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第46話【義妹と夏休み】



「お兄ちゃん、あーそーぼ♡」

「くっつくな桃花。暑い……」


 夏休み、家のリビングでエアコンを効かせながら、ソファーで寝ていると二階から降りて来た義妹が抱き着いて来た。

 夏なので薄着の桃花の胸や素肌が冷えた俺の空に当てられるが、おかげで抱き着いて来た桃花の体が汗ばったい。


「ヤダよ~。だって、お兄ちゃんの体冷えていて気持ちいんだもん」

「それは桃花が自分の部屋で寝ていたからだろ?」

「ブッブ~♪ 寝ていたのは自分の部屋じゃなくてお兄ちゃんの部屋です~♪」

「猶更悪いわ」


 すると、突然桃花が俺の首筋をペロリと舐めて来た。


「うお! 桃花、な、なにするんだよ……」

「うーん、これがお兄ちゃんの味か……アイスとしてはいまいちだなぁ」

「人の体をアイスにするんじゃありません」

「でも、わたし、お兄ちゃんのアイスならいつでも舐めてあげるよ? 実際に昨日も――」

「急な下ネタ止めような!? いつ義母さん達が聞いてるか分からないから!?」


 実はこの引っ越してきた新しい家、実はエアコンがこの一階にしかない。

 なので二階の俺と桃花の部屋はこの夏だと暑ぐるしくて仕方ないのだ。


「はぁ、エアコン……早くわたし達の部屋にもつけてくれないかな?」

「一応、業者が忙しいけど夏休中にはつけてくれるってお義母さん達が言ってくれてただろ?」

「もう、お兄ちゃんの部屋だけでいいから急ピッチで付けて欲しいよ」

「それ、実質俺の部屋で寝泊まりする宣言だから止めようね?」


 夏休みに入ってからは基本桃花は、夜俺の部屋で寝て昼ぐらいまでそのまま俺の部屋で寝ていることが多い。

 だから、本人の希望としては俺の部屋にだけエアコンがあれは事足りるのだろう。

 桃花も夏休みだからって怠惰な生活を満喫しているな。


「そんなお兄ちゃんはいつも朝早く起きて偉いね?」

「そりゃあ、バイトを始めたからな」


 夏休みに入ってから、俺は塾の講師のバイトを始めた。

 まぁ、塾の先生と言っても小学生相手の夏季限定のアルバイトなのだが……しかし、ちょうど近所で募集があり時給も悪く無かったので即応募、採用となったわけだ。

 おかげで、夏休みは塾のバイトがあるせいかまほぼ毎日桃花よりも先に起きている。


「でも、何でお兄ちゃんは急にバイトなんか始めたのかにゃ~?」

「べ、別に……な、何でもいいだろ! ちょっと、お小遣いが欲しくなっただけだ……」

「ふーん……まぁ、そう言うことにしてあげましょう♪ えへへ……」


 この反応……何となくだが俺がバイトを始めた理由バレバレな気がする……。

 でも、いくら何でも誕生日にサプライスプレゼントしたいからバイト始めましたなんて、ヘタレな俺が言えるわけも無いだろう?

 だから、ここは桃花の対応に甘えるとするか。


「まぁ、そう言っても今日は塾のバイトは休みなんだけどな」

「そうなの! じゃあ、お兄ちゃん! なんか夏休みっぽいことしようよ!」

「夏休みっぽいもの……プールでも行くか?」

「いいね! あ、でも……わたし新しい水着とか買ってないや」

「別に俺は学校指定の水着でも――」

「よくない! お兄ちゃん、それは流石に良くないよ! ヘンタイさんだよ」


 学校指定の水着はヘンタイさんなのか……

 すると、桃花は閃いたようにこう言った。


「だから、お兄ちゃん。わたしの水着……選んでよ♪」






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