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毒親育ちの俺、異世界で優しい家族を得る~不運な男爵家ですが、錬金魔法で辺境領地を発展させます~  作者: 夢・風魔
3章

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112/121

112:大変だった。

 大変だった。

 悪魔用に掘り下げた地下室を元に戻さなきゃいけなかったからだ。

 前、どんな床石だったかな……。

 廊下や他の部屋の床石を見ながらなんとか元通りにした、殿下が休まれている部屋へと向かった。

 王宮のではなく、離宮のだ。


「ロバート卿は、呪いのことはわかりますか?」

「申し訳ありません。その手のことはあまり。わかることと言えば、呪う相手の髪の毛が必要だとか、もしくは呪いを込めた何かに直接触れるとか、あとは直接、呪詛を唱えて目の前の者を呪うとか。そういったことですね」

「髪の毛!?」

「はい。離れた場所から対象を呪う場合はそうなんだとか」

 

 髪の毛を使った場合は、呪いたい相手を絞ることができる。

 呪いを込めた、いわゆる呪物に触れさせる場合は、不特定多数の中から最初に触った人が呪われることになる。

 呪詛を唱える方法は、魔法と同じだ。対象を前にして呪うから、呪った本人も特定できる。

 今回は三番目のこれではないだろう。


「どっちの方法を使ったんだろう?」

「難しいですね。王太子殿下に異変が生じたのが二年ほど前だと言いますし」


 髪の毛だろうが物に付与されていたのだろうが、その正確な日時は割り出せない。

 わかることと言えば、悪意があったというだけ。

 そして、王子を狙ったのだとしたら、それは国家を揺るがす大犯罪ということ。

 犯人を野放しにはできないけど、手がかりになるものすらない。


 ただ。


「呪いは発動して、悪魔は憑依している。呪った本人がそれに気付けているなら、何らかの反応があるかもしれない」

「はい。王子が悪魔憑きになったと思い込んでいるか、もしくは討たれたと。そう、勘違いしている可能性はあるかと思います」

「うん。それでボロを出してくれることを願うしかないな」


 そのためにも。






「なるほど。王子のことは今しばらく伏せておくべきか」

「はい。さすがに王子に呪いをかけたものがいない、なんてことはないでしょうし」


 いや、実は絶対とは言い切れない。

 過去の呪いの遺物なんてものもあるし、たまたま殿下がそういったものに触れた可能性もゼロではない。

 けど、まぁ王室が狙われたという確率の方が高いだろう。


 呪いは取り除いたが、王太子殿下がすぐ元気になるわけではない。

 この二年間、食事の量も減り、ずっと部屋に閉じこもっていたそうだし、体力が落ちているだろう。

 今も疲れた顔でベッドへ横になっていた。


「殿下は今、世間的にはどういった感じなのでしょう? 病床とか、海外留学とか。表に姿を現せなかったわけですし」

「隣国への留学という体にしておる。商業国レトンへな。以前の貸しがあったであろう。その件もあってな」


 レトンか。それは好都合だ。

 王子を直接知るレトンの人間はいない。他国の重鎮でも知る情報――たとえば年齢背格好、外見といった、それが一致する人物を影武者として留学させているそうだ。

 そして、評議会メンバーは【偽物】であることを把握している。

 王子は身分を隠して、国内を見て回る。レトンに王子がいると思わせれば、本物の安全性が高くなるから――という理由で。


 なかなか国王陛下も、思い切ったことをするお方だ。


「では、王太子殿下には、実際にお忍び旅行をしていたことを裏付けるためにお勉強をしていただきましょう」

「勉強とな? いったい何を」

「もちろん、国内のことです。各地をいろいろ見てきた、ということにしなければならないのですから。そうですね。まずは旅行計画を立て、スケジュールに合わせてその土地の特徴を覚えるんです」


 実際にその土地へ行ったかのように。

 何月ごろのどこどこなら、外観はどうとか食べ物はどうとか。そういったことだ。


 で、そういった情報をどこで集めるか。


「冒険者です。彼らなら各地を旅していますから、よく知っていると思いますよ。ね、ロバート卿」

「はい。わたしもお手伝いいたしましょう」


 数日かけて王都の、冒険者御用達の酒場に通ってもらい、彼らから話を聞いてもらうことにした。

 王都の冒険者ギルドなら、ロバート卿の顔見知りもいるかもしれない――と彼が言う。

 家門の都合で冒険者を引退した彼と違い、今でも冒険者を続けている人なら、確実に国内をあちこち歩き回っているだろう。

 それから。


「母上。呪物を発見できるような神聖魔法はありますか?」

「えぇ、あるわよ。既に離宮内はそれで調べてみたけど、今は何もないみたい。あとで王宮の殿下のお部屋も調べるつもりだけど」

「その魔法を見せて欲しいのです。本当なら部屋に何かが持ち込まれるたび、調べた方がいいのでしょう。だけどその度に神殿から司祭を派遣してもらうのも大変ですし」

「えぇ、そうね。でもどうするの?」


 どうするか。

 それはもちろん。

 そろそろ俺も、魔導具というものを錬金したいお年頃になったということだ!

 

 浮遊魔法を付与して船を浮かせる。

 そんな魔導具があるのなら、呪物を発見できる魔導具があったっていいだろう。

 なければ錬金するのみ!


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