第11話:完全無菌の絶対計算(サイバー・ラボ)、聖ヨハネス茅ヶ崎学園
お読みいただきありがとうございます!作者です。
今後は不定期での更新となります。少し投稿日が空いてしまったらすみません。
前回、第10話で黒鉄学園との激闘を終えた紬ちゃんと凛ちゃんの、最高にエモくて尊いパジャマピザパーティーをお届けしました!
今回から、物語はいよいよ新ステージ【第2章:インターハイ予選・群雄割拠編】へと突入します。
私たちの前に立ちはだかる、湘南の冷徹な絶対計算集団。その不気味な強者の圧倒的な格を、ぜひお楽しみください!
――『完全無菌の絶対計算』。
神奈川県内、ひいては全国の卓球界において、その学校の名を知らない者はいない。
私たち私立翠ヶ丘高校がインターハイ予選のトーナメント表で激突することになったその宿敵の名は、聖ヨハネス茅ヶ崎学園。
「……全員、ユニフォームが真っ白だね」
体育館の観客席からコートを見下ろしながら、私は隣に座る一ノ瀬凛に呟いた。
凛がギャル直伝のテクニックでパチッと留めてくれたサイドのヘアピンに触れながら、眼下の光景にじっと視線を注ぐ。
コートに立つ聖ヨハネスの選手たちは、一切の無駄な装飾を省いた純白の特注ユニフォームに身を包んでいた。激しいラリーの最中であるはずなのに、彼らの額には汗ひとつ流れていない。汗を流すことすら「計算の乱れ」として徹底的に嫌う、冷徹なAIのような集団。
「あいつらが聖ヨハネス……。噂には聞いてたけど、マジで不気味。卓球をなんだと思いつつ、ビジュアルだけは一丁前じゃん」
凛がいつもの野生の鋭い目で、不快そうに唇を尖らせる。
聖ヨハネスの選手たちが握るラケットには、奇妙な十字架の刻印が入っていた。
――「完全無反動・衝撃吸収ラケット」。
相手がどれだけ猛烈なドライブや超回転を打ち込もうとも、あのラケットに触れた瞬間にすべての威力が完全に無効化(免罪)されてしまうという、絶望の科学用具。
「由依先輩、あのベンチの真ん中に座っている三白眼の人が……」
私の問いかけに、斜め後ろに座っていた棗由依先輩が、小さく肩を震わせて頷いた。
「うん……。聖ヨハネスの卓球部副部長、塩見會都くん。2年生にしてチームの冷酷な規律をすべて守る、絶対のナンバー2よ。彼の放つ『絶対の処刑台』は、ネットの白帯からわずか0.5ミリの隙間しか通さない、物理的にレシーブ不可能なハメ技サービスなの……」
由依先輩の言葉が凍りつく。
ベンチの特等席で腕を組む塩見會都は、氷のような三白眼でコートを見据え、淡々とスマートラケットから送られてくるデータを処理していた。
その隣には、ミステリアスな雰囲気を纏ったサイバーカットマン・葛葉馨。
さらには、日本に彼らとその親族しかいないと言われる唯一無二の絶滅危惧種の血統――亝藤稔と亝藤諄の双子兄弟が、寸分狂わぬシンクロを見せて控えている。
そして、その中心に静座する絶対神、桐島イエス。
かつて、由依先輩の兄である棗仁志さんの未来を完全にへし折り、卓球界から葬り去った張本人たちが、そこにいた。
「紬、凛。あの一族の持つ『絶対計算』とイエスくんの『神の確定未来』の前には、どんなアドリブも、どんな努力もすべて無意味に変えられてしまう……。どうか、気をつけて……!」
由依先輩の悲痛な警告が、体育館の喧騒に消えていく。
私はメガネの奥の瞳を静かに細めた。
おじいちゃん(星野巌)から受け継いだ100年の防空壕カット、私の24,500rpmの超回転が、あの完全無菌の絶対計算を前にどこまで通じるのか。
「面白そうじゃん。アタシのアドリブがデータに負けるわけないっての」
凛が不敵に笑い、ラケットケースを強く握りしめる。
インターハイ予選、群雄割拠の火蓋が、今ここに切って落とされた。
(第11話 終了)
第11話をお読みいただき、ありがとうございました!
ついに始まりました、第2章『インターハイ予選・群雄割拠編』!
白い死神のような聖ヨハネス茅ヶ崎学園のメンバーが初登場です。塩見會都副部長をはじめとする「神の4使徒」の生々しいリアルな強者感が、翠ヶ丘高校の前に立ちはだかります。
仁志兄さんの消えた過去の因縁も絡み合い、物語はここからさらに加速していきます!
聖ヨハネスの不気味な強さにゾクゾクしてくださった方、続きが気になる方は、ぜひ画面下部から、
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それでは、また次回の更新でお会いしましょう!




