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あの夜、僕は“普通”を失った。ヘブンズ・ウェイ!  作者: SodaKun


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24/30

ライン

一本の

細き線にも

意味があり

越えれば変わる

世界のかたち

〜第三者視点〜



「この景色、最高だな……。これなら誰だってホームレスになりたくなるってもんだ」


一人の青年がそう呟いた。

見た目はかなり若い。おそらく17か18歳くらいだろう。だが、どこか年齢よりも大人びて見える。いわゆる、アジア人特有の"実年齢より若く見える"タイプだ。

その青年は、路上に寝転がっていた。

太陽は沈み、空には月が浮かんでいる。


「風も止まった……世界が静かだ。休むには最高の時間かもしれない……」


彼はそこで一度言葉を区切った。


「……って、待てよ! 俺、天道(ヘブンズ・ウェイ)の参加者じゃん!!」


勢いよく起き上がる。


「おいテメェ! 誰だよ!? なんでここで寝てんだよ! 俺の邪魔すんな!!」


隣にいたのは、本物のホームレスの男だった。青年がどこか上品で落ち着いた雰囲気を持っているのに対し、その男は完全に"普通のホームレス"だった。

青年は落ち着いた声で言う。


「帰る家はない。でも、俺が休む場所が家になる。風と太陽と雨が、俺の唯一の友達で――」

「うるせぇ! くだらねぇこと言ってんじゃねぇ! 俺は寝てんだぞ!」


ホームレスの男が怒鳴った。

その瞬間――青年は男の口元に指を当てた。


「ちょっと待て。今の、俺のキメ台詞なんだ。もう一回言わせてくれ」


そして、堂々と名乗る。


「俺は龍馬としろう。日本中をさまようホームレスだ。同じホームレス同士、仲良くしようぜ。一緒に旅でもしないか?どうだ? 天道(ヘブンズ・ウェイ)に参加する気はあるか?」


青年――龍馬はそう言った。

ホームレスの男は、完全に呆れた顔で彼を見る。


「……どっか行け、このクソ野郎やろう!」


罵声を浴びせる。

しかし龍馬は気にしない。


「つまり、もっと俺のことを知りたいってことだな?」


彼は勝手に解釈した。


「見ての通り、どこにでもいるただのホームレスだよ」


その瞬間――男は石を拾い、龍馬の頭に投げつけた。

ゴンッ!


「いってぇ!?」


直撃した。龍馬はすぐに逃げ出した。


「クソジジイ! 正気かよ!!」


数秒ほど走り続けたあと、ようやく立ち止まる。

肩で息をしていた。


「はぁ……はぁ……。仲間として歓迎してくれると思ったのに……甘かったな」


彼は少し寂しそうに言った。


「人間は快適さを求める。同じ空気を吸って、同じ太陽を浴びて、同じ水を飲むことすら――分け合おうとしない」


彼は無理やり笑顔を作る。


「……そういえば」


ふと思い出したように言う。


天道(ヘブンズ・ウェイ)でやるべきことがあったな」


ポケットから紙を取り出し、目を通す。


「依頼は――」


彼の目が細くなる。


「坂本ゆうきの死、か」


そして口元が緩む。


「おお、五百万円か。すげぇな」


だが、次の瞬間。


「……って、待てよ? そんな大金手に入れたら、俺、金持ちになっちまうじゃねぇか。ホームレスじゃなくなるぞ?」


彼が悩んでいるのは――人を殺すことではない。ホームレスでいられなくなることだった。だが、それは"依頼"だ。

彼はため息をついた。


「……ちっ」


そして呟く。


「しょうがねぇな」


顔を上げ、まっすぐ前を見る。


「坂本ゆうきはタダで殺してやるよ」


その言葉には、奇妙なほどの確信があった。迷いはない。龍馬敏郎は――坂本ゆうきという男を、必ず殺すと決めたのだから。

私の作品を読んでくださっている皆様、ありがとうございます。皆様に楽しんでいただければ幸いです。初めてですが!SodaKun Out!◇

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