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【書籍化】毒親育ちの俺、異世界で優しい家族を得る~不運な男爵家ですが、錬金魔法で辺境領地を発展させます~  作者: 夢・風魔
5章

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185/217

185:俺もちょっと思ってたけどさ!!

「本日はお招きいただき、ありがとうございます」

「エヴァちゃん、お誕生日おめでとう~」

「おめでとうございます、エヴァンゼリン嬢」


 九月一六日。晴れ。

 今日はエヴァの誕生日パーティーに招待され、ハルテリウス公爵家へとやってきた。

 馬車で半月以上かかる距離にある公爵家だけど、魔導具のおかげでその距離を感じることはない。

 秒だ。ボタンをポチっとすれば秒で行ける。


 いやぁ、魔法って素晴らしいねぇ。

 

「み、みなさん、お越しいただきありがとう……ございます。あの、その大きな荷物は?」

「あはは。エヴァへのプレゼントにって、三人で考えて錬金してきたんですけど」

「いっぱい造り過ぎちゃった」

「すみません。大きくなり過ぎちゃって」


 兄弟三人でかわるがわるそう話すと、エヴァが首を傾げた。

 とりあえずエヴァの部屋へ移動することに。


 ん?

 エヴァの……部屋……だと?

 お、おお、お、おと、乙女の部屋!?

 いや落ち着け。別にやましい気持ちなんてないんだから。落ち着くんだ、俺!


「あ、あの。エヴァの部屋に飾ってしまってもいいのかな?」

「飾る? あの、何を錬金されたのでしょうか?」

「えっと……ドールハウス……。ほ、ほら、以前、ビーバーの木彫りの人形を贈ったでしょう? あのサイズの人形用の家なんです」

「まぁ! デストロイちゃんだったら、あちらに」


 デストロイちゃん?

 え? 待って。ビーバーがデストロイ? え?


「兄上。モンスターのフィギュアを贈ったのですか?」

「え? モンスター? いやいや、お兄ちゃんはかわいいビーバーを贈ったんだよ」

「ですから、モンスターですよね? デストロイ・ビーバー」

「はあぁ?」


 いや待って。何その強そうなビーバー。そんなモンスターがいるの?

 破壊神ビーバー?


「え、えっと。結構大きいんだけど、大丈夫かな? 具体的に言うと、縦横二百センチぐらい」

「本当にすみません。兄上もティファニーも調子に乗っちゃって」

「ふふ。じゃあお隣の部屋がいいかしら。おじい様が買ってくださるお人形部屋なんです」


 うってつけの部屋だな。

 隣に移動して荷物を開封。もちろん、うちの騎士たちに運んでもらっている。まぁ俺たちも少しずつ持ってるけどね。

 木箱から取り出されたのはミニチュアのお屋敷だ。


「実はこれ、エヴァから借りた本の中にあった屋敷なんだ」

「私が選んだの」

「本にあったままだと、各部屋が小さくなりすぎるので、僕が微調整しました」


 そう。これは兄弟三人で選んだ誕生日プレゼントなんだ。

 中に置くミニチュアの家具も三人で選んで、色も考えて。ティファニーはミニチュアベッドのシーツに小さな刺繍をしてくれた。


「す、凄いです。わぁ、かわいい。こんなに小さいのに、本物そっくりだわ。あ、デストロイちゃんたち、持ってきますね」


 デストロイ…破壊されないだろうか。

 でも、人形なら他にも持ってきたんだよね。こんどは木彫りじゃなく、ちゃんとした人形だ。

 デストロイちゃんはお屋敷の護衛がいいんじゃないかや。強そうだし。


 エヴァが戻ってきたら、錬金した人形も出す。


「まぁ、お人形も? デストロイちゃんと違って、ふわふわなのですね」

「試行錯誤して、なんとか形になりました」


 見た目は完全に、前世で売られてた二足歩行の動物のアレだ。

 俺、頑張った。何度も何度もダメだしされたけど。


 メイド服を着た猫。執事の格好をしたシェパード犬。ドレスを着た茶色のウサギ令嬢と夫人。カワウソ男爵、ふたりの令息、それからホワイトタイガーの騎士たち。いろんな人形を錬金した。

 そして、白くて赤い瞳のウサギ令嬢も。


「まるでディル様たちみたい」

「いや、なんか錬金してたらこうなっちゃって」

「こっちの白ウサギはエヴァちゃんなの。それでね、ドレスルームにある服はね、実際にお着換えできるのよ。凄いでしょ~」

「着替えもできるの!? すご~い」


 ふふ。これも何度も何度もやりなおして、やっと着せ替えできるサイズを錬金できました!

 五着しかないけど、これで勘弁してください。


 エヴァとティファニーがさっそく人形遊びを始めて、これを見たら頑張った甲斐があったなと思う。


 そして、彼女へプレゼントしたこのドールハウスが、新しい我が家となる。

 というのをジークが話すと、ティファニーがとんでもないことを口にした。


「エヴァちゃん。このミニサイズのお屋敷で、兄さまとの新婚生活の予行練習をしてね」

「ひゃう!? しし、し、しんこ、新婚!?」

「ティ、ティファニー! なんてこと言うんだお前はっ」

「うっふっふ~。ふたりとも、お顔真っ赤ですよ~」


 くっそ。

 お、俺……俺もちょっと思ってたけどさ!!


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