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【書籍化】毒親育ちの俺、異世界で優しい家族を得る~不運な男爵家ですが、錬金魔法で辺境領地を発展させます~  作者: 夢・風魔
5章

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203/211

203:今度は悲鳴が上がった。

 温泉を町の方へ引き込むのは、町の引っ越しが終わってからだ。いや、どこに温泉施設を錬金するかは考えるけどね。

 それはカーク卿にお願いしたのたが、最初は顔を青くされてしまった。

 ほんと、みんな温泉を怖がりすぎたって。


 町造りも俺の仕事はだいぶん減ってしまった。

 基礎の錬金、それから現在になる石煉瓦の大量錬金、住宅の何割かは錬金したけど、あとは領民任せだ。建築家を育てるためにね。


 時間に空きができたから趣味のロボット錬金をして、町のシンボルとして噴水に立たせたい。

 背中のブースターから水が噴き出すようにしたい。

 ロケットパンチの代わりに水を出す。それでもいい。


 そう交渉したんたけど……。


「ディルムット。それはやめておこう。とうしてもっていうなら、屋敷の裏庭を使ってもいいから」

「……はい。わかりました……」


 しょんぼりだ。

 しかたないからミニサイズのものを錬金して、カチャに入れることにした。


「あ、ドールハウスサイズにすれば!」


 新しい人形として、令嬢やご婦人方に喜ばれないかな!?


「兄さま。ぜったい売れないからやめた方がいいわ」

「え……ダメ?」

「ダメ」


 ぐすん。

 こうなったらふて風呂にいってやる!


 ちょっと風呂まで遠いのが難点だけど、まぁそこは仕方ない。

 あと、風呂から帰る間に汗だくになるのも仕方ない。

 そうだ。帰りはドワーフのトンネルを使うかな。

 風呂から直接繋げると、坑道に温泉が流れ込んできますかもしれないし、少し離れた何処から地下への階段を錬金しないとな。

 階段までは屋根付きの通路を錬金すればいいか。

 よし!






「あ? 通路として使うだぁ? 坑道はそんなに広くはねぇんだぜ。掘った岩だのなんだのを運んでんだ、邪魔になるだけだろう」

「そこをなんとか……あ、じゃあ俺が通路の錬金をするよ」


 ドワーフの坑道に沿うように通路を作って、更に町の西にある彼らの居住区まで伸ばした。これで少しは涼しいだろう。少しは、ね。


 温泉施設も改造した。半身浴ができるよう段差をつけたり、足湯を作ったり。

 あ、ロボットも飾ろう。


 温泉に行くたびあれこれ追加していると、ある日……。

 

「ディルムット様。あの」 

「マーガレット?」


 マーガレットが他のメイドや使用人と一緒に俺を呼び止めた。


「ディルムット様。最近、夕方になるとお出かけされていますが、どちらへ?」

「温泉に行ってるって、伝えていたはずだけど」

「本当にあの臭い地獄の釜の湯ですか!? だってディルムット様、最近お肌がすべすべだし、髪だって艶々じゃないですか!」

「そうかなぁ。自分じゃわからないけど」

「いつもお世話をしている私が言うんだから間違いありません!」


 うっ。なんかマーガレットの圧が凄いんですけど。

 けど肌がすべすべで髪艶々とかって、温泉効能あるあるじゃないか。

 魔法陣鑑定、見落としていたのかな? 成分とかいろいろ脳内に情報流れてきたし、面倒臭くてちょっと読み飛ばしたけどさ。


「ゼナスは日差しが強くて、お肌のお手入れ大変なんですよ! それなのに……ディルムット様だけずるいです!」

「お肌の潤いを保つ秘訣を教えてください!」

「いや、だから温泉に入っているだけなんだって」

「「ディルムット様!」」


 本当に温泉なんだってばぁー!

 そこまで言うなら入ってみたらいいじゃないかと勧めるんだけど、それは怖いという。

 俺は毎日入ってますけど?


 そう伝えると、信じられないと言われて公開処刑――いや、公開入浴させられることになった。

 待って。婿入り前なんですけど?


「ガウンをどうぞ」

「お着替えはお手伝いいたしますので」

「せっかくですから香油もご用意いたしましょうか」

「いいですわねぇ」


 俺……弄ばれてる?

 普段だって風呂はひとりで入ってるのに!

 お年頃なのよ!(身体は)


 脱衣用の個室、錬金しといてよかった。

 そこでガウンに着替え外へ出ると、使用人の女性軍団があ待ち構えていて、めちゃくちゃ真剣な眼差しでガン見された。


「ディルムット様……ほ、本当に大丈夫なのですよね?」

「やっぱりカティア様をお呼びしてからのほうが」

「え、なんで母上を?」

「「治癒のためです!」」


 …………そこまでか。


「いいよ、いらないから」


 今日はリラックスして温泉を楽しめないなぁ。はぁ……。

 とため息交じりで温泉に浸かると、今度は悲鳴が上がった。


「ディルムット様ぁぁぁ」

「はい」

「お、お手当を!」

「いりません」

「あぁぁぁ。わたくしたちのワガママのせいでディルムット様が犠牲にぃぃ」

「生きてるって……」


 こんな調子で美肌なんかかなえられるのかなぁ。

 あぁそうだ。


「錬金魔法——お。やっぱり読み飛ばしたところに美肌効果あった。あったけど——え、これって……」


 【人体に及ぼす影響です——疲労回復、冷え性解消————美肌効果、髪艶、治癒効果弱、栄養促進などなど】


 治癒、栄養促進?

 なんだよ、これ。


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