第9話:21対0、傲慢の天才の終焉(ジ・エンド)
お読みいただきありがとうございます!作者です。
今後は不定期での更新となります。少し投稿日が空いてしまったらすみません。
前回、大将戦の第1セットを「11-0」という圧倒的なトリプルスコアで先取しました。
完全に蛇に睨まれた蛙状態になり、ラケットを握る手すら震わせる荒金遥輝。
第9話、いよいよ最終第2セット。100年の歴史を舐め腐ったガキを、21-0のストレートで完璧に分からせる決着回です!
それでは、お楽しみください!
第2セット、試合開始」
審判の声が響く中、チェンジコートを終えて対面に立った荒金遥輝の顔には、さっきまでの傲慢な笑みはひとかけらも残っていなかった。
「……ありえねえ。俺が、女子の、それもこんな地味子に1点も取れずにセットを落とすなんて、あってたまるかよ……っ!」
遥輝はぶつぶつと壊れた人形のように呟きながら、狂ったように頭を振る。
その目は血走り、最新のカーボンラケットを握る右手は、未だに屈辱と恐怖でワナワナと激しく震えていた。
第2セットは私のサービスからだ。
私は静かにピンポン球を手のひらに乗せ、高くトスを上げた。
木製の5枚合板ラケットを振り抜き、球の真下へ、おじいちゃんから受け継いだ100年の重みをすべて乗せる。
――『閃光弾の球』。
――シュンッ!!!
音もなく放たれたその打球は、体育館の照明を反射してまばゆい光の筋へと姿を変えた。
球速、回転数、そのすべてが遥輝の動体視力と計算能力の限界を遥かに超越している。
「なっ……視えな、」
遥輝がラケットを振るうことすらできず、ただ目を見開いた瞬間、白い光の弾丸は彼のコートのエッジへバチバチと正確に突き刺さると、そのまま遥か後方の壁へと激突した。
「1対0」
「ひっ……あ、あいつ、わざと回転を隠して……っ!」
違う。隠してなどいない。あまりの超回転の前に、君の最新AI並みの脳内計算が勝手にエラーを起こして強制終了しているだけだ。
「2対0」
「3対0」
容泄なくスコアが積み上がっていく。
コートに突き刺さる光の弾丸の軌道を見るたび、ベンチの棗由依先輩の涙が、そしてかつて黒鉄学園の闇の罠によって夢を絶たれた兄――棗仁志さんの無念が、綺麗に晴らされていくのを感じた。
「紬、最高ーー!! あいつの鼻を完璧にへし折ってやりなさい!」
ベンチから凛が飛び跳ねながら、これ以上ない大はしゃぎで歓声を上げる。
「くそ、くそ、くそ!! なんで当たらないんだよ!!」
遥輝はついにプライドが完全に崩壊し、涙目でラケットを振り回すが、私の『閃光弾の球』は、彼のラケットの遥か上を嘲笑うようにすり抜けていく。
そして――。
――パシィィィン!!
21発目の光の弾丸が、遥輝の足元を虚しく通り抜けた。
「ゲームアンドマッチ。21対0! 翠ヶ丘高校、星野の勝ち! よって、団体戦スコア2対1で翠ヶ丘高校の勝利!」
審判の声が体育館全体に響き渡った瞬間、遥輝のその手から、最新のカーボンラケットがカラカラと音を立てて床へ転がり落ちた。
遥輝は膝からその場に崩れ落ち、青ざめた顔で自分の右手を見つめたまま、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。全国ベスト4の傲慢な天才が、1点も、ただの1点すら勝ち取れずに絶望の底へと叩き落とされたのだ。
私は静かに長い前髪をヘアピンで留め直し、ベンチの由依先輩と凛の方を向いて、小さく微笑んだ。
これで、黒鉄学園の襲来は完璧に退けた。
だが、私たちの前に立ちはだかる全国の怪物質たちは、まだ始まったばかりなのだ。
(第9話 了)
お読みいただきありがとうございます!作者です。
今後は不定期での更新となります。少し投稿日が空いてしまったらすみません。
前回、大将戦の第1セットを「11-0」という圧倒的なトリプルスコアで先取しました。
完全に蛇に睨まれた蛙状態になり、ラケットを握る手すら震わせる荒金遥輝。
第9話、いよいよ最終第2セット。100年の歴史を舐め腐ったガキを、21-0のストレートで完璧に分からせる決着回です!
それでは、お楽しみください!




