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あの夜、僕は“普通”を失った。ヘブンズ・ウェイ!  作者: SodaKun


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13/30

精製

清き水

身と心まで

洗うとき

静かな光

胸に満ちゆく

「あなたは自分を祓い清める必要があるわ」

「祓い清める?」


彼女はうなずいた。


「穢れと清め。不浄と清浄。これは人間にとって最も大切な概念よ。古い文献によれば、人間は本来、清めの側に属する存在。生まれた時は善なる魂を持っている。でも罪を犯したとき、その魂は穢れに染まってしまう」

「じゃあ……禊をやるのか? あれって滝が必要じゃないのか? 俺の訓練は家でやるって言ってただろ」

「だから、別の方法を使うのよ」


俺は首をかしげた。そんな方法、聞いたことがない。家でできる浄化法なんてあるのか?


「この方法は鎮魂帰神と呼ばれているわ」

「鎮魂帰神?」

「そう。魂を清めるための方法。鎮魂は“魂を鎮めること”、帰神は“神へ帰ること”。瞑想に似ているけど、完全に同じではない。ヨガにも似ているけれど、それとも違う」

「で、どうやるんだ? 説明がややこしいぞ。お前、教師としてはあんまり上手くないな」

「私の言う通りにしなさい!」


その瞬間、彼女は周囲に御魂を漏出させた。


「わ、分かった!!」


俺は反射的にうなずくしかない。今の俺では彼女に逆らえない。


「始めるわ。これはすべての基礎になる修行よ。四つの段階に分かれている。最初は神呼吸」

「最初の段階?」

「準備段階。足を肩幅に開いて立ちなさい」


俺は言われた通りに立った。


「息を吸いながら、地の中心から天へ向かうように手を上げる。そして吐きながら下ろす」


……地と天?

まあいい。

息を吸いながら腕を上げ、吐きながら下ろす。


「四回、手を打ちなさい」


俺は四回、柏手かしわでを打った。


「その柏手は宇宙の四元素——火・水・土・風を象徴している。次は鳥船。これは動作のある修練よ」


準備運動みたいなものか。


「左足を前に出して」


俺は左足を前に出した。


「手を前に突き出すとき“ホー”と叫び、引き戻すとき“エイ”と叫ぶ。大地を押しているイメージを持ちなさい」


「大地?」


俺は想像する。巨大化した俺が地球を押したり引いたりしている姿。三流悪役みたいに笑いながら。

レイカはため息をついた。どうやら考えを読まれたらしい。


「地球じゃない。自然の“土”よ」

「ああ、なるほど」


俺は手を前に突き出す。


「ホー!!」


大地を押しているイメージ。そして手を引く。


「エイ!!」

「次は右足を前に出して、同じことを」


俺は右足でも同じ動作を繰り返した。


「次は?」

「次は振魂。魂を揺さぶる修行よ」

「魂を揺さぶる? どうやって?」

「普通に立って。両手を組み、お腹の前で構える」


俺は言われた通りにする。


「その手を上下に強く振りなさい。頭の上に向かうとき息を吸い、足元に向かうとき吐く」


俺は激しく手を振る。頭の方へ上げるとき吸う。下ろすとき吐く。


「この修行は魂を振動させ、力を解放するためのもの。意識を体の中心に集めなさい。御魂を感じて。集中して」


俺は目を閉じた。何かが違う。体の中に、言葉にできない感覚がある。腹の奥が妙に温かい。全身のエネルギーが一点に集まっているような感覚。


「今、御魂の漏出は止まったわ」


俺は目を開いた。


「こんな簡単に御魂を制御できるのか?」

「ええ。人間が神道の修練を忘れているだけ」

「なるほど……」

「最後は帰神。静かな瞑想よ。吸うとき、魂が空へ昇るイメージ。吐くとき、宇宙のエネルギーを取り込むイメージをしなさい」


俺は目を閉じる。

空を想像する。

どんな空だ?

星空か?

月の空か?

太陽の空か?

果てしない宇宙か?

俺は人生で見たあらゆる空を思い浮かべる。

そのとき——

俺の意識の奥に、奇妙な光景が現れた。

黄金。

黄金の山。

世界中が黄金で満ちている。

その中心に、一人の人物。

黄金の鎧を着た存在。


「……何だ?」


その人物が口を開いた。


「お前は選ばれし者だ」


世界がぼやけ始める。

何だ……?

頭が混乱する。

黄金の光が目を焼く。

世界がぐるぐる回る。

上下が逆転する。

俺は目を開いた。

顔は汗まみれだった。

体も汗だらけだ。


「な、何だ今の!?」


俺は目を見開く。目の前の光景は、完全な混乱状態だった。部屋がめちゃくちゃに破壊されている。家具は壊れ、壁にはひびが入っている。

レイカが——血を流していた。


「はっ!? どうしたんだ!?」


俺は急いで彼女の元へ駆け寄る。


「大丈夫か!?」


彼女は苦しそうだった。血が体から流れている。何が起きたんだ!?のひび割れから水が流れ出している。どうして水が?誰がこんなことを——?


「この部屋で何が起きたんだ!? 死神が襲ってきたのか!? それとも悪霊か!?」


レイカは俺を見て言った。


「あなたは……自由になった」

「……え?」


自由?

体を動かす。……軽い。俺は首に手を当てた。

鎖がない。後ろを振り返る。

怨霊がいない。消えている。


「……どういうことだ?」

「心配しなくていい」


レイカはゆっくり言った。


「私は大丈夫よ」


彼女の傷はゆっくりと塞がっていった。

流れていた血も、止まっていく。

私の作品を読んでくださっている皆様、ありがとうございます。皆様に楽しんでいただければ幸いです。初めてですが!SodaKun Out!◇

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― 新着の感想 ―
ついにクリフハンガー!金色の鎧を着た男は誰なのかな。
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