第48話【義妹とプール】
「ゆうくん、プールだよ! 楽しもう」
「お、おう」
プール当日、結局水着は桃花が最初に選んだ可愛いワンピース型の水着が選ばれた。
「ゆうくん、水着どう?」
「ああ、かわいいよ」
義妹の可愛い水着姿を見て改めて思うが、やはりこれが正解なのかもしれなない。
エッチな水着は俺だけが拝めたらいいのだ。
愚民どもは我が義妹の可愛い水着を拝めるだけありがたいと思って欲しい
「ゆうくん、あっちにウォータースライダーがあるからやろう?」
「ああ、いいよ」
因みに、今日は外だから桃花は俺のことを『お兄ちゃん』ではなく『ゆうくん』で呼んでいる。多分恋人同士のデートだからという意味もあるのだろうけど、ここは市民プールだから、学校の友達とうっかりあってしまった時の対策でもあるのだろう。
そして、二人でウォータースライダーに向かうと、俺が先に座ってその股の間に桃花が座るというカップルポーズで座った。
すると、桃花が俺の腕を抱きかかえるようにしてこう言った。
「ゆうくん、もっと抱きしめて……」
「あ、ああ……」
そして、桃花の体を抱きしめるようにして二人でウォータースライダーを楽しんだ。
「ゆうくん! 楽しいね」
「そうだな。桃花」
すると、その時プールの上から俺を呼ぶ声が聞こえた。
「せんせい?」
「せんせいだ」
プールから見上げると、そこには小学生が二人いた。何故、俺がこの二人が小学生か分かるのかというと……
「ゆうくん、この子は?」
「俺がバイトしている塾の生徒達だ」
そう、まさかのバイト先の塾の教え子達とプールで鉢合わせしてしまったのだ。
「この人綺麗……先生の彼女?」
「わぁ! 先生彼女連れてデートしてんだ!」
「ああ、この人は俺の彼女だ」
「こんにちは、ゆうくんの彼女の白根桃花っていいます」
「すげー! 先生てばこんな綺麗な彼女いるんだ!」
「付き合っているって大人だ!」
俺と桃花の紹介に塾の生徒二人は子供らしくはしゃいでいた。
別に俺だって高校生なんだから彼女くらいいても不思議な年齢では無いだろう。
それよりも、桃花をこうして『彼女』と紹介するのは初めての経験だな。いや、初めてと言えばクラスでは彼女と公言してたっけ?
なのに『彼女』と照会するのが何でこんなに新鮮なんだろう?
「じゃあ、先生デート楽しんでね」
「先生ばいばい!」
そして、プールで教え子たちと別れて桃花とそろそろプールを上がろうかとなったころ、桃花が言った。
「ゆうくんがわたしのこと『妹』じゃなくて『彼女』って紹介してくれたこと嬉しかった……」
「あっ……」
そう言いながら水着姿で俺の腕に抱き着く桃花を見て俺は気が付いた。
そうか、俺は桃花のことを普段『義妹』として扱っている所があるし、桃花も俺を『お兄ちゃん』と二人っきりだと呼ぶからあんまり『恋人っぽいこと』ができていないんだ。
「まぁ、そのなんだ……だって『彼女』なのは本当だろう?」
「うん……そうだけど、嬉しいの」
そう言って再び桃花は俺に腕に抱き着き胸を腕に当てて来る。
まるで自分がこの人の彼女ですとアピールするみたいにだ。
とう言うか、考えてみたら俺は桃花とあんまり彼女彼氏っぽいことをできていなかったのかもしれない。
彼氏みたいなことか……
もうそろそろ桃花の誕生日だってある。
ちゃんと、桃花の彼氏らしいことしてあげたい。
そういう意味では今日は気づきがあっていいデートだった。
「なぁ、桃花」
「何、ゆうくん?」
そして、俺は再度提案をするのだった。
「もう一度ウォータースライダーに乗らないか?」
「うん……いいよ! でも、なんで?」
「その……桃花と『恋人』でいられる時間がもっと欲しくなったから……ダメかな?」
「ゆうくん……うん、そうだね! わたしももっとゆうくんとこの時間を楽しみたかった」
そして、俺は繋いだ手を恋人繋ぎにして桃花と再びウォータースライダーへと向かったのだった。
「ほら、ゆうくんもう一回乗るよ!」
「ああ、そうだ。桃花……水着似合っているよ」
「えへへ……ゆうくんってば褒めるタイミング変だよ。バーカ♡」
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