第8話【義妹と朝食】
……おっぱいは何で丸いんだろう?
「ゆうお兄ちゃん……何か変なこと考えてない?」
「いや、何も考えてないぞ?」
俺はそう平然とした顔を保ちながら義妹の桃花に朝食のトーストとスクランブルエッグをテーブルの上に置いた。
一応、これは俺の詫び飯だ。
不可抗力とはいえこれから義妹になる相手の裸を見てしまったのだ。そのお詫びとして今日の朝食は俺が作ると言って桃花にはテーブルに座ってもらったのだ。
「ゆうお兄ちゃん、なんかこれで帳消しにしようとしていませんか?」
「そ、そんなことは……ない」
「ふーん……いただきます」
そう言って、桃花はようやく俺の作った朝食を食べ始めてくれた。
しかし、これからは桃花と共同生活を送るためにも、色々とルールを決めないといけないな。
今朝みたいに着替えの時にどちらかが部屋から出るとかあとは夜の――
『その……腕に抱き着いても良いですか?』
――いやいやいや、それもなにかしらの対策が必要だろう。
なんか、そう考えると義妹と生活するって大変なんだな。
「あ、美味しい……お兄ちゃんって料理もしかして……上手いの?」
「もしかしては余計だ。まぁ、ウチは父さんの仕事が忙しかったからよく一人で自炊はしていたからな……」
「そうなんだ……わたしもお母さんが仕事忙しいからその気持ち……分かるかもです」
「…………」
よし、何かおっぱい見たことがなんかうやむやになったぞ! ありがとう父さん、新しいお義母さん!
因みに、俺の父親は編集者をやっていて、桃花の母親は看護師とどちらもかなり仕事が忙しい。そのため、今朝も俺達が起きた段階では二人共仕事に出ていなかった。休みの日だってあるだろうが、しばらくは新しい家を買うために共働きでお金を貯めると言っていたし、夜も帰りは遅いだろう。
だからこそ、あまり桃花とはいい関係で痛いのだが……今朝から失敗したな。
「そろそろ学校に行かないと遅刻するな」
「あ、そうですね……ゆうお兄ちゃん」
「そうだ、桃花」
「は、はい!」
食べ終えた食器を手早く片付けながら俺は桃花に声をかけた。
「その……学校では『お兄ちゃん』って止めてくれないか?」
「そ、そうですね……」
一応、俺の両親は俺達が同じ学校だというのを考慮して苗字を変えないでいてくれている。つまり、学校ではクラスで一番かわいい子の桃花が俺の義妹だと知る人間はいないのだ。
なのに、学校で迂闊に『お兄ちゃん』呼びなんてされたらクラスで一番かわいい子にお兄ちゃん呼びを強制するヤベーイ男子高校生が爆誕してしまうのである。
「では、悠木くんって呼びますね♪」
何で名前……とも思ったけど、昨日苗字では呼ばないって決めたもんな。
なら、仕方ないか。
「じゃあ、俺も桃花さんって学校では呼ぶから」
「は、はい……」
すると、何故か桃花は照れたように顔を赤くして頷いた。
なんで照れているんだよ……可愛すぎかよ。
そして、桃花は俺より先に準備を済ませて一人で玄関に向かいこう俺に向かって言った。
「じゃあ、行ってくるね。ゆうお兄ちゃん♪」
本当に、こんなかわいい義妹と俺は一緒に暮らせていけるのだろうか?
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