その4
「アリスは元気なんですか?」
嬉しさからそうロジーナは尋ねた。が、アンディは渋い顔を彼女に向けてくる。
「それを、蒼藍に聞いちゃだめよ」
「・・・え?」
「いいから。とにかくアリスの話題を蒼藍に、特に蒼春院で話さないで頂戴」
ああ、怒られているんだと、遅れてロジーナは気付いた。アリスが何をしたのか解らないが、少なくとも彼女の話題はタブーなようだ。しおしおと落ち込むロジーナを、慌ててアンディがフォローした。
「ごめんなさい、別に怒ってるんじゃないのよ。ただね、あまり良い話ではないのよ」
一体何があったのか、気にならないなんてことはもちろんない。が、とてもではないが聞ける状態ではなかった。
しばし、重たい雰囲気が二人の間に流れる。デートなんて言う明るい話題で出掛けてきたはずが、なぜこんな事態になってしまったのかと、揃って後悔していた。
「あー!もうっ!なんでこんな可愛い子とのデートでこんな空気にならなきゃならないのよっ」
痺れを切らしたアンディがそう叫ぶと、立ちあがってロジーナの前に手を差し出した。
「まだ来たばかりでこの辺の勝手は解らないでしょう?私も初めはここにいたから、色々案内してあげるわ!」
元通りの晴れやかな顔で笑う彼に、ロジーナは安心感を覚え、彼女もまた元通りの楽しげな顔で笑った。
「はい、お願いします!」




