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毒親育ちの俺、異世界で優しい家族を得る~不運な男爵家ですが、錬金魔法で辺境領地を発展させます~  作者: 夢・風魔
3章

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106/114

106:ペット。

 私が……私が醜いですって!

 どんだけ目が節穴なのよ!!


 でも……私にあんな口を利く令息は他にはいない。

 あぁ。やっぱり欲しい。

 ディルムット様が欲しい。


「待てクリスティーナ。お前のその横暴な態度、そろそろ改めなければローズメイン侯爵家は取り潰されることになりかねないんだぞ!」

「お兄様……。横暴な態度? 私が? 何を仰っているの。私は横暴なんじゃないわ。美しい私は何をしても許されるのよ。だってずっとそうだったでしょ?」

「確かにお前は屋敷の中では何でも許された。だけどそれは父上や母上の間違った教育で! このままだととんでもないことになるぞ」

「う、うるさいわよ!」


 お兄様のくせに、妹を脅そうというの?

 なんて酷い人なのかしら。

 あっ。


「お父様だわ。お父様ぁ~、お兄様を叱ってちょうだい」

「お、おい、クリスティーナ。あの方は……」


 お父様、誰と一緒にいるのかしら?


「クリスティーナ、レイドニス。昼食会はどうしたのだ」

「ど、どうもしませんわ。退屈だったから抜け出してきただけだもん」


 あんな屈辱的なこと、話せるわけないもの。

 お兄様、余計な事言わないでよね。


「お父様のお知り合いですか?」


 お父様より少しお若い方だわ。身なりからして上流貴族のようだけど。

 こんな方、いたかしら?

 ふふ、なかなかにイケメンなおじさまだわ。


「前に会ったのは、まだクリス嬢がこんな時期だったかな」

「えぇ。まだ二歳の頃でございます」

「まぁ。お会いしたことがあったのですね」


 で、誰なのよ。


「ふたりとも、挨拶をしなさい。こちらはバルファギド・オルフォロス大公殿下。現国王の弟君だ」

「まぁ、王弟殿下でしたのね。私はクリスティーナですわ」


 王弟! 大公!

 超がつく大物だわ!

 お父様、そんな大物と親しくされているなんて、さすが私の父だわ。


「た、大公殿下、お久しぶりです。レイドニスでございます」

「あぁ、久しいなレイドニスよ。王立学園では()()目らしいな」

「は、はい」

「首席はハルテリウスとホーヘンベルクの子倅だそうだな。もっと精進して、あの二人を出し抜けるようにならねばな」


 ほんとほんとっ。王弟殿下、良いこと言うわ。


「ではローズメイン。わたしは行くとしよう。せっかく兄上が用意した催しだ。親子で楽しむがいい」

「はい。殿下もどうぞ、()()()()ください」


 あら、行ってしまわれるの?

 まぁ国王の弟君だもの。忙しいのね。

 あ、そうだわ!


「お父様、聞いてよ! ディルムット様が、あの忌々しい白豚との婚約を受け入れているのよ! お父様言ったわよね。どうせその場しのぎだって。どういうことなんですか!」

「はぁ……クリスティーナ、お前はあの少年を夫に迎えたいのか?」

「もちろんよ! ずっと私の側にいさせて、眺めるの。そして、あの生意気な性格を矯正して、私に跪かせるんだから」

「お前……それは夫ではなくてもいいのでは? そうだ。クリスティーナ、夫ではなくペットではどうだ?」


 ペット? 何言ってるのお父様。

 人間はペットには……ペット。


「いいですわね! お父様、ディルムット様を私のペットにしてくださるの?」

「あぁ。事が上手く運べば、な。くくく、はははははははは」


 事が上手く? なんのことかしら。

 でもいいわ。

 ディルムット様が私のペットになるのなら、なんだって構わない。

 ふふ。待っててね、ディルムット様。

 そうだわ。ペットのためのかわいいお部屋も用意しなきゃ。


「ち、父上。どうかローズメイン家を破滅させるようなことは」

「黙れ! ちっ。いったい誰に似たのだ、お前は。なぜローズメイン家の繁栄を考えられぬのだ。クソッ。やはり父に教育を任せるのではなかったな」


 確かお兄様は生まれてすぐ、おじい様に預けられたのだったわね。

 お父様はおじい様と仲が悪かったようだけど、子育てが面倒だからって押し付けたのはお父様なのに。

 あぁあ。まぁたお兄様、屋敷の地下室に閉じ込められちゃうわね。

 ほんと、おバカなんだから。


 ふふ。

 ディルムット様をペットに……あぁ、早くそうならないかしら。

 楽しみだわぁ。

 

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