第26話「魅惑のぱじゃまぱーてぃと、崩壊する理性」
数日後。吉平の部屋に三人の少女たちが集められた。
吉平が村の女衆に指示を出して作らせたのは、外側に肌触りの良い布を使い、内側に真綿をたっぷりと縫い付けた、現代の「半纏」と「スウェット」を掛け合わせたような衣服だ。帯でキツく縛る必要がなく、紐でゆるく結ぶだけのゆったりとした構造である。
「さあ、いつもの重い着物を脱いで、下着(薄い小袖)一枚の上にこれを着てみてくれ」
三人が言われた通りに袖を通した瞬間、部屋の空気が劇的に変わった。
「えっ……なにこれ。着てる感覚がないくらい軽い! なのに、お日様みたいにポカポカする!」
サチが驚きの声を上げ、部屋の中でぴょんぴょんと飛び跳ねた。だるま状態だった先程までとは大違いだ。
「ほ、本当です! 肩に乗っていた怨霊の重みが嘘のように消え去りました! しかもこの布の柔らかさ……まるで天女の羽衣ですぅ……っ」
桔梗も自分の袖に顔を埋め、すりすりと頬ずりをしてうっとりとしている。
「吉平様……凄すぎますわ。これなら、冬の間もずっと快適に過ごせます。もう、あの重くて冷たい着物には二度と戻れません……」
葵も感極まった様子で胸元をギュッと抱きしめた。
見事に大成功だ。吉平は満足げに頷いたが、すぐに自分の首を絞める重大な「副作用」に気づくことになった。
この部屋着は、究極のリラックスを追求して作られている。そのため、体を締め付ける帯がないのだ。三人がこたつに入ってくつろぐうちに、そのゆったりとした襟元はどんどんルーズに開いていく。
「あー、あったかい。もう一生こたつから出ないわー」
サチはゴロンと横になり、無防備に手足を投げ出した。普段の働き者の面影はゼロだ。しかも寝転がったせいで部屋着の裾が大きくまくれ上がり、健康的な太ももが丸見えになっている。
「サチさん、はしたないですよ。……ふふっ、でもこの柔らかさ、本当に人を駄目にしますわね」
注意する葵も、こたつの机に突っ伏して完全に脱力している。帯で胸を抑えていないため、彼女の豊満すぎる質量は、ゆるい襟元からこぼれ落ちんばかりの圧倒的な存在感を放ち、机の上にどしんと乗せられていた。
「師匠、私、今日はもう自分の部屋に戻りません。このまま春まで冬眠しますぅ」
桔梗に至っては、吉平の背中にぴったりとくっつき、ふかふかの部屋着の感触(と彼女自身の柔らかさ)を吉平に押し付けるようにして甘えてくる。
「お前ら! いくらなんでもだらけすぎだ! 裾! それに胸元! はだけてるから直せ!」
吉平は真っ赤になって顔を覆った。
この「部屋着」という防御力ゼロの衣装を着たことで、彼女たちの心の距離まで一気に緩んでしまったらしい。吉平の部屋は、魅惑のお泊まり会会場と化し、吉平の健全な理性を容赦なく削り取っていくのだった。




