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パラレルユニバースオンライン~コミュ障女子高校生のリア充への道~  作者: 月輪林檎
コミュ障大きな決断

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落ちた先の施設

 真っ暗闇を何秒くらい落ちただろうか。この落下時間は相当な距離になるので、私は落下ダメージで死んだだろうなと思った。でも、そんな事にはならなかった。

 地面に激突したと思った瞬間、地面は大きく凹み、そのまま反発して私を打ち上げた。そう。ここの着地点はトランポリンになっていたのだ。


「何これ……? 罠じゃなくて正規の入口?」


 これが本来の入り方だとしたら、ここを出入りしていた人達は毎回こんなバンジージャンプのような事をしていたという事になる。


「いかれてる……」


 歌を鍵にして紐なしバンジーにトランポリンでの着地。こんなものを常用していたと考えると、本当にいかれていると思う。

 そう思っていると、メッセージが飛んで来た。送り主はフォルティさんだ。私のHPゲージが一切減っていない事もあり、私が生きていると考えたのかな。一言『大丈夫!?』というメッセージが飛んで来ていた。


「『大丈夫だよ。トランポリンがあったからダメージは無しだった。でも、大分落下したから、その穴から戻るのは厳しそう。こっちで抜ける道を探すね』っと。良し。それじゃあ、探索をしよっと」


 黒帝を持った私は、周囲を見回す。ここで問題があるとするなら、真っ暗で何も見えないという事だ。見えない中で地形を把握する方法。私は、その方法を一つ思い付いた。


「あっ!!」


 私は大きな声を出した。そして音の反響で地形を把握するという音響定位だ。


「うん。無理」


 反響するのは良いけど地形の把握なんて何も出来ない。音響定位は、やっぱり特殊な技能なのだと分からされる。


「何か光源に……光源?」


 ふと思った。私の【神聖歌唱】と【神聖奏】は光源になるのではないかと。試しに『昼つ方シンフォニー』を歌う。私の周囲に金色の光が飛び散り周囲が多少見やすくなった。演奏もして光を強めて周囲を見回す。ここは広い着陸地点というだけみたいだ。 

 そこから繋がる部屋を隔てる扉を発見した。その扉は駆動音を立てて勝手に開く。私の歌と演奏に反応したようだ。そこで分かった事だけど、ここは機械っぽいもので作られているらしい。

 歌いながら歩いていると、フォルティさんからメッセージが来る。


『こっちでも歌って試しているけど、地面が開く様子はないの。だから、そっちに行けないかもしれない』


 フォルティさん達もこっちに来ようとしてくれているみたいだけど、中々上手くいかないらしい。そこから考えられる事は【神聖歌唱】や【神聖奏】が必須なのか、【歌唱】や【演奏】のレベルが足りないか。

 どちらにせよフォルティさん達がすぐにこっちに来るのは難しそうだ。私は分かったという旨の返事と一旦ここで解散にしようというメッセージを送る。さすがに、私も帰る事が出来るか分からないので、長く付き合わせる訳にもいかない。

 皆からも了解のメッセージが来たので、焦る必要もなく出口を探せる。【神聖歌唱】と【神聖奏】の明かりを頼りに周辺の探索をしていく。幸いな事に、モンスターがいるような感じはしない。ゆったりと探索が出来ている。


(通路……あっ、ここの扉……は開かない。条件がある? 歌が違う……いや、もう電力がないとか?)


 開く扉と開かない扉の違いはよく分からない。でも、開かないのなら気にしている暇はない。私の目的は、ここを調べる事じゃなくて、ここから抜け出す事だから。

 その中で開いた扉があったら、基本的に中に入るようにする。そこに何かしらのヒントがあるかもしれないから。


(ここは……部屋だけど、大きな機械が置いてある。これって電力室? いや、発電室かな。ここを復活させられれば、歌わなくても良いかも。問題は私が機械を理解出来るかどうか。えっと……)


 書かれている文字をジッと見て、どうすれば再起動出来るのかを調べて行く。


(この赤いボタンかな。えいやっ!)


 ボタンを押しても何も起こらない。どうやらこれだけで再起動はしないみたい。


(何で……? あっ、鍵が必要なんだ。鍵……鍵……)


 周辺を見回すと、少し離れた場所に骨がある事に気付いた。ここの職員か研究員か。ここで亡くなって白骨化したらしい。そこに鍵があるかもしれないので、骨の近くに行くと骨から何か黒い靄が出て天井に上がっていき消えた。


(え? 怖……何だろう? 成仏したとかなのかな)


 私の【神聖歌唱】と【神聖奏】の浄化効果により、スケルトンとして活動する前に成仏させてただの骨になった可能性がある。仮にそうだったら、私のスキルとアンデッドとの相性は良い。向こうからしたら、最悪だろうけど。

 ただ、これは私の予想でしかないから、慎重に近づいて骨を調べると、手に鍵が握られていた。ピカピカになっているのは、私の【神聖歌唱】と【神聖奏】のおかげかな。

 鍵を回収して、さっきのボタンがある場所に戻り、鍵を差し込んで回す。


(回った! これで……)


 再び赤ボタンを押すと、目の前の大きな発電機のようなものが唸りを上げた。そして、天井の照明が光を取り戻す。


「ふぅ……」


 ようやく安堵できる空間になったと思ったら、発電機の近くに多くの骨が落ちているとこに気がついた。動く様子はないので、私のスキルで無力化されているのだと思う。


「ここで一体何があったんだろう……なんか死体漁りみたいで嫌だけど……いや、死体漁りではあるのか……」


 何かあるかもしれないので骨を調べていく。すると、そこにボロボロの紙があることに気づいた。既に綺麗になっているけど、失われた部分までは取り戻せない。


「えっと……『空から降り注ぐ奴らの……目的はわからず……地下なら安全と思って……だが、奴らは地下まで浸透……』なんだろう? 意味が分からないや。ひとまず空から何か降ってきて争いになったのかな。でも、地下まで浸透してきて安全じゃなくなった……私安全に上まで戻れるのかな……」


 見つけてしまった謎のテキスト。この内容がただのフレーバーだけで終わるのか、私に牙を剥くモンスターの情報になっているのか。できれば前者が良いなぁ……

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