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喜ばれて、そしてなんか貰った。

「あら、目が見えないのによく分かったわね。」


音が………消えた。

一秒にも満たない一瞬ではあるが、確かに私には無音の世界に囚われていた。

嫌でも強者だと分かる世界のなか、私はやぶ蛇をつついたのかと後悔したが、結果的にそれは杞憂に済んだ。


「まぁでも、ここ犯罪者の巣窟だもんね、ここから出てきたなら鑑定できる人は鑑定するもんね。あ!ごめんなさいね、驚かせちゃたみたいね!」


お茶目で可愛らしい雰囲気になったが、騙されてはいけない、何故なら男だ!いやそれだけじゃなくてこの人強いぞ。

それも鑑定を誤魔化せるタイプの強さだ!


………リンゴは相変わらずうたた寝してるのが唯一の癒しである。


「ええ、勝手だけど鑑定させてもらったわ。」

「別に構わないけど、あなた凄いわね!あの男共も最後まで私が男だと気づかなかったみたいだし、ちなみになんだけど、()()()()()()()()()()()?」

「それは………言っても危害加えない?」

「与えないわよ!ただ内緒にしてほしいのよ、私が男だってことさえ黙ってくれればそれで構わないわ。」


念のため偽証を見抜く玄人で対応しているが、どうやら彼女(彼にすると多分後悔する)の言葉に嘘は無いようだ。

だが玄人の状態でも彼女には、鑑定しきれない部分が多々あるのだ、特にレベルが分からないしスキルも名前しか分からない。


だが誤魔化せる自信がないため正直に話すことにする。


「分かるのはあなたが男だということと、男殺しの幻惑と………無害猛毒?というスキルの名前だけよ。

あとはステータスとか職業とかレベルも分からないし、スキルも名前だけで肝心の内容が分からないわね。」

「それだけ分かれば充分よ、そっか君は凄いわね!普通私がレベル20で適当な戦闘スキルが見えるはずなのに、なるほどねそれなら、ここのボスがたった2人相手にやられても納得出来るわね。」


そう、彼女の鑑定結果はこのよく分からない結果とは別に恐らく偽装用であろう鑑定結果が赤く表示されているんだが、これは元より当てにならない。


のほほんと彼女は対応しているが、こちらは正直緊張している。こちらに危害を加えないのは玄人越しから分かるのだがそれでも緊張するものは緊張する。


そんなとき髪に痺れるほど心地よい刺激が走った!

あ!リンゴが私の髪を撫でてくれる!どうやら私を安心させてくれてるようだ。


「あらあら、どうやら膝枕させてる方が凄そうね。」

「お!見る目あるじゃない!そうよ私の自慢の妹なんだから!」

「仲のいい双子姉妹ね。」


一気に緊張がなくなった!彼女は信用できるわね!

姉バカ?シスコン?上等よ!彼女は私の妹の凄さが分かるだ!

………真面目な話、リンゴのパスを通してではあるが、リンゴは彼女を敵意は無いようだ、警戒は必要ではあるが少なくとも敵ではないのが分かる。


まだ警戒を解いてない緊張感のなか、私にとって要らん奇跡ではあるが、この状況を打破する幸運が舞い降りた。


「うぅ、な………なんだったんだ?」


ボスが生存していたのである!これはこの場にいる人全員が驚いた!

思わずこのボスに鑑定をしてみた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


非常に珍しい現象です。

死霊術による完璧な蘇生行為です。

条件は以下の通りです。


・病気の無い健康体であり、命に関わる外傷がないこと。

・死後1時間以内

・非常に高い魔力とそれを完璧に扱う高い精度の精密さの死霊術を扱うこと


補足内容

水魔法での眼球を狙う際、脳に外傷はなくショック死したのが一番の要因でしょう。

また強制的に走らせる際、回復魔法を使ったのが決め手になりました。

無論ではありますが眼球が潰れてるため視力はありません。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あら!ボスが生きてるわ!よかったこれで怒られないわ!ありがとう!助かったわ!」


思いっきり喜ばれている、どうやら危機は過ぎたようだ。

先まで警戒してたのがバカみたいに彼女は喜んでいる。なんだったんだ?今までの時間は?


「ちょっと待っててね………………

よし!今お礼できるのがこれしかないけど、受け取ってちょうだい!」


彼女はどこから出したのか手紙を書き、それを封筒に入れ、火の魔法で丁寧に蝋で封し特徴的なエンブレムをまだ固まってない蝋に刻み、蝋がちゃんと固まったあと私にその手紙を渡す。


思わず受け取ってしまったわ!

すげーー今も喜んでいる、理由は分からないがとにかく感謝されている。

濃い、濃すぎるよこのキャラは、お腹いっぱいだよ、ついていけないよ。


「ねぇ?こいつのほかの連中はどこにいるか教えてくれる?」


私はついその方角を指差した。


「ありがとね!ホントに助かったわ!じゃあ私行くね!」


彼女は嬉しそうにその方角に真っ直ぐ向かっていく、ボスを片手で引きずりながら軽やかに、そして割りと早く姿が小さくなっていく。

そういえばあの連中も手足はもう駄目だろうが、恐らく生存してるだろうな。



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肯定


手足はもう無理ですが、凍らせているため出血死は免れています。

ですが、あと1日は持たないでしょう。()()()()()()



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


………最後の一文は無視しよう。

しかしなんだったんだ?なんか手紙を貰っちゃったけど、結局よく分からないイベントだったな。

手に持ってる手紙をつい見てみる、おや?手紙とは別に小さく折り畳まれた紙がある。

それを広げて読んでみる。


ここの異世界の文字のようだが鑑定のお陰で読めることができる。


『近くに街があるから、その手紙のエンブレム見せるといろいろ手配してくれるから何かと便利よ!

もし冒険者ギルドに用があるならギルドマスターにこの手紙を見せてちょうだい!きっとあなたの助けになるわ!』


………………………なにこれ?もしかして私の幸運MAXのせいかしら?

まぁ別に損は無さそうだし、お誂え向きに先の盗賊共から周辺の地図もあるし、これが一番の理由だが特にこれといった目的がないからとりあえず私たちは街へ向かうことにする。




………………貰ったこの手紙の凄さが想像以上だったと割りとはやくに分かるのだが、この時の私には想像すらしてなかった。

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