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パラレルユニバースオンライン~コミュ障女子高校生のリア充への道~  作者: 月輪林檎
自らの心を自覚し向き合う時間

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曲の出来上がりは天からの授かりもの

 平日に入り、お母さんが料理をしてくれるので、それまでの一週間よりも楽な生活が戻ってくる。

 朝もいつも通りに起きて、お母さんが作ってくれる朝食を食べる。そして、お母さんが作ってくれたお弁当を持って鷲衣さんと一緒に登校する。今日は鷲衣さんが貸してくれた香水を付けている。

 いつもと違う匂いがするけど、それは鷲衣さんの匂いというだけなので、少し落ち着く。

 そうして学校を終えて家に帰って来た私は鷲衣さんと一緒にパラユニにログインする。今日はシェリアさんとアルシャさんもログインしてくるので、屋敷の地下室で待つ。待っている間に、私は作曲の作業をしていると、フォルティさんが私の髪を弄っていた。

 昨日インナーカラーを入れたわけだけど、その色の調整をしてくれているみたい。改めて見たときに気になった部分でもあったのかな。

 フォルティさんに髪を弄られても特に気にならない。正直フォルティさんに弄られるのなら、全く不快と思わない。思う事がないと思う。その辺りは、キューちゃんと同じ領域まで来ているのかもしれない。

 キューちゃんに頑張れと言われた以上、私もしっかりと打ち解けないといけない。フォルティさんに対する不快感がないのなら、そろそろ普通に喋られるようになったもおかしくはない。


(フォルティさん楽しそう……こうして不快感がないのも、フォルティさんと築いた仲の良さ……あれ? でも、鷲衣さんが顔を近づけてきた時も不快には思わなかったような……あれ?)


 自分の中で疑問が浮かんでいると、シェリアさんとアルシャさんが地下室に降りて来た。シェリアさんは、何故か呆れたような目を向けてくる。


「あんた達って、本当にいつもイチャイチャしてるわよね」

「そこまでイチャイチャというような事はしてないと思いますけど」


 これにはフォルティさんと同意見だ。二人の前でイチャイチャしているところは見せていないというか、そもそもイチャイチャ自体していないと思う。

 イチャイチャって恋人同士が意味もなく互いの身体を触りあっている姿のことだと思うから。あの姿を見せられる周囲の人からしたら、ふたりだけの空間でやっていろって思う気がする。


「肉体的なイチャイチャじゃなくて、精神的なイチャイチャもあるのよ。特にあんた達が演奏している時とかに感じるわね」

「うんうん。仲が良い事は良いことだよね。ところで、二人とも髪が可愛くなってるね。色違いのお揃いかぁ。本当に可愛いよ。どうしたの?」

「あっ、き、昨日メッセージで送った【神聖歌唱】と【神聖奏】に繋がるんですけど……ふぉ、フォルティさんもスキルを貰って……そ、それが……こ、こういう色に関するものなんです……」


 私の【神聖歌唱】と【神聖奏】に関しては、ライブにも影響するからしっかりと共有していたけど、フォルティさんの【万能染色】【万能彩色】【万能化粧】は、すぐに共有する必要もないのでメッセージには送っていなかった。


「ふ~ん……それもライブに使えるじゃない。私達の爪の色も変えたり、私とアルシャでインナーカラーに互いの髪色を入れたら統一感もでるでしょ。化粧をすれば、私達も見栄えするでしょ。問題は衣装ね。いつまでも初期装備のお馬鹿もいるし」

「あぅ……ま、まだ装備が完成しなくて……」

「それも戦闘の実用向き装備でしょう? ライブ用の衣装も用意したいわ」

「確かに、この装備でもゲームでやっている感があって良いですけど、バンドとしての統一感があっても良いですよね。あのそのライブ衣装と化粧とかの案は、私に任せて貰えませんか?」


 フォルティさんは真面目な表情で二人にそう言った。シェリアさんとアルシャさんは、フォルティさんのやる気の高さに少し驚いているようだった。


「ああ、そういえば、あんた化粧とかが好きって言ってたわね。まぁ、あの整った顔をしていたら、彩るのも楽しいわよね」

「シェリアさんの現実の姿も十二分に綺麗だと思いましたよ? 何というか、整った綺麗さでした。派手さはなくても綺麗なものは綺麗ですから」

「そう。ありがとう」


 シェリアさんは口調でそっけなく言っているが、頬が赤く染まっている事で照れている事がバレバレだった。


「それじゃあ、フォルティちゃんはうちのバンドの衣装担当だね」

「はい。精一杯頑張ります」


 スタイリストに興味があるフォルティさんの美的センスは抜群だ。だから期待出来る。私に似合うような服があるかが問題だけど。


「あ、そ、その……わ、私の方からも……さ、作曲終わりました……」


 私が手を上げると、全員の視線が私に集中する。


「それって、フォルティとあんたの?」

「あ、は、はい……そ、そっちもですけど……じ、自分の曲とシェリアさんが作詞してくれた曲も……」

「一気に完成したわね……寝てるの?」

「あ、は、はい……お、お風呂とか学校で思い付いたりするので……」


 しっかりと三曲がほぼ同時に完成した。ずっと考えていたものだったけど、ふとした拍子に頭の中に降りてくるものが三連続で起こった。おかげで完成した感じだ。

 題名は『Deep Blue End』『マイウィークネス』『この一瞬をいつまでも』だ。

 『Deep Blue End』は、フォルティさんと私の作曲で作った二重奏だ。ヴァイオリンパートの作曲は初めてだったので、多少苦戦したけど、綺麗にまとまったと思う。


『マイウィークネス』は、私の作詞作曲。鷲衣さんと出会い、鷲衣さんと接する内に感じた自分の弱さを表現した。仲良くしてくれる人に対して、しっかりと向き合って自分を表現出来ない自分の弱さを。


『この一瞬をいつまでも』は、シェリアさんが作詞、私が作曲した曲。歌詞の内容はちゃんと理解できるものだったけど、ちゃんと作曲したかったので、ちょっとだけシェリアさんに確認した。それを聞いたら、どんどんと曲が頭の中に舞い降りてきて、一気に作曲が出来てしまった。

 曲の内容は時間に関するもの。楽しいこの一瞬をいつまでも続くものにしようという気持ちが込められている。


 データを皆に共有し、今日は全員で合わせながら練習していく日となった。互いに互いの出来ていない部分を指摘して、合わせていく感じの練習だ。互いに身になるのでかなり効率良く練習が出来たと思う。

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