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第19話【義妹とヘタレお兄ちゃん】



「だから、わたしがお兄ちゃんを抱き枕にする代わりに、お兄ちゃんも一つだけわたしにしたいことしてもいいよ……」


 前回のあらすじ、何か義妹からエッチなことをしていい許可が出た。


「お兄ちゃん……?」

「え、あ……ほ、本当にいいんだな……?」

「……うん」


 そう言って桃花は俺の胸元に抱き着いた状態で恥ずかしいのか目を瞑った。


 ヤバイ……こ、これって一体何処までやってしまっていいんだろう? 少しだけならエッチなことしていいって言っていたけど……少しってどのレベル!?

 すると、俺が迷っているのを感じたのか桃花が誘惑するようにこう言った。


「お、お兄ちゃんが我慢していること……して……」

「俺が我慢していること……」


 そんなこと言われたら、いやでも、本当にシテいいのか!? いや、ダメだろ! で、でも……少しなら桃花が良いって言っていたし……

 そして、迷いの果てに何故か俺の左手は桃花の胸元……を通り越して鎖骨のあたりにタッチした。


「あっ……」

「い、いやだったか?」

「ううん……もっと触っていいんだよ? お兄ちゃん……」

「も――っ!?」


 その言葉を聞いた俺は一瞬、我を忘れて両手で思いっきり桃花を抱きしめてしまった。


「ひゃっ!」

「あ、桃花! ご、ゴメン!」


 思わず衝動的に抱きしめてしまったことに俺が慌てて手を離そうとすると、それを嫌がるように今度は桃花が俺に両手で抱き着いて来た。


「嫌だ……お兄ちゃん、このままが良い……」

「も、桃花……」


 そう言われて、俺は両手で再び桃花を抱きしめた。


「…………」

「…………」


 そして、お互いに無言のまま俺と桃花は抱きしめ合った。

 手に触れる体温は熱く、心臓の高鳴りも聞えて来る距離だ。


 触れる……というその行為が、こんなにも体を熱くさせる好意だとは思わなかった。


「あ……」

「……っ!」


 抱きしめ合ったまま俺の目と桃花の目が合った。そして、自然とその視線が互いの口元に移るのを感じた。


 一体、どこまでしていいんだ……。このままだと俺は一体何処まで手を出してしまうんだろう。


「ひゃっ!」


 そう思っている間に既に俺の手は桃花の胸に触っていて、桃花が可愛らしく声を上げた。

 柔らかい桃花の胸の感触が手のひらに伝わりさらに俺の胸の奥が熱くなった様な気がした。

 ノーブラの桃花の胸がパジャマ越しに俺の手に伝わる。それは、今まで押し付けられていた胸の感触と違って、俺が自分から触れているということに興奮を覚えた。


「あぅ……」

「……桃花」


 まだ行けるのか? まだしてもいいのか? もう既に俺の中にこのまま止めるなんて選択肢は無かった。


 だって、桃花は何も言わない。まるで『それ』を待ち望んでいるかのように……


だったら、このまま――


「お兄ちゃん……」

「……っ!?」


 瞬間、俺は桃花の目を見てハッとした。

 桃花の瞳に涙が浮かんでいたのだ。よく見れば体もこわばったように震えている。

 抱き合っているから分かる。呼吸は荒いし顔も赤くなっているが、緊張しているかのように桃花の手も震えているし、自分が涙を浮かべたことに桃花も気付いてはいないだろう。


 だけど、この先を桃花は望んではいない。


「やっぱり、ダメだ……」


 そう言って、俺は両手を桃花から放してベッドに仰向けになった。

 妹に手を出そうとするなんて、俺はお兄ちゃん失格だな。


「ゆうお兄ちゃん……い、いいの?」

「桃花、いいんだよ……」


 俺が手を出さなかったことに桃花が不安そうに尋ねるが、もう俺に桃花へ手を出すつもりは無かった。

 その代わりに桃花の髪を優しく撫でながら俺はこう言った。


「これ以上したら、眠れなくなっちゃまうからな」



 つまり、俺は義妹にすら手が出せないヘタレお兄ちゃんなのだ。





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