月と夢
まさか、一ヶ月以上あくとはおもってもいなかった…………。どうも子寝虎ですw
えーっと、言い訳させてください(なんかこの前もした気がするぞ?)
その1 ・大学生になるのでその準備でいろいろと時間が食われた。
その2・高校を卒業するからいろいろと時間が食われた。
その3・引っ越すからいろいろと時間が食われた。
その4・すっかり書くの忘れてた。
…………………。はい、本当にすみません。まさかここまで時間が食われるとはおもってもいなかったwww(私、本当に大学生やっていけるのか?)
まぁこれからも地道み書き続けて生きます。どうか生ぬるい目で見守ってください。
では、いい夢を
『魔絶獣』
ハヤミの身体は猛々しい化物に成り果てていた。
顔にはむき出しの牙が、手には刀よりも鋭い爪が現れていた。
それがワーウルフとしての姿……ハヤミ大輔としての本当の姿だ。
「その姿を見るのは久しぶりだなぁ………ワーウルフ。いやぁ第二次魔導聖戦を思い出すよぉ」
「そんなこと………思い出したくないわ‼︎‼︎」
ハヤミは力強く地面を蹴るとそのままアリスに向かって突っ込んでいった。
ガキン‼︎‼︎ガガガガガガガガガガ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
ハヤミの鋭い爪とアリスのチェーンソーが双方の間でぶつかり合った。
眩くそして紅い火花か四方八方に飛び散った。
しかし、ハヤミは詰めた距離を元に出すことなくそのまま左手でアリスの首に喰らいつこうとした。
すると、アリスは上半身の態勢を左に倒しながら右足でハヤミの繰り出した左手を蹴り飛ばし、そのまま上半身を軸にし、反時計回りに回転しながら左足の踵でハヤミの顔を蹴り飛ばそうとした。
しかし、ハヤミはまるでそれを知っていたかのように軽やかなバックステップでアリスの裏回し蹴りをかわした。
「へぇ………今のに反応出来るんだ。さすが野生の本能は違うなぁ」
そういいながらアリスはまたチェーンソーを構えようとした。しかし、彼女はそのチェーンソーを持ち上げずにまるで、地球に引っ張られるように膝をついた。
息が荒い。どうやら魔力切れのようだ。
「!?」
彼女の目はまるでダークホースを見つけたベテランスポーツ選手のような、まるで初心者に詰まされたプロ棋士のような、まるでケーキにマヨネーズをかけたら意外と美味しいと気づいたパティシエのような「ありえない」ほど見開いていた。
しかし彼女の口は、まるで戦う楽しみを再確認したベテランスポーツ選手のような、まるで新芽に期待をするプロ棋士のような、まるで新たな可能性を切り開いたパティシエのような「面白い」ほど口角が上がっていた。
「魔力を根こそぎごっそりと取られちゃったのかぁ…………あの一瞬でねぇ。やっかいだなぁ。ほんっとにやっかいだなぁ。ねぇワーウルフ」
アリスはにたにたした口でそういいながらゆっくり立ち上がった。
「へぇ………それがワーウルフの魔術回路なのかぁ」
その顔、その口調、その笑顔はまるでゲームの新ボスを攻略する無邪気な少年のようだった。
そして、重く固まったチェーンソーをゆっくり左肩に担ぐとそのまま地面を蹴りさっきよりも速い速度で間合いを詰めた。
そして、その速度のまま勢いを殺すことなく担いでいた凶器をハヤミに向かって振り下ろした。
ズバァアア‼︎‼︎
動いていないただの鉄の塊がハヤミの右肩を深くえぐった。そして、アリスはチェーンソーがハヤミの肩にえぐりこむのを確認すると刃を回転させ始めた。
ドゥルルルルルル‼︎‼︎‼︎
刃のものすごい回転とともに赤い飛沫が四方八方に飛び散った。
「ウグゥアァァァア‼︎‼︎‼︎」
ハヤミは低く荒い声で叫んだ。そして、右手で回転しているチェーンソーを下から払いのけるとそのまま拳でアリスのみぞおちを殴った。
鈍い音共にアリスは後方へと吹っ飛び、アスファルトに思いっきり叩きつけられた。
「まだうごけるだけの魔力が残ってたんだな。しかし、これでもう貴様の魔力は尽きた。もう動けまい」
ハヤミは己の拳をアリスに向けてそう言った。
敵に触れることで相手の魔力を根こそぎ削りとる………それが彼の魔術回路「月の獣」の三日月形態『魔絶獣』の能力なのだ。
その拳を二発も食らったということは例え大魔導師と同等の魔力量をもつアリスとて器の中に魔力は残っていないはずだ。
しかしそれが正しいのならば、ハヤミの魔術回路が機能しているならば二つ気になることがある。
一つ、アリスがまだ動いているということだ。魔力が足りない魔道士というのは血が足りない人間と同じ症状が生まれる。それは魔道士は魔力によって魔術回路である心臓を動かしているからだ。故に魔力が尽きた魔道士は動くどころか生きる動作さえも困難におちいるのだ。
二つ、魔力が尽きたはずなのにこの忌まわしい空間が元に戻っていないということだ。
この二つの違和感が確実に一つの答えを語っていた。
今、ここで暴れている化け物はただの量産型dust Childrenの失敗作ではないということだ。
ハヤミはもう一度深く拳を握りこむと目の前でゆっくりゾンビのように立ち上がる少女のことを睨みつけていた。
「………………。まだ、立ち上がれるのか」
「ワーウルフ、貴様はどうやら勘違いをしているようね」
「勘違い?どういう意味だ」
ハヤミは握りしめていた拳を解くことはなくそのまま、笑み浮かべながら楽しそうにしているアリスのことを睨み付けた。
すると、アリスはフフフと笑うとそのにやけた口をゆっくりと動かした。
「ねぇ......私がいつ、魔力をつかったっていったのさァ?」
ハヤミは両目を見開いた。
もし彼女が魔法を使っていなかったとしたら、もし魔力を消費していなかったとしたら彼女は別の動力に頼っていたことになる。
別の動力に頼る………それは同時に「狂気を使う」ということを意味している。
確かに狂気は魔力以上の動力を得ることができる。がしかしそれは非常に異常なほど危険な行為なのだ。
狂気は超高密度の魔力の塊である。もし使うのならば魔術回路である心臓に負荷をかけ暴走を巻き起こすのだ。
まず、狂気に触れると身体全身が火あぶりの刑をうけているように思わされるほど熱くなる。次に神経系が蟲に貪り食われているような感覚に落ちていく。そしてじわりじわりと己の悲鳴以外聞こえなくなり視界も壊れていき、最終的には脳が、身体が、心が言うことをきかなくなってゆき、ただ周りを壊すだけの、己を壊していくだけのくだらなく醜く愚かな「魔道兵器」に成り果てるのだ。
これが狂気であり悪魔に身を委ねた愚か者の末路だ。
だが、問題なのは今、目の前にいる彼女の状態がどのようになっているかということだ。
もし、彼女が狂気に支配されているのなら簡単な話でただ相手の活動限界がくるまで、つまり自滅するまで時間を稼げばいいだけの話なのだ。しかし、もし彼女が狂気を支配していたとしたら話は別だ。狂気とは精神や肉体を脅かすものと同時に「枯れぬ魔力」とも呼ばれている。
もしその苦痛に、その恐怖に、耐えることが出来たのならば狂気から生み出される魔法はとてつもない恐怖をばらまくことになる。
「そろそろお遊戯もおしまいにしましょうかしら『tea time〜お茶の時間〜』」
彼女がそう囁くと彼女の手元に小さなティーポットがポツンと顔を出した。
アリスはそのポットを手に収めるとくすりと笑みを浮かべ、そのまま呪文を続けた。
「ねぇワーウルフ………………もっと……もっともっともぉおおぉっっつっつつっと楽しい遊びをしましょ‼︎‼︎‼︎
break fast〜破滅のひととき〜‼︎‼︎‼︎‼︎」
彼女の声とともに彼女の手の中に座っていたティーポットは青白く眩く、そして不気味に光りだした。
そして………………




