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パラレルユニバースオンライン~コミュ障女子高校生のリア充への道~  作者: 月輪林檎
自らの心を自覚し向き合う時間

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皆に楽譜を共有 新たな課題

 防具の注文が終わったところで、私達は屋敷へと戻る。屋敷の中で、昨日アルタさんから貰った楽譜の確認をしていた。


「確かに歌姫の曲だ。やっぱりアルタさんは、私達と音楽をやりたいのかな?」

「た、多分……あ、後は……す、ストーリーの手助け……?」

「そういえば、そういう話だったね。それにしても、本当に図書館の司書さんは、アルタさんと仲が良いんだね。実際にそこで会えたってなると、話に聞いてるよりも信憑性が高くなった気がする。アルタさんの目的を達する事がストーリーっぽいけど」


 アルタさんの目的は分からない。何をしたいのかも判明していないから、私達が音楽をやり続ける事が、どれだけ重要になるかも完全に把握しているわけじゃない。まぁ、ストーリー関係なく音楽活動は続けていくけど。


「そういえば、シェリアさんとアルシャさんが加わったけど、アルタさんは何も言ってなかった?」

「う、うん……ひ、人が増えたねくらい……」

「まぁ、そこまで気にするような事でもないのかな。バンドとしての活動には人数が必要になるのは分かりきってるし」

「そ、そうだね……」


 一緒にやるにしても、私とアルタさんのツインボーカルになるだけで、シェリアさんとアルシャさんが加わったからって、アルタさんの役割が消えるわけじゃない。

 だから、アルタさんからすれば、増えても問題はないという事になる。


「何の話?」


 防音室である地下室にシェリアさんが降りて来ていた。話の途中だけを聞いたみたいで何の話だかは理解していないみたい。


「実は歌姫であるアルタさんからまた楽譜の提供を受けたらしいんです。三つも」

「三つも!? そういえば、歌姫のセトリって、大体四曲のローテだったわね……その四曲かしら?」

「そうですね」


 私はアルタさんの歌を聴けた事がないので、その辺りはあまり把握出来ていない。なので、フォルティさんに説明を任せる事になる。


「そもそも二人でやっているところに現れたのよね。私達がいる事で文句はなかった?」

「は、はい……そ、そこは大丈夫です……」

「なら良かったわ。三曲の追加ねぇ……曲を覚える必要があるじゃない」

「で、データにしてあるので……お、送りますね……」

「ありがとう。助かるわ」


 データに起こした事で、皆が現実でも練習が出来るようになる。これでそれぞれが楽譜を覚える事が出来るし、それぞれの理解度が深まれば、合わせ練習の時に互いに意見交換もして理解度を更に深められる。

 何にしても、個人練習が出来るのと出来ないので、ライブに出せるまでの速度に大きな差が生まれる。

 データはステラミルクのグループSNSに貼っておく。フォルティさんは家でも渡したけど、他の二人に個別に渡すよりもこっちの方が手っ取り早い。

 データはデータとして、普通に貰った楽譜の方をシェリアさんも確認する。


「本当にやってる曲ね。曲調が異なるから面白いのよね。セトリに加えるとしても、頻度はそこまで多くない方が良いわね。私達を売り込むためなら、自分達の楽曲をやっていく方が良いわ」

「は、はい……わ、私も同意見です……」

「まぁ、こう言うけど、結局『The Parallel Universe』と『レリックシンフォニー』は高頻度になるのよね……」

「そ、そうですね……」


『The Parallel Universe』と『レリックシンフォニー』は、パラユニのPVで流れる曲であり、厳密には私達の楽曲ではない。でも、歌姫であるアルタさんはこの二曲は歌わない。

 つまり、このゲーム内で『The Parallel Universe』と『レリックシンフォニー』を披露するのは、私達だけという事になる。

 私達だけと判断する理由は、そもそもこの二曲の楽譜が一般に公開されている訳では無いためという事。

 私が貰った楽譜にあり、楽譜を貰うためには図書館の掃除クエストを何度も受けないといけない事。それでも私が貰ったため、既に貰えないという可能性も否定出来ない。

 だから、この曲は普通に披露して問題ないという風に考えられる。寧ろするべきとも言えるかな。


「あら? 私が最後だったかぁ……おまたせ」


 私達が楽譜の確認をしていると、アルシャさんがやって来た。これで全員集合だ。


「そういえば、さっき貰ったデータって何?」

「あ、そ、その……じ、実は……」


 私はアルシャさんにもここまでの経緯を説明する。


「ああ、なるほどね。本当に歌姫に気に入られてるんだね。まぁ、あの歌なら気に入られるのも当たり前だと思うけど」


 アルシャさんの褒め言葉にむずむずとしてしまう。


「この三つかぁ……ちゃんと練習しないとね。今日はこれの練習時間にする? それとも普通にライブしに行く?」


 新しい楽曲がきたので、練習時間にするという提案が来る。本当はライブしに行く予定だったけど、ここで練習時間にするのは有りといえば有りだ。

 でも、私にはライブをしたい理由があった。


「あ、あの……お、お金が必要で……」

「じゃあ、ライブだね。今日はユートアルパでやろうか」


 割と自分勝手な理由なのだけど、アルシャさんは即座に頷いたし、シェリアさんも何も言わなかった。二人もお金が必要だったりするのかな。


「そういえば、二人はどこまで行ったのかしら?」

「私は変わらずユートゼータです。リラさんもつい昨日ユートゼータまで行けたんですよ」

「良いわね。ユートゼータまで行ったなら、お金が必要な理由は防具かしら?」

「あ、は、はい……」

「なら、ユートアルパのいつもの場所でライブにするわよ。せっかくだから、直前告知も出すわ」


 お金が必要だという事もあって、シェリアさんが色々と手配してくれる。こういう時行動力のある人って凄いなと思う。そして、シェリアさんが良い人なんだなという事がよく分かった。

 告知をしたユートアルパでのライブはいつも以上に盛況で、分配しても一人40万マニーの投げ銭を受け取る事が出来た。

 告知もあるけど、私達の活動がプレイヤー達に広く知られ始めているという事がよく分かった気がする。そして、今回課題となったのは私のMCだった。やっぱりコミュ障にMCはハードル高いよぉ……

 シェリアさんが適宜サポートしてくれた事もあって、あまり退屈はさせずに済んだと思うけどね。でも、シェリアさんばかりに頼っていられない。頼りすぎは、私の成長を妨げる事になるから、キューちゃんもいい顔しないだろうし、この活動のためにも頑張ろう。そう思う。ハードルは高いけど……最早走り高跳びくらいに……

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