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あの夜、僕は“普通”を失った。ヘブンズ・ウェイ!  作者: SodaKun


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15/30

賞金がかかっています!

笑い声

風に乗りゆく

昼の道

心は軽く

空まで跳ねる

その坊主頭の男は、ゆっくりと俺に顔を近づけてきた。

その目が、まるで品定めするように俺を観察している。


「えっと……こんにちは?」


会話をしようとしたが、どうやら俺の言葉は無視されているらしい。男はただ黙って、俺の顔をじっと見つめている。……俺のことを知っているのか?いや、こんな坊主の男なんて見た覚えがない。しかも、どう見ても俺と同じ年には見えない。


「お前は坂本ゆうきだな」


ついに男が口を開いた。

俺の名前を言った。

心臓が止まったような感覚がした。顔から汗が噴き出す。俺の名前を知っているということは――


「お前……普通の人間じゃないな」


男は宝くじでも当てたかのような笑顔を浮かべた。


「やっと見つけたぞ、坂本ゆうき!!俺は檜山信行だ!!」


嬉しそうに、自分の名前を叫ぶ。

そして懐中から、一枚の紙を取り出した。


「よく見ろ」


それを俺の前に突き出す。

俺の目が大きく見開かれた。

それは――指名手配書だった。犯罪者に使われる、あの手配書。そこに載っている男は――俺だった。坂本ゆうき。生死問わず。懸賞金は――二百万円。俺はごくりと唾を飲み込んだ。

……この後に何が来るのか、分かっている。死が、俺を待っている。


「死ねぇ!!」


次の瞬間、腹に強烈な蹴りが叩き込まれた。一瞬、体の空気が全部抜けた。衝撃での体は宙に浮き上がる。レストランのドアが自動で開き、俺はそのまま外へ吹き飛ばされ、道路に叩きつけられた。

数分間、痛みで呼吸の仕方すら忘れる。

起き上がろうとしたが、痛みが強すぎた。


「痛いのか? はっ!なんて弱い奴だ!」

「なっ……!?」


目の前に、もうあいつが立っている。……どういうことだ?速すぎる。どうやってこんな一瞬でここまで!?


「ここにいる俺を見て驚いたか?なんでお前が狙われてるのかは知らねぇが……懸賞金がかかってるらしいな。二百万円だ。お前みたいな雑魚にしちゃ高すぎるぜ」


少し笑う。

しかし次の瞬間、表情が一変した。


「……俺の名誉をつけやがって」


怒りの顔。檜山は俺の襟首を掴み、軽々と持ち上げた。

俺は必死にもがく。

だが、この男は間違いなく強い。

……いや、ばけ物だ。

かたておれを空中に持ち上げながら、もう片方の手で指を向ける。


「おい、ガキ。カッコいい技を見たいか?」


指先が光り始めた。そこから、とてつもない量の御霊が放たれているのを感じる。

……すごい。御霊を感知できるようになったけど――その代償は……俺の命らしい。


「これは俺の御霊を込めた攻撃だ。霊的精力を一点に集中させた技だ本物より弱いが……お前を殺すには十分だ」


俺は目を閉じた。

……これで終わりだ。もう、どうにもできない。


「死ねぇ!!」


死を待つ。

――精力!!

爆発音が響いた。……俺もろとも何かが吹き飛んだのか?

その時――妙な匂いが鼻をくすぐった。……食べ物の匂い?ここは天国じゃないのか?天国って、もっと神々しい場所じゃないのか?


「起きろぉ!!」


怒鳴り声。

俺は目を開けた。


「よぉ! 俺だ!!注文してたドイツ風カリーヴルスト、特製だぞ!!」


目の前に立っていたのは――レストランの店主、正宗だった。手には、しっかりと俺の注文した料理が入った袋。


「ほらよ!金払わずに帰るなんてマナー違反だぞ!カリーヴルストがいくらするか知ってるのか!?悪い子だな!千円払え! 一円もまけないぞ!!」


俺の目が見開かれる。

……料金のせいじゃない。俺を殺しかけた男が、口を開けたまま固まっていたからだ。

逃げろと言わないと――


「お前……逃げろ!」

「は?」

「逃げろ!!」


しかし――遅かった。檜山信行が高く跳び上がる。


「死ねぇ!! クソ野郎!!」


着地。

その衝撃で地面が大きく割れた。爆弾が爆発したかのような衝撃。砂埃が舞い上がる。やがて煙が晴れた。檜山が俺を睨んでいる。


「誰かは知らねぇが……あいつはもう死んだ。俺の獲物を横取りする奴は許さねぇ」


その時。

コホン、と咳の音。


「人口密度上げすぎだろ、兄ちゃん。落ち着けよ。腹減ってないか? 何か作ってやるぞ」


声の主は――檜山の後ろに立っている正宗だった。俺も檜山も、同時に驚く。……どうやって生きてるんだ!?檜山が振り向く。


「てめぇ……誰だ?普通の人間じゃねぇな」

「誰? 俺か?」


正宗は胸を張った。


「世界一のシェフだ!!俺は最強だ!!」


大笑い。次の瞬間――檜山の拳が飛んだ。速すぎて、俺には見えない。


「おっと、落ち着けよ」


正宗はその拳を掴み――顔面に一撃。檜山の体が数間吹き飛び、トラックに激突した。


「うおぉ!!いいシュート決まった!! ゴォォール!!」


正宗は大喜びで空を殴った。次の瞬間。空気が歪んだ。

拳から衝撃波が生まれ、檜山を建物の中へ吹き飛ばす。道路はその一撃で破壊されていた。


「……何者だよ、お前」


俺は呟いた。

その時――瓦礫の中から、何かが高速で跳び上がった。空中にいるのは――檜山。眉から血を流し、傷だらけだ。


「気持ち悪い野郎だな……お前、何者だ?普通の人間じゃない。俺が誰か……分かってるのか?」

「ごめんなさい、私の方が強いんです」

私の作品を読んでくださっている皆様、ありがとうございます。皆様に楽しんでいただければ幸いです。初めてですが!SodaKun Out!◇

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