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【書籍化】毒親育ちの俺、異世界で優しい家族を得る~不運な男爵家ですが、錬金魔法で辺境領地を発展させます~  作者: 夢・風魔
5章

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188/216

188:俺の魔法なら関係ない。

 各地から集めた落ち葉と、コロコロたちの結晶うん玉。それと水を魔法陣で一時保存の中に取り込み、砂漠の砂ぐらいまで粉砕した岩と混ぜる。すると脳裏に【土壌生成】という言葉が浮かんだ。


「土壌生成!」


 すると、魔法陣の上に土が現れた。

 

「あぁ、外で作業してよかった。これ建物内だと大惨事だったな」

「キュキュイィン」

「なんだ、コロコロも嬉しのか?」


 お尻をぴこぴこ動かして、まるで踊っているようだ。コロコロだって、肥えた土地を好む。ということは、この土っていい土なのか。


「畑の土によさそうだな。でも住宅やその周りの土なら、肥えてなくてもいいんだよなぁ」

「キュ。キュッキュ」

「うん玉と落ち葉を減らして、岩を増やしてみろ? やってみるか」


 コロコロは器用に文字を書くことができるようになっていた。まぁたどたどしい、しかも小さくは書けないが。そのコロコロのアドバイスに従って、素材の量を調節してみた。

 土のことはコロコロに聞けってんで、さっきは岩10に対して草を5、うん玉2、水3の分量だった。そこを、草を3、うん玉1,水2にしてみると、ちょっと硬めの土になった。


「うん、こんなもんでよさそうだ。ありがとう、コロコロ」

「ンキュ~」


 ただ、岩の量に対して落ち葉がやっぱり足りないよなぁ。町の全面を土にするにしても、これは厳しいかもしれない。

 粉末にした岩の上に、土を敷くかな。何十年か先に、その粉末岩も土に変わることを願って。


 そうしてまずは屋敷を建てる階層に敷き詰める分の土、完成!

 一メートルぐらい下まで岩を粉末にしておいて、その上に土を乗せていった。あとは町の人たちが手分けして平らにしていってくれる。

 俺の方は下層の住宅エリアを作るため、岩を削り取っていく。

 すると、まさかの事態が発生した。


「つ、土が出てきた!?」


 岩を削っていたら、なんと土の層が出てきたのだ!?


「たぶんだけどな、西側の山は海底だったが、こっちの東側の方は元々陸だったんじゃねえかな。だからこっち側にゃ、岩塩がねぇんだよ」

「じゃ、この辺りって海岸の岩場だった場所、みたいな?」

「おう。東の山は、北へいきゃ土になってんだろ? この辺りももう少し東にいきゃあ、やっぱ土山になってんだ。ちょうどこの辺りが岩と土の境界線だったみてぇだな」


 天然の土。いや天然って言い方は変だけど。とにかく土が出た!

 これで土足りないぞ問題も解決できそうだ。






「兄さま、王妃様へのプレゼント、どうするつもりなの?」

「ん? 一応、錬金するドールハウスは決めたよ。このお城にしようと思ってね」

「あ、そのお城、私が選んでたヤツ!」


 土を町の人たちが均してくれている間に、王妃様への誕生日プレゼントの錬金だ。

 図鑑から選んだのは、まさにティファニーが「私このお城か、こっちのお城がいい!」と言ったお城だった。ただし第二候補の方だ。


「たださ、このお城の間取りって細かいんだよね」

「うん、私もそれ思ったの。部屋数多過ぎるなぁって。浴室が40もあるんだけど、そんなにいる?」

「代わりに大浴場がないもんね。客室やお城で暮らす人たちの部屋に、浴室が併設されている感じか」


 確かに風呂多過ぎ。人形は風呂に入れないから、まぁ必要ない。

 そして、人形を飾るのだから、一部屋ごとが広くないといけない。エヴァに贈ったドールハウスも、部屋数はたったの十しか作らなかった。


「このお城もさ、部屋数は十ぐらいの方がいいかなぁって思うんだ。あと庭園も欲しいって言われて」

「お庭! 噴水とお茶を楽しめるガゼボは絶対ね」

「はいはい。でも庭の地面とかどうしようかなぁと思ってさ」


 人工的に作るにしても、素材をどうするか。ベンチとか、ガゼボや噴水は、自由にレイアウトできるようにしてあげたい。模様替えできるようにね。

 庭園だし、人工芝? いや、土の部分もあるし……。

 いっそ本物の土で作ってみる? 錬金魔法で薄い板状に圧縮して、魔力で固めてしまえばいい。

 じゃあ芝生は草を押し固める?

 いや、なんか違うな。

 いっそ土を緑に染めるか? 染まればだけど。難しいか?


「砂漠の砂……砂なら、色が染まるかも?」

「砂をどうするの?」

「いや、砂を緑にしたら、芝生っぽく見えないかなぁと思って」

「見えないわよ、そんなの決まってるじゃない」


 もっと優しく言ってくれませんか?


「でもドールハウスのお庭だもの、砂に色をつけて芝生っぽくするのはアリだと思うの」

「アリ? アリでいいんだね!」

「あ、だったらぁ、砂をぎゅ~って固めて、大理石みたいに色を塗れないかしら」

「おぉ、それもありだねぇ」


 魔力で固めて、タイルのようなものを量産すればいいな。薄ければ重さもそうないだろうし。

 うん、魔力で固めれば……魔力で……。


「魔力で砂漠を固めれば、ワームの侵入もガチで防げる!?」

「きゃっ。な、何なの、兄さま。急に大きな声ださないで!」

「ご、ごめん。いや、ちょっと思いついたからさ」


 いや、どうして思いつかなかったんだろう。

 前世のテレビで言われていた「砂漠の砂が粒子が丸く、結合しにくい」っていうのが頭の隅にあったってのもあるんだけど。

 そうだよ。現実では無理でも、俺の魔法なら関係ない。

 できる!


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