表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パラレルユニバースオンライン~コミュ障女子高校生のリア充への道~  作者: 月輪林檎
コミュ障大きな決断

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/85

小柄故の戦利品

 皆であの時私が調べなかった部屋などを調べて行く。上の方にある部屋は、下のモニター室みたいな感じではなく、居住施設のようなものになっている。何か残っていれば良かったけど、大半は朽ちてなくなっている。


「まぁ、普通はこうよね。リラが見つけた機械が生き残っている方がおかしいわよね」

「確かにね。まぁ、紙もギリギリ生き残っているから、ある程度情報は拾えそうだけどね。これは……日記かな。『地上を……闊歩……人を……恐ろしい……』怪物の話だとは思うけど、闊歩か……」

「怪物が世界を歩いていた証拠ですね。でも、必ずしも言葉通りとは限らないと思いますよ」

「この前のクレーターの話だね。足跡が途切れた事を考えると、空を飛んでいるという可能性は高いね」

「人をって部分も気になるわね。人を食べたとかかしら?」

「それだと地下に隠れる理由にもなるから、可能性は高まったかな」


 そんな考察をしていくけど、やっぱり確かな情報はないから、すぐに次の部屋などを調べて行く。全ての居住部屋を調べる事が出来るわけじゃないし、情報が全ての部屋の残っているわけでもないので、情報を見つける事は全然出来なかった。


「この隙間だけ開いていて、中に入れない場所はもどかしいわね」

「し、下の方にある場所は……も、モニターがあったので……あ、ある程度は情報があるんですが……」

「モニターね……」


 シェリアさんが、隙間に張り付いてしっかりと中を確認し始める。でも、段々と苛立ちを覚えていくのが分かった。


「ほんっとうにもどかしいわね。アルシャ、フォルティ、隙間に手を入れて引っ張りなさい。一番小さい私ならちょっとの隙間で入れる可能性もあるわ」


 シェリアさんに言われて、アルシャさんとフォルティさんが顔を見合わせて頷き合う。

 二人は隙間に手を入れて、左右に引っ張り始める。近接戦を主体といしている二人の力は、魔力特化の私と弓を扱う上で必要となる器用にも割り振っているシェリアさんよりも高い。

 まぁ、アルシャさんは防御、フォルティさんは速度にも割り振っているから、力に特化している人はいないのだけど。まぁ、私達よりはマシって感じだ。


「ぐぐぐぐぐ……」

「んんん……」


 二人が一生懸命引っ張るけど、扉はビクともしない。二人でも力が足りないという感じかな。


「リラ、攻撃上昇の演奏をしなさい。ダメージ補正じゃなく、ステータス補正のバフなら、ここでも効果があるはずよ」

「あ、は、はい……!」


 私一人の時には絶対に出来ない事だけど、こうして皆がいるからこういうのも試せる。シェリアさんに言われるまで、すっかり抜けていたけど。

 言われた通り、雷冥の攻撃上昇(大)の演奏をしていく。アップテンポで盛り上がる曲が研究施設内に響いていく。これがステータス上昇であるのなら、シェリアさんの言う通り、多少の効果があるはず。

 その結果は、目に見えて分かった。二人が引っ張る扉が僅かに揺れるのが分かったからだ。少しずつ扉が開いていく。

 この間、シェリアさんは、他の部屋に入っていき、何かを探していた。


「シェリア! ここが限界!」


 これ以上開きようがないようで、アルシャさんがシェリアさんに呼びかけた。シェリアさんは、他の部屋から鉄の棒を持って出て来た。


「これくらいしかなかったけど……間には挟まりそうにないわね。仕方ないわ。私一人で入ってくる」


 シェリアさんは小柄な身体を上手く利用して、隙間から中へと侵入していく。本当は皆で探索出来れば良いと思って、つっかえ棒を探してくれていたみたいだけど、持って来た鉄の棒は隙間に入れるには長すぎた。

 私はアルシャさんとフォルティさんが、扉の隙間を維持出来るように攻撃上昇の演奏を続ける。ついでに、維持する上でダメージを負ったら嫌なので、軽く鼻歌を口ずさみながら【神聖歌唱】も発動しておく。

 三分程経つと、シェリアさんが急いで出て来た。


「手掛かりにはならないけれど、面白いものを見つけたわよ。はい、リラ」


 私に渡されたので、演奏を止めてシェリアさんが見つけてきたものを受け取る。それは今の私達に馴染み深いもの。楽譜だ。


「が、楽譜……? で、でも……何か……」

「そうなのよ。普通の楽譜にしか見えないけど、ちょっとこの辺りの譜の色が変でしょ? もしかしたら、リラのスキルに関係してくるんじゃないかと思ったのよ。どうやら歌唱部分もあるみたいだし、ギターの譜みたいだから、弾き語り用かもしれないわね。ちょっとやってみてくれない?」

「は、はい……」


 私は楽譜を一通り見てから、雷冥を持つ。そして、その場で弾き語りをしていった。タイトルが掠れていてよく見えなかったので、なんていう曲なのかは分からない。

 でも、この感じはバラードに近い曲かな。そうして一曲歌い終えると、私の前にスキル習得のウィンドウが出て来た。


『特殊条件をクリアしました。スキル【付加歌唱術】【歌唱治癒】を習得』


 新しくスキルを習得出来た。ただ【歌唱治癒】に関しては、【神聖歌唱】の下位互換みたいな感じが強い。【神聖歌唱】は、回復効果が強いから。


「あ、新しいスキルが手に入りました……」

「おっ、私の読みは当たってたわね。何が手に入ったのかしら?」

「【付加歌唱術】と【歌唱治癒】です

「……【付加歌唱術】は良さそうだけど、【歌唱治癒】に関しては微妙ね」

「【神聖歌唱】がありますしね。特定の歌じゃなくて、全部の歌に適用されるなら良いですけど。どうかな?」

「え、えっと……ふ、【付加歌唱術】は……そ、それぞれバフの詞を歌う必要があるみたい……で、でもね……伴奏に関しては何でも良いみたい……」

「なら、雷冥とかの演奏に合わせて歌えば、効果が出るって事だね」

「で、でも……か、【歌唱治癒】は……ぜ、全部に判定があるみたい……」

「なら【神聖歌唱】と二重で効果が出そうだね。リラさんのサポート能力というか、ヒーラーとしての力が高まった感じだね」

「う、うん……」

「何気なく言っているけれど、【付加歌唱術】の詞を色々な曲調で歌うって、かなり難易度高いわよね」


 シェリアさんの気付きに、皆が真顔で黙り込みながら、私を見てくる。


「あ、え、えっと……た、多分……だ、大丈夫です……」

「まぁ、リラなら出来るわよね」

「うん。リラちゃんなら大丈夫だよ」

「リラさんのこういう適応力は高いもんね」


 皆からの信頼が痛い。でも、実際に出来ないという事はないと思う。このくらいなら、練習しなくてもある程度は対応出来るはずだし。

 でも、ちょっとは練習しておこう。皆の迷惑にはなりたくないから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ