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第12話【義妹と腕枕】



「ゆうお兄ちゃん……一緒に寝よ?」


 夕食後、俺がお風呂から上がると、義妹の桃花はそう言ってベッドに座り枕を抱きかかえながらそう言った。


「その……まだ寝るには早くないか?」


 時刻は夜の十一時、まだ少しくらい夜更かしできる時間帯だ。

 すると、桃花は少し拗ねたような口調でこう言った。


「ダメ、ゆうくんはわたしの……だ、抱き枕だから……口答えはしないの」

「うっ……抱き枕って人権まで無くなるのか……」

「むぅ~、わ、わたしのはだ……裸を見たくせに……」

「わ、分かったよ……」


 そんな感じで、俺は桃花に言いくるめられる感じで同じ布団へと潜った。

 そして、この前を同じように互いに向き合う感じで横になって寝たのだが……


「ねぇ、ゆうお兄ちゃん……」

「……なんだ?」


 最近になって分かるようになったことがある。桃花が俺を『ゆうくん』でなく『お兄ちゃん』で呼ぶときは何か甘えたり、お願いしたいことがある時だ。

 つまり、今の桃花は俺に何か要望があるということだ。


「その……枕が欲しいの……」

「枕なら、もう立派な枕を頭に敷いているじゃないか?」


 桃花の頭には俺とは別に枕が敷いてある。

 だけど、桃花が求める枕は違うようで――


「……違う。言ったでしょう? お兄ちゃんはわたしの抱き枕になるって」

「それって……」


 この前でもした俺の腕を抱いて寝る腕抱き枕の事か?

 しかし、どうやら桃花の求める枕はそれでも無いようだった。


「ううん、今日は……その、腕枕がいい」

「腕枕?」


 つまり、この義妹は立派な枕を持っているにもかからず、俺の腕を枕代わりにしたいと申しているのだった。

 俺は仕方なく向き合う桃花に向かって自分の右腕を桃花の枕の上に重ねた。


「これで良いか?」

「うん……♪」


 すると桃花は満足そうに俺の腕枕の上に頭を重ねる。

 どうやら、今日はこの体制で眠るようだ。


「でも、何で腕枕なんだ?」

「そ、それは……」

「それは?」


 気になって聞いてみると、ちょっと恥ずかしそうな声で桃花が答えた。


「ゆうお兄ちゃんがエッチなことしないように……片腕を抑えようと思って……」


 しねぇーよ! どんな可愛い回答が返って来ると思ったらとんだ警戒心からの答えだった。

 でも、まぁ……しかし、言い返そうにも俺には覗き二犯という余罪があるからぁ……。


「そんな心配はしなくて大丈夫だから、寝なさい」

「……うん」


 すると、桃花は俺の腕を枕にして体を丸くしてまるで赤ちゃんが身を寄せるように俺の胸元に抱き着いた。

 腕枕は聞いていたけど、抱き着かれるのは聞いてないなぁ……いや、そう言えば最初から『お兄ちゃんは抱き枕』とか言ってたっけ?


「……すぅ」


 すると、安心したのか直ぐに桃花から寝息が聞こえて来た。

 桃花も不眠症と言っていたが、こうして一緒にいてやるとすぐに眠れるのは俺を信用してくれているのか、それとも単に警戒心が無いだけなのか……


 その時、不意に自然とまるでアリがアリ地獄にハマるように蝶が花の蜜に惹かれるように、俺は桃花のパジャマの隙間から覗く胸元を見てしまった。


 ――ッ!?!?!

 何で、コイツノーブラなんだよ!!

 何と驚くことにパジャマの隙間から覗く桃花の胸元にはブラがつけられていなかった。

 え、女子って夜ブラはしないの!? でも、今朝のこともあったんだからそれくらい気を付けろよ! これだと俺の目のやり場にまた困るじゃねーか!


 やっぱりコイツ、警戒心が無いだけだわ……。


「…………」

「……すぅ」


 右腕は腕枕にされ、胸元には抱き着かれて、その上視線の先には胸チラが覗くこの状況……って、こんな状態で、寝れるかぁああああああああああああああああああああああああああああああ!






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