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第6話:中堅・國贓美沙(くにきずみさ)の蹂躙(じゅうりん)劇

お読みいただきありがとうございます!作者です。

今後は不定期での更新となります。少し投稿日が空いてしまったらすみません。

前回、少将戦で一ノ瀬凛が快勝し、まずは翠ヶ丘高校が先制点を勝ち取りました。

しかし今回始まる中堅戦、ついに黒鉄学園の絶対的女子エース「國贓 美沙」がコートに立ち、その凶暴なパワーで翠ヶ丘の先輩部員を蹂躙し始めます。

それでは、第6話をお楽しみください!

「さあ、お遊びはここまでよ。身の程を教えてあげる」

中堅戦のコールとともに、黒鉄学園の女子エース――國贓美沙(くにきず みさ)がゆっくりとコートへ足を踏み入れた。

ショートカットの髪の隙間から覗く三白眼は、冷徹な肉食獣そのもの。

彼女が手にする重い鉄板のような特注ラケットが、体育館の照明を鈍く反射している。

対する翠ヶ丘高校の中堅は、2年生の棗由依(なつめゆい)

少将戦で凛が勝った勢いに乗ろうと必死に笑顔を作っているが、國贓美沙が対面に立った瞬間に放たれた圧倒的なオーラに、その身体が微かに強張るのを私は見逃さなかった。

中堅戦、試合開始。

「ッシャアアアン!!」

第2体育館の空気を物理的に爆裂させるような、凄まじい重低音の打球音が響き渡った。

國贓美沙の強靭な体幹から放たれた、男子顔負けの重量級パワードライブ。

猛烈なトップスピンを帯びた白い球は、目にも留まらぬ速さで先輩のコートへ突き刺さり、レシーブしようとした先輩のラケットを容赦なく引きちぎるように弾き飛ばした。

ラケットは虚しく体育館の床を転がり、白い球は防球ネットを突き破るほどの勢いで壁に激突して跳ね返る。

「い、イレブン、ゼロ……。黒鉄学園、國贓の勝ち」

審判をする部員の声が、恐怖で完全に引き裂かれていた。

「嘘……、球が、重すぎてラケットが持てない……っ」

先輩は青ざめた顔で自分の右手を見つめ、ワナワナと震えていた。

ただの一方的な蹂虙だった。

國贓美沙の卓球には、一切の妥協も慈悲もない。相手の得意コースを冷酷に分析し、そこに男子以上の圧倒的な筋力で剛腕ドライブを叩き込み、力尽くでコートごと圧殺する。

どんなに必死に繋ごうとしても、國贓美沙の放つ一撃の前に、翠ヶ丘の先輩は誰一人として1点すら奪えず、絶望の底へと叩き落とされていった。

先輩は公然とバカにされた屈辱と圧倒的なパワーの恐怖で、ぽろぽろと涙を流しながらベンチへと崩れ落ちていく。

「ハハッ! さすが國贓美沙先輩、格が違いますわ!」

ベンチの横で、1年の男子エースである荒金が、これみよがしに手を叩いて下劣な笑い声を上げる。

「見たかよ翠ヶ丘。これが本物の女子強豪の卓球だ。お前らのやってることは、やっぱりただのお遊びのオワコン女子卓球部なんだよ。おままごとの夢はここで終わりだ。次の方、さっさとコートに入ってよ」

荒金は勝ち誇った顔で、オーダー表の大将戦に書かれた私の名前――星野紬を指差して鼻で笑った。

これで団体戦のスコアは1対1のタイ。

少将戦、中堅戦が終わり、勝負の行方は最終第3試合――大将戦へと委ねられた。

「紬……」

ベンチに戻ってきた凛が、悔しさに唇を噛み締めながら、私のユニフォームの袖を強く掴んだ。

「あいつら、マジで許せない……。國贓美沙のパワーも、荒金の態度も、全部むかつく……っ! 紬、あいつらの鼻を完璧に明かしてやりなさい!」

「うん。凛、先輩の敵討ち、行ってくるね」

私は抱えていたプラスチックの籠をそっと床に置いた。

俯いて震えている先輩たちの背中を、地味な前髪の奥から静かに見つめる。

戦時中の暗黒時代、贅沢品だと弾圧され、道具をすべて没収され、それでも卓球への情熱を捨てきれずに地下防空壕の暗闇で命を懸けてラリーを繋いだ先祖たちの歴史。

おじいちゃんが遺してくれた、100年の絶対防御の結晶。

それを「おままごと」と足蹴にされ、大切な仲間を泣かされたままで引き下がるわけにはいかない。

私は一歩、体育館の光の当たる中央コートへと足を踏み出した。

ケースから取り出したのは、使い古された木製の5枚合板ラケット。

地味子・星野紬の皮が、内側からバリバリと音を立てて剥がれ落ちていく。

ここから、100年の歴史を舐め腐ったガキを完璧に分からせる、恐怖の蹂躙(じゅうりん)劇が始まろうとしていた。

(第6話 了)

第6話をお読みいただき、ありがとうございました!

黒鉄学園の絶対的女子エース「國贓 美沙」の圧倒的な重量級ドライブの前に中堅戦を落とし、スコアは1対1のタイへ。

次回、いよいよ運命の大将戦。部内最下位の地味子・紬と、全国ベスト4の傲慢男子・荒金の異次元の戦いが幕を開けます!

今後は不定期での更新となります。少し投稿日が空いてしまったらすみません。「荒金がとてもむかつく!」、あるいは「紬ちゃんの圧倒的な本気(分からせ)が見たい!」「由依先輩を泣かせた荒金遥輝と國贓美沙、マジで許せない!」と思ってくださった方は、ぜひ画面下部から、

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