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パラレルユニバースオンライン~コミュ障女子高校生のリア充への道~  作者: 月輪林檎
コミュ障大きな決断

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遺跡の謎は歌で開かれる

 走り回っていたフォルティさんが私達の元に戻ってくる。その間、モンスターが襲ってこないという事はなく、アルシャさんとシェリアさんがしっかりと守ってくれた。


「ひとまず私が共鳴しているって判断出来た範囲では、こんな感じでした。大分遠くの方まで共鳴しているみたいです」

「全部調べようにも遠くまでとなると難しいわね。でも、これだけ分かれば、何かしらヒントにはなっていると思うわ」

「そうだね。ただ……これだけで何か分かるかな……?」


 私も演奏を止めて地図を見させてもらう。地図には本当に無作為に打ったようなピンが刺さっている。近くにあるものから、結構離れた場所にあるものもある。

 ただ見ただけではそれが何かは分からない。意味のない配置の可能性もあるけど、さすがに共鳴しておいて一切無関係ですというのは酷すぎる。


「何かしらね……点……普通に繋げて絵にする感じかしら。そうなると、どことどこの点を繋げるかで大きく変わるわよね。何かしらの目安が欲しいわ」

「線で繋げる……あ、あの……せ、星座とか……」


 私の名前には星座の名前が入っていること座だ。加えて、お母さんはこと座から考えて織姫の織の字を入れたと言っていた。だから、星座を意識する事が割とある。点と点を線で繋げると聞いて、私は星座も同じだなと気付いて口にしていた。


「星座……星座ね。確かに、こういう点の配置は星座を思い起こさせるわね。それを考えた時……問題にあるのはどの星座を作っているのかってところよね。星空よりも分かり易いとはいえ、線で繋がっていないと分からない部分が多いわ」


 そう。問題はそこだった。星座だとしても、どの星座を作っているのかを点から想像しないといけない。星座を意識する事はあっても精通しているわけではないので、この状態からすぐに星座の名前が出てくるとは限らなかった。


「星座にしては点が多いような……あっ……一つの星座だけじゃなくて複数の星座だったりします?」

「複数の星座? まぁ、その可能性はあるわね。確かに、複数の星座があるって考えた方がこのピンの多さに納得も出来るわ。その可能性で考えるとしたら、複数の星座で成り立つもの。それこそ夏の大三角形とかそういうものだったりしないかしら・」

「夏の大三角形だとしたら……こういう繋がりに出来るから……こっちがここに繋がって……これがこっちで……ここを補完して……うん。はくちょう座の一部とこと座っぽものは出来そう。思ったよりも範囲が広いね」


 アルシャさんがピンを脳内で繋げて、実際に星座となる事を確認してくれた。いや、星座としても見えるというだけで、これが確定とは言えないのか。

 ただし、出来てしまう以上可能性はかなり高い。


「夏の大三角形だとして、それが何?」

「確かに……順当に行けば、ベガ、アルタイル、デネブの位置に相当する場所に何かがあるってところですよね」

「こ、ここは……?」

「位置的にはあまり関係ないかな。夏の大三角形って仮定したら、ベガとデネブを繋ぐ……中点……?」

「あれ? じゃあ、私はもうベガとデネブに相当する場所を訪れてます?」

「うん。そのはず。この辺りなんだけど」


 アルシャさんが、フォルティさんが刺してくれたピンの場所でベガとデネブの場所になるピンを指差して教えていく。フォルティさんは、絶対にそこを訪れている。しかも、ここは平原。森などと違って木々に埋もれている事もない。


「う~ん……特に何も……あっ、でも、ここら辺は遺跡っぽい感じが強かったような気がします」

「何か怪しい穴とかなかったの?」

「はい……特にどこかに続きそうな感じはなかったです」

「なら、入口を開ける方法も音楽なのかもしれないわね。その場所に行くわよ。鍵はリラになるかもしれないわ」

「が、頑張ります……」


 まずは一番近いこと座のベガの位置になるであろう場所に向かう。その間、私は『昼つ方シンフォニー』を演奏して歌いながら歩く。これで分かったのは、共鳴は何もマークがある場所じゃなくても良いということ。

 必要なのは歌だったというだけみたいだ。だから、共鳴している石柱を確認しつつ歩いて行ける。


「最初から歩いて調べれば良かったわね」

「まぁ、こんな仕様だったなんて分かるわけもないですから仕方ないですよ。結果的に何か分かりそうなので良かったって事にしましょう」

「まぁ、そうね」


 最初から全てを知っているわけでもないので、ここで実際にはマークの上にいる必要はないという事が分かるということもある。フォルティさんの言う通り、こういうのは仕方ない。


「ここら辺だね。でも、リラちゃんが歌っても何か変化してるようには見えないね」

「本当ね。でも、フォルティが言っていた通り、残っている遺跡の瓦礫が多いわね。ここを見つけるのは歩いても良いけれど、遺跡の何かを起動させるには座標が一致している必要があるのかもしれないわ。リラは、そのまま歌ってなさい。遺跡が綺麗になるから」

「は、はい……」


 私は歌を歌い続け、遺跡の汚れなどを消していく。フォルティさんとアルシャさんは、遺跡を覆っている草木を取り除いていき、遺跡の中に入るような道などはないかを調べて行った。シェリアさんは、周辺を警戒してくれている。


「あっ、リラさん。こっちこっち」


 フォルティさんに呼ばれていくと、その足元にさっきと同じマークが刻まれていた。私はその場に立って『昼つ方シンフォニー』を歌う。すると、突然地面が揺れる。

 皆が周囲を見回して何が起こっているか確認してくれている間も歌い続けると、私がいた地面がパカッと開いた。


「はえ?」

「リラさん!?」


 フォルティさんが駆け寄ってくれるけど、私の元に辿り着く前に私は落下し、開いた地面は戻った。突然落下と暗闇。私は困惑しながら、どんどんと落下していく。

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