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『魔法の使えない転生者、忌地の森をひらく』  作者: 森野余白
第八章「三人の居場所」

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第99話 また置いていく

雨の夜が明けました。


エルネアは研究拠点へ戻る準備を始めます。


けれど、持ってきたものをすべて鞄へ戻すわけではありません。


ユウマの拠点には、また来るためのものが少しずつ残されていきます。

 朝。


 目を覚ます。


 最初に聞こえたのは雨の音ではなかった。


「…………」


 静かだ。


 目を開ける。


 屋根の向こうは、まだ薄暗い。


 けれど、昨日まで続いていた雨音は消えていた。


「止んだみたいだな」


 身体を起こす。


 火は小さくなっている。


 灰の下を枝で探ると、赤い火種が残っていた。


 その向こうでは、ハクアがいつもの場所で伏せている。


 そして、広げた屋根の下。


 敷物の上に銀色の髪が見えた。


「…………」


 エルネアもいる。


 昨日の夜と同じだ。


 それを確認しても、特に驚かなかった。


 火へ乾いた枝を足す。


 小さく息を吹くと、炎が戻ってくる。


 その音で、少し離れたところから布が動いた。


「おはよう」


 まだ少し眠そうな声だった。


「おはよう。雨、止んだみたいだな」


「本当?」


 エルネアが身体を起こし、屋根の外を見る。


 俺も立ち上がった。


     ◇


 外へ出る。


 空は曇っている。


 木々からは、まだ水が落ちていた。


 葉に残った雨。


 枝から落ちる雫。


 地面は濡れている。


「道は?」


 俺が聞く。


 エルネアは空き地の端まで行き、地面を見る。


「今すぐ急いで出る必要はなさそう」


「まだ滑る?」


「滑ると思う。でも、昨日の夕方よりは見えるよ」


「じゃあ、もう少し待っていこうか」


「うん。……もう少し、ここにいてもいい?」


 聞いてから、エルネアは少しだけ視線を逸らした。


「もちろん。急ぐ理由もないし」


「そうだけど」


「なら、地面が落ち着くまで待とう」


「ユウマがそう言うなら」


「俺が言わなくても、待つつもりだっただろ」


「……少しだけ」


 無理に早く出る理由はない。


 日も上がり始めている。


 少し地面が落ち着くまで、ここにいればいい。


     ◇


 屋根の下へ戻る。


 ハクアが身体を起こした。


「おはよう」


 白い耳が動く。


 エルネアも近くへ来る。


「おはよう、ハクア」


 今度は耳がもう一度動いた。


「二回返事したみたいだな」


「私にも?」


「たぶん、そうだと思う」


「たぶんじゃなくて、ちゃんと聞いて」


「ハクアに聞いてみてくれ」


「ユウマが通訳してくれるんじゃないの?」


「俺にそんな機能はない」


「昨日はしてくれたのに」


「昨日もしてないと思う」


「じゃあ、今日もしてないことにする」


 エルネアが小さく笑う。


 俺は少し笑い、水の容器を持った。


「水を汲んでくる」


「私も行こうか?」


「近いから、ここで待っていてくれ」


「……分かった。戻るまで、火を見てる」


「助かる」


「任せて」


 外へ出る。


 雨上がりの地面を踏む。


 足元は柔らかい。


 でも、いつもの水場までなら問題ない。


     ◇


 戻ると、エルネアは自分の敷物を畳んでいた。


 その下に敷いた葉や草もまとめている。


「それ、どうする?」


「葉?」


「うん」


「乾かせそうなら、また使う」


「寝床に?」


「何かには使えるだろ」


「ユウマらしいね」


「何が?」


「使えるものを、すぐ捨てないところ」


「エルネアも捨ててないだろ」


「私は……ユウマの拠点に置いていくだけ」


「それなら、捨ててないのと同じじゃないか」


「そうかな」


「そうだと思う」


 濡れてはいない。


 屋根の下にあったからだ。


 俺はまとめたものを受け取る。


「じゃあ、こっちに置いておくな」


 乾燥場所へ置く。


 エルネアが見ていた。


「捨てないんだね」


「まだ使えそうだから」


「やっぱり」


「何がやっぱりなんだ?」


「ううん。思った通りだなって」


「俺のこと、分かったみたいに言うな」


「少しは分かってきたよ」


 そう言って、エルネアは火の方へ視線を戻した。


     ◇


 朝の食事。


 昨日と大きく変わらない。


 俺の食べ物。


 エルネアの携帯食の残り。


 ハクアの分。


 三つに分ける。


「昨日より少ないな」


「帰るからね」


「足りる?」


「研究拠点にもあるよ」


「それなら、よかった」


「心配してくれた?」


「足りないと困るだろ」


「それだけ?」


「それ以外にも、何かあると思うか?」


「……何でもない」


 エルネアは少しだけ笑った。


 食べる。


 雨上がりの朝は少し冷えていた。


 火の近くがちょうどいい。


 エルネアも手を火へ向ける。


「昨日より静かだね」


「雨が止んだからな」


「それだけじゃなくて」


 エルネアは森を見る。


「朝だからかな」


「夜よりは鳥がいる」


「そうだね」


「眠れたか?」


 聞いてから、少し余計だったかもしれないと思う。


 エルネアは火を見たまま答えた。


「うん。……思ったより」


「それなら、よかった」


「ユウマは?」


「俺も眠れた」


「それならよかった」


「何が?」


「私が隣にいても、眠れたんだなって」


「隣っていうほど近くはなかっただろ」


「でも、同じ屋根の下だった」


「それはそうだな」


「……嫌じゃなかった?」


 短い沈黙。


「嫌だったら、泊めていない」


「うん」


 エルネアはそれ以上聞かなかった。


 けれど、火へ向けた手が少しだけ近づいた。


 しばらく、食べる音と火の音だけになる。


     ◇


 食事を終える。


 エルネアが立ち上がった。


「そろそろ片づける」


「帰る準備?」


「うん」


「もう少し、ここにいてもいいぞ」


 言ってから、俺は自分で少し驚いた。


 エルネアも一度こちらを見る。


「……そう言われると、帰りにくくなるね」


「道が乾くまでの間だけでも」


「分かってる」


「本当に?」


「本当。……でも、少し嬉しい」


 小さな声だった。


「聞こえなかった」


「聞こえてたでしょ」


「できれば、もう一度聞かせてほしい」


「言わない」


 鞄を開く。


 昨日使ったものを一つずつ確認していく。


 記録帳。


 筆記具。


 布。


 採取物。


 小さな容器。


 調査用の敷物。


 俺は火の近くで道具を整えながら、その様子を見ていた。


 前なら、全部鞄へ戻していた。


 持ってきたものは持って帰る。


 それが普通だった。


「…………」


 エルネアが棚を見る。


 そこには小さな容器が一つ置かれている。


 前からあるものだ。


 昨日、一晩だけ置いた採取物もある。


 エルネアは棚へ近づいた。


     ◇


 採取物を手に取る。


 これは持ち帰るらしい。


 鞄へ入れる。


 次に布、小さな容器、予備らしい細い筆記具、短い紐を手に持ったまま、少し止まる。


「それも持って帰る?」


 俺が聞く。


 エルネアは手元を見た。


「これ?」


「うん」


「……持って帰った方がいい?」


「どうしたい?」


「そうだね」


 少し考える。


「……また使うから」


 答えはそれだけだった。


「それなら、そこに置いておけばいい」


 俺は棚の方を見る。


 エルネアも見る。


「いいの?」


「前にも置いているだろ」


「そうだけど。今回は少し多いよ」


「まだ置けると思う」


「本当に?」


「棚が壊れるほどではないから」


「そういう意味じゃなくて」


「分かってる」


 エルネアが黙る。


「……じゃあ、置いていく」


「うん。そうしてくれ」


「あとで、やっぱり邪魔だって言わない?」


「言わない」


「本当に?」


「もし邪魔になったら、俺が少し動かしておく」


「それ、邪魔だと思った時の言い方だよ」


「じゃあ、邪魔じゃなくても使いやすいように動かす」


「もっと困る」


 エルネアが笑った。


 それで話は終わった。


     ◇


 エルネアは前からある容器の横へ、新しい小物を置いた。


 採取用の布。


 小さな容器。


 予備の筆記具。


 短い紐。


 どれも小さい。


 重要そうなものでもない。


 高そうなものでもない。


 研究記録も貴重な試料もない。


「…………」


 でも、前より増えた。


 前は小さな容器が一つ。


 それだけで、棚の端が少し違って見えた。


 今は、その隣にいくつもの小物が並んでいる。


 まだ一人分の荷物と呼ぶほどではない。


 けれど、もう置き忘れに見える数ではなかった。


「結構あるな」


「邪魔?」


「そうじゃない」


「じゃあ、何?」


「……置いていくものが増えたなって思っただけだ」


「うん」


「前は一つだった」


「覚えてるんだ」


「棚の端にあったから」


「それだけ?」


「それだけでも、覚えている」


「ふうん」


 エルネアは小物を見た。


「私は、もう少し覚えてるよ」


「何を?」


「ユウマが置いていいって言ってくれたこと」


「そんなに大したことじゃない」


「私には、そうでもなかった」


 返す言葉がなくなる。


 棚を見る。


 俺のもの。


 乾かした植物。


 紐。


 石。


 樹皮。


 その端にエルネアのもの。


 前は一つだけだった場所に、今は小さなまとまりができている。


 少し散らばっている。


「よかったら、少しまとめるか」


 俺は立ち上がった。


     ◇


 棚の端に置いていた自分のものを少し動かす。


 使いかけの樹皮。


 短い紐。


 小さな石。


「そこまでしなくていいよ」


 エルネアが言う。


「探しにくいだろ」


「私は分かるけど」


「俺が分からない」


「ユウマが使うの?」


「使わない。でも、邪魔になった時にどこまで動かしていいか分からない」


「……私が置いたものなのに?」


「だからだ」


「私がいない時も?」


「いない時の方が、どこまで動かしていいか迷う」


 言ってから、少し変な言い方だったと思った。


 エルネアも気づいたらしい。


「……私がいないと、困る?」


「棚の話だ」


「分かってる」


「本当に?」


「今のは、私が聞きたかっただけ」


 エルネアが視線を落とす。


 俺も棚へ向き直った。


「だから、ここに置いておこう」


 棚の端。


 一角だけ空ける。


「これくらいなら入るだろ」


「入ると思う」


「なら、ここを使ってくれ」


「私の場所みたいに?」


「物を置く場所としてなら」


「うん。物を置く場所ね」


 エルネアが小物を一つずつ置き直す。


 布。


 容器。


 筆記具。


 紐。


 前からあった容器も同じところへ寄せる。


「…………」


 小さなまとまり。


 本当に棚の端だけだ。


 それでも、以前は一つの容器が占めていた場所に、今は次に使うためのものが並んでいる。


     ◇


「これでいい?」


 エルネアが聞く。


「うん。これならよさそうだ」


「ユウマのもの、狭くならない?」


「まだ入る」


「棚、増やす?」


「今は、まだ大丈夫だ」


 エルネアが笑った。


「必要になったら?」


「その時に考えよう」


「やっぱり」


「何が?」


「ユウマは、必要になるまで作らない」


「必要ないのに作る理由もないからな」


「でも、必要になったら作ってくれる?」


「必要なら、作る」


「私のためでも?」


 エルネアが聞いてから、少しだけ目を逸らした。


「棚が必要なら」


「棚の話じゃなくても?」


「……何の話か、もう少し分かるように言ってくれ」


「分からないならいい」


「分からないふりをしているだけだ」


「じゃあ、分かってるんだ」


「たぶん」


「たぶんなんだ」


「今は、それくらいで勘弁してくれ」


 エルネアが笑う。


 俺も棚を見る。


 今のところ、新しく作るほどではない。


 だから作らない。


 それだけだ。


     ◇


 でも、棚の一角ははっきり分かれるようになった。


 俺のものではない。


 ハクアのものでもない。


 エルネアのもの。


 誰も名前を書いていない。


 仕切りもない。


 専用の棚でもない。


 ただ、そこに置いてあるものを見れば、誰のものか分かる。


「…………」


 少し前なら、エルネアが帰れば、この場所からエルネアのものは全部なくなった。


 残ったのは小さな容器一つだけだった。


 それは棚の端に置かれた印のようだった。


 今は違う。


 その印の周りに、布があり、筆記具があり、紐があり、小さな容器がある。


 昨日泊まったからというだけでもない。


 帰るのに置いていく。


 次に使うから。


     ◇


 エルネアは鞄の中をもう一度確認した。


「これで大丈夫」


「忘れ物は?」


 いつものように聞く。


「置いていくものはあるけど、忘れてないよ」


「分かってる」


「本当に?」


「今回はな」


「今回は、ってことは」


「前は忘れてた」


「忘れてないよ」


「置いていっただろ」


「置いていったの」


「そういうことにしておこう」


「違うよ」


「どう違う?」


「忘れたんじゃなくて……」


 エルネアは棚を見る。


「また来るつもりで置いたの」


 言ってから、少し照れたように視線を逸らした。


「……今回も?」


「今回も」


「なら、忘れ物じゃないな」


「うん」


 エルネアが笑う。


 俺も少し笑った。


     ◇


 外へ出る。


 地面を確認する。


 まだ濡れている。


 でも、朝一番よりは少し明るくなった。


 霧のように残っていた白さも薄い。


「そろそろ大丈夫そうか?」


「うん。このくらいなら」


「細沢は?」


「水は増えてると思う。無理なら別のところを通るよ」


「分かった。足元には気をつけてくれ」


 エルネアは森を知っている。


 俺が全部指示する必要はない。


 ただ。


「滑るなよ」


「ユウマもね」


「俺は今日は遠く行かない」


「昨日も似たこと言ってた」


「覚えてた?」


「大事なことは覚えてるから」


「それなら、今のも覚えておいてくれ」


「何を?」


「滑るなって言ったこと」


「それは、ユウマが一緒に来てくれたら守れるかも」


「研究拠点まで?」


「途中まででも」


 エルネアが言ってから、自分で少し驚いたように瞬きをした。


「……冗談」


「分かってる」


「本当に?」


「行けるところまでなら、一緒に行ってもいい」


「え?」


「道の確認もできるから」


「……いいの?」


「俺も見ておきたいと思っていた」


「そういう理由なら?」


「そういう理由だ」


「じゃあ、お願いしてもいい?」


「うん。もちろん」


 エルネアは小さく頷いた。


 それから。


「ありがとう」


「礼を言うほどじゃない」


「私は言いたいから」


 今度は俺が先に歩き出した。


     ◇


 エルネアが鞄を背負う。


 ハクアを見る。


「ハクア、帰るね」


 白い耳が動く。


「またね」


 もう一度。


 耳が動いた。


 エルネアは嬉しそうにした。


「やっぱり、二回返事した」


「今日は、そういうことにしておこうか」


「ユウマも認めたね」


「一回だけだ」


「十分」


 でも、近づかない。


 手も伸ばさない。


 そのまま空き地の端へ向かう。


 俺も少し後ろを歩く。


「次に来た時」


 途中で立ち止まった。


「何?」


「昨日の雨で、北側の草がどうなったか見たい」


「ああ」


「あと、前に話した乾かしてる草も」


「裂きやすさ?」


「そう」


「覚えてたんだな」


「大事なことは覚えてるから」


「俺の言葉を使うな」


「ユウマが先に使ったんだよ」


 俺は少し考える。


「忘れてたら?」


「私は書いてあるから大丈夫」


「またそれか」


「ユウマも文字を覚えたら書けるよ」


「じゃあ、それも次に教えてくれ」


「うん」


「次に来た時に?」


「……うん」


 エルネアが答えるまで、少し間があった。


 次。


 もう、いつ来るのか聞かなかった。


     ◇


「じゃあ行くね」


「うん」


「……見送ってくれる?」


「細沢までなら」


「そこまででいい」


 エルネアが森へ入る。


 濡れた地面。


 木の根。


 一つずつ確かめるように歩いていく。


 銀色の髪が木々の間へ消える。


「…………」


 俺は少しだけ見送った。


 雨の後だ。


 姿が見えなくなるまで、今日は待った。


 それから拠点へ戻る。


     ◇


 まず、昨日使った寝床を片づける。


 敷物はエルネアが持って帰った。


 下に使った葉と草は乾燥場所へ。


 濡れていないものは、また使える。


 次に火を見る。


 水。


 屋根。


 排水。


 昨日の雨で崩れたところがないか確認する。


「大丈夫そうだ」


 屋根の端。


 少しだけずれている葉を直す。


 紐は緩んでいない。


 排水溝にも大きな崩れはない。


「よし」


 いつもの朝の続きだ。


     ◇


 棚の前を通る。


 足が止まった。


「…………」


 端。


 一角。


 エルネアのものがまとまっている。


 小さな容器。


 布。


 筆記具。


 予備の紐。


 前は小さな容器が一つだけだった。


 それが今は、いくつもの小物を受け止める場所になっている。


「増えたな」


 前は一つだった。


 今はいくつかある。


 棚そのものは同じ。


 新しいものを作ったわけではない。


 ただ、置き方が変わった。


 置かれるものが変わった。


「ここなら、分かりやすそうだな」


 俺のものと混ざらない。


 エルネアも探しやすい。


 次に来た時、自分で取るだろう。


「…………」


 次に来た時。


 そう考えていることにも、もう違和感はなかった。


     ◇


 ハクアが近づく。


 棚へ鼻を向ける。


「また増えたぞ」


 白い鼻が動く。


「エルネアのものだ」


 匂いを嗅ぐ。


 一度だけ。


 それで終わる。


 ハクアは火の方へ戻っていった。


「お前も気にしないな」


 返事はない。


「……俺も、気にしてない」


 言ってから、誰に言い訳しているのか分からなかった。


 ハクアは振り返らない。


 俺も棚をもう一度見て、それから離れた。


     ◇


 昼前。


 空は少しずつ明るくなっていた。


 森から落ちる水の音も減っている。


 俺は作業場所へ座る。


 昨日まで途中だった紐を手に取る。


「続き、やるか」


 撚る。


 整える。


 使えそうな長さにする。


 ハクアはいつもの場所。


 腰掛けは空いている。


 広げた屋根の下にも、今日は誰もいない。


 でも、棚にはエルネアのものが残っている。


「…………」


 本人はいない。


 それでも、次に来るためのものは前の一つから、今はいくつかに増えていた。


 そして、次に来るための場所も少しだけ形になっていた。

第99話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


エルネアは研究拠点へ戻りましたが、持ち物の一部をユウマの拠点に残していきました。


それは忘れ物ではなく、また来るためのものです。


棚の一角に増えた小物と、「次に来た時」という言葉が、二人の距離の変化を示しています。

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