顔を知りませんので何か証拠の品でもございませんか。」
マイク王子は紋章入りの短剣を見せた。これはマイク王子の証拠ではないが、王族の一人である証拠にはなる。
「お見逸れしました。確認しました。それで何かご用でしたか。」
用もないのに呼び出しはしない。
「その方、砂漠を越え辺境の地に赴き、ここに居酒屋、病院、薬局、商店を営み上々の売り上げを伸ばしていると聞く。並みの者ができる事ではない。その才知見にまいった。」
マリエールは呆れた顔でマイク王子を見た。
「砂漠を渡ったのは私ではないし、この店を作ったのも私ではありません。私の名前なのはただのマスコットキャラクター、店長をやっているのも少女のお店と言うイメージ作り。我が領は砂漠化のお陰で未だ財政困難。その一助となればと始めた事です。」
12歳の少女が大それた事ができるわけがない。
マイク王子は側近と2人でマリエール商会の居酒屋に来た。マリエールを呼び出した。お前の才知を見に来たという。




