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パラレルユニバースオンライン~コミュ障女子高校生のリア充への道~  作者: 月輪林檎
コミュ障大きな決断

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ようやくの脱出は嬉しい再会

 出口までの道程は、かなり遠かった。通路が潰されているという事が二度もあったので、本当に何度も遠回りを強制される。しかも、その度に別の場所の発電機を稼働させないといけなかった。

 そうして遠回りした結果、ようやく出口となる階段を駆け上がっていた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 実際には、そこまで息切れする事もないのだけど、私の精神的な焦りが呼吸を早めていた。その理由は、私の耳に聞こえてくる小さな笑い声のような音と変な気配、最後に仄かに香るような気がする甘い匂いだ。

 階段を駆け上がった私は外とここを隔てる扉の前で止まる。普通には開かない扉かと思ったけど、横にあったキーパッドを調べていたら、勝手に開いた。開いた先にあったのは、暗闇。どうやら遺跡の中らしい。

 ここからはルインズナイトのエリアになるはずなので、黒帝で演奏して【神聖奏】を発動させながら、周囲を見回す。


「リラさん!? そこにいるの!?」


 どこから出ようかと思っていたら、フォルティさんの声が聞こえてきた。声は大分くぐもったような感じなので、恐らく私がいる遺跡の外側にいる。


「う、うん……!!」


 頑張って大きな声を出す。声は微妙に反響するので、フォルティさんが正確にどの方向にいるかは分かりにくい。恐らく声がしたと思った方向に向かって歩いて行くと、さっきよりもフォルティさんの声が大きくなった。


「アルシャさん! シェリアさん! こっちです!」


 どうやら皆揃って私を探してくれていたらしい。先にログアウトしても良いって言ったのに。


「リラ!? そこにいるのね!? 出口は!?」

「さ、探してます……!」

「こっちでも探すわ! 歌を試しなさい! ここもそういう出入口の可能性は十分にあるわ!」

「は、はい……!」


 私は黒帝からアコースティックギターに持ち替えて、『昼つ方シンフォニー』を歌う。【神聖歌唱】と【神聖奏】が同時に発動し、周囲が見やすくなる。

 その中で、外の光が漏れ始める場所を見つけた。新しく光が差し込むというのなら、それは今初めて開いた場所という事になる。

 そちらに近づいていくと、隙間からフォルティさんが入って来た。そして、私の姿を見ると、フォルティさんの方から私を抱きしめてきた。


「リラさん! 無事で良かった!」

「あ、う、うん……も、モンスターは出なかったから……で、でもね。こ、ここ不気味なの……は、早く出よ……」

「不気味?」


 フォルティさんは、私の奥にある扉を見る。でも、特に怯えるとかの反応は示さない。フォルティさんが特に感じない理由は、まだ長居していないからなのかな。

 とにかく、私は長居したくないと思い始めているので、フォルティさんを連れて遺跡を出る。すると、アルシャさんシェリアさんが迎えてくれた。


「リラちゃん、無事で良かった。あれ? 後ろの扉閉めた?」


 アルシャさんに言われて背後を振り返ると、確かに扉は閉まっていた。シェリアさんが扉を調べたけど、全然開く事はなかった。


「歌に反応して開くみたいね。下の扉も同じかしら?」

「と、ところどころは……」

「歌が関係している施設よね」

「あ、そ、その……えっと……い、色々と違って……か、怪物の研究施設でした……」

「はぁ? その情報って私達も詳しく見られるかしら?」

「す、スクショを撮ったので……ぐ、グループに貼りますね……」

「ええ、お願い。取り敢えず、屋敷に戻るわよ。まだ少し時間はあるでしょう?」


 今の時間は十七時。まだ夕食までは早い。少し話す時間はある。私達はユートイオータに向かってから、ユートアルパに転移して屋敷に入る。

 そこで私が撮ったスクショを皆に見せる。それを見た皆は唖然としていた。こんな情報を持っているプレイヤーは他にいないだろうし、当たり前かな。


「気持ち悪い見た目ばかりね。まさしく怪物だわ」

「でも、こんなモンスターがいるって話は聞いた事がないですよね?」

「そうだね。ここまでグロテスクな見た目のモンスターは……攻略情報にはないかな。ちょっと似たようなモンスターはいそうだけど。この地図は?」

「え、えっと……い、隕石が落ちた場所だと……お、思います……」

「ここは調べてみる価値があるかな。何か他に情報はあるかな?」


 そう言われて、私は拾ったテキストをテーブルに置く。そこに書かれている文字を読んだ三人は、全員同じく眉を寄せていた。


「なるほどね。隕石が怪物だっていうのは、ここからも分かりそうだね」

「地下に浸透って何?」

「さ、さぁ……で、でも……あ、あの地下にいたら……な、何か怖い感覚がしました……」

「あっ、さっき不気味って言ってたやつだね。でも、私は何も感じなかったから……長時間地下にいる事が条件か、リラさんのスキルとかが条件か」

「長時間地下にいたからじゃないかしら? スキルが関係しているにしても、リラのスキルって、そういう関係のスキルじゃないでしょう? あまり長居して調べない方が良いか、複数人で一緒に行くのが一番良いかもしれないわね」


 複数人で行けば安全という感じはないけど、一応複数人でいた方が心の安寧が保てる可能性がある。


「後はこのユートルナとユートモノね」

「簡単に考えれば、ルナは月、モノは一かな。アルパはアルファの事だし、これも最初の文字で一。その辺りを総合するとユートルナは月のここでの呼び方で、ユートモノはユートルナに存在する都市の一つかな。そこに避難した」

「や、やっぱりそうですよね……」


 私も同じような考えなので、アルシャさんが同意見だとホッとする。


「確かに、それはあり得るね。でも、どうやって月に?」

「わ、分からない……」

「まぁ、そこは追々調べて行く必要があるかな。でも、何かしらのストーリーに関係はしていそうだね。アルタさんの歌が関係するっていうのは、そういう事?」

「ど、どうだろう……」

「まぁ、それも調べて行けば分かるわ。次の探索はリタが見つけた施設を調べてみる事にしましょう。リタの様子から考えて長時間の探索は無理かもしれないけど、何かしら見つけられるかもしれないわ」

「は、はい……」


 取り敢えず、今日はこれで解散だけど、次の四人での探索は私が落ちた施設の探索になった。皆が一緒にいてくれれば、私も少しは安心だしね。皆が一緒なら……

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