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【義妹の決意と、芽生えた気持ち】


 お兄ちゃんの手がわたしの髪を優しく撫でる。


 時刻は既に深夜の二時半になろうとしていた。

 その中で、わたしはお兄ちゃんの腕に頭を乗せてたわいもない会話をずっと続けていた。


「父さんとお義母さん達が、仕事無理してないか心配なんだ。

「そうですね……。今日は仕事早かったけど、お母さんもお義父さんも毎日朝早くから遅くまでお仕事頑張っていますし……」

「新しい家を買うために仕事を頑張っているのは知っているんだけどな……」

「少なくても、二ヶ月か三ヶ月はお金を貯める必要があるって言ってました」

「今は六月だから……新しい家に引っ越すとしても夏頃だな」

「そうなったら。こうしてお兄ちゃんと一緒に寝るのもそのうち無くなっちゃうのかな……」

「そう……だな……」


 そう言って、しばらくしてお兄ちゃんから静かな寝息が聞こえて来た。

 今日は珍しくお兄ちゃんが先に寝た。

 わたしは眠りについたお兄ちゃんの横顔を眺めながら、今夜のことを振り返っていた。


「ゆうくん、手を出してこなかった……」


 いや、正しく言うならおっぱいは揉まれたけど……でも、それ以上は手を出してこなかった。

 正直、わたしは今日ゆうくんに初めてを捧げてもいいと思っていた。

 そういう覚悟でお兄ちゃんを誘惑していた。


「お兄ちゃんのヘタレ……」


 わたしは……お兄ちゃんなら手を出されてもいいと思ったのに……

 何でそんなことを思ったのか。


『俺にとって、桃花は大切な妹だからな……変なことはしないよ』

『た、大切な妹……』


 あの時、ゆうくんに大切な妹と言われて嬉しいはずなのに、何故かわたしの中では残念な気持ちが胸に広がった。


『じゃあ、兄ちゃんがわたしを見てエッチな気持ちになるなんて言うのも無いんだね』

『いや、それはなる』

『な、なるんだ……』


 そして、ゆうくんに『わたしを見てエッチな気持ちになる』なんて言われて何故かわたしの胸は熱くなった。


 その時に、気付いた。わたしはゆうくんをお兄ちゃんとしてでなく一人の男の子として意識しているのだと……


『お、お兄ちゃんが我慢していること……して……』


 だから、あんなことを言ってしまった。


 そして、お兄ちゃんと抱き合って、お兄ちゃんの手がわたしの胸に触れて……


 その時、既にわたしはお兄ちゃんに初めてを全部奪われるんだと覚悟までした。


 だけど触れ合って、お兄ちゃんは……いや、ゆうくんは――



『やっぱり、ダメだ……』



 やっぱりダメって何がダメなのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! うぅ~っ! わ、わたしは……は、初めてを捧げるもつもりで『いいよ』っていたったのに……何でお兄ちゃんんは手を出すのを止めちゃったの!


 お兄ちゃんのヘタレ!


 そう、自分がとても恥ずかしいことを考えている自覚はある。

 だけど、今日、お兄ちゃんと抱き合って触れ合って確信してしまったのだ……お兄ちゃんだって男の子なんだって……


 そう思った時、わたしはお兄ちゃんを受け入れるのが嫌じゃなかった。


 それどころか、ゆうくんに抱き着くたびに胸が熱くなってもっと触れ合いたいと心から思った。


 ゆうくんがわたしにエッチな気持ちになるって知って嬉しかった。


「……すぅ」

「お兄ちゃん……」


 もしかしたら、わたしは……



 そう、わたしは……お兄ちゃんが好きなのかもしれない……



 そして、わたしは眠りについた。




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