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urban legend  作者: 子寝虎
13/15

速見カザリ

今年ももう終わりますね。2016年はほんっとに長かった。

ってなことで店長さんがまだ主役です!本当にえらく長くかかってしまいました。


また、2017年も頑張って投稿していくので生暖かく冷めきった目で見守ってください。


では、いい夢を

 私の拳が生み出した轟音が広い空間を震わせるかの如く響き渡った。私の拳は完璧的にtaurosの顔面をとらえていた........はずだった。

 確かに私の拳はtaurosの顔面前にあったが、その手はしっかりとtaurosの左手によって防がれていた。

 私はつかまれた右手を思いっきり振り払おうとしたがまるで瞬間接着剤で固められたかのようにぴくりとも動かなかった。さすがはtaurosの名を轟かせているだけあって大した馬鹿力である。


「この馬鹿牛脳筋野郎......」

「たかが速度を上げただけで拙者に勝てると思ったのか...leoよ」

「速度だけしか上げてないと思っているところが脳筋だっていってるんだよ!」


 私は力強くtaurosの腹を蹴り飛ばし、互いに距離をとるとすぐさま反撃の準備にかかった。

  私は机を思っきし蹴り飛ばしながら右手に溜めた魔力を全身へと巡らせた。そしてそのまま身体の中にある魔力回路へと注ぎ込んだ。

  私の身体が赤い魔力の層に包まれた。

 

  「装具アームドか………。下らないものを使っても拙者には届かないぞ」

  「それはどーだろね」

 

  私はその勢いのままtaurosの右顔面に向かって蹴りを入れた。鈍い音とともにtaurosはガードもろとも崩れていった。


「おい、どういうことだ!?leoのやつ馬鹿力が売りのtaurosを蹴り飛ばしたぞ!?そんな増強魔法あってたまるか!?」


 piscesであるグラエドはあり得ない状況を目にしたかの如くわめきちらした。いや、実際ありえないことなのだ。そもそもtaurosの怪力無双は魔術、呪術、陰陽術の効かない鬼を素手で退治するためにつくられた魔術回路。人間がどんな増強魔法を使用しようがとうてい及ばないほどの馬鹿力を生み出す魔術回路なのだ。


「おいおい、私は鬼じゃなくて退魔師......魔術師を殺す存在だよ。その程度の魔術回路、攻略できなくてどーすんのよ」

「なんだと、魔術師が退魔師に劣るというのか」

「ああ劣るね。いつもでかい椅子に座って偉そうに命令しているだけの連中なんて屁でもありませんよ」

「その口、今から開けないようにしてやるから覚悟しろ!」


 そういうとtaurosは自分の右腕の袖の裾をめくり、刺青のように張り巡らされた和道の術式がかかった右腕を構えた。そして、その腕に対してその長い刀身の刀をじわりじわりと差し込んでいった。

 ぐぢゅり、ぐぢゅり。肉と血がかき混ざる生臭い音が脳に響き渡る。

 すると右腕から流れだした赤黒い血は地面に流れ落ち、そしてひとりでに魔法陣を書き始めいった。


「口寄せか!」


 私はそれに気づくとすかさずにtaurosに対して距離を詰め、先ほどと同じ蹴りを首めがけて放った。ガキン!まるで金属板を蹴ったような重い音がした。それもそのはずだ。私が蹴ったのはtaurosの首ではなく空中に浮いた血の塊だったからだ。

   私はtaurosに対してすかさず距離をとると、taurosはまるでそれをまっていたかのように左手で印をくみ始めた。すると血が紅く光りだし、床に書かれていた魔法陣がじわりじわりと宙に浮かび上がってきた。


「秘術口寄せ『我龍転生』!!!」


 taurosがそう唱えた瞬間、部屋は黒い雲に覆われ雷鳴が轟き始めた。それと同時に柱がゴゴゴゴゴゴと不気味な音をたて始めた。


「この脳筋が!」


 簡単に言えばtaurosの術に対して建物が耐えきれてないのだ。このままだと天井が崩れ落ち、脳筋以外はぺっしゃんこのぺったんこになってしまう。

 私はtaurosの術を止めるべく、彼の顔面に向かって思いっきり殴りかかろうとした。しかし、私の拳がtaurosの顔面に届くことはなっかと。

 いきなりtaurosが倒れたのだ。いや、正確にいうと眠らされたのだ。ヨミ様......ariesの魔術によって。

 ヨミ様は寝ころんだtaurosの身体をお姫様だっこをするとそのままゴミ収集車にゴミを詰め込むかの如く場外へヒョイッと投げ捨てた。


「まったく.....お前があれ以上暴れたら城どころかこの城下町がきれいさっぱり吹っ飛ぶぞ」

 

  私は装甲形態アームドを解除するとじっと黒いマントの化け物……ヨミを睨みつけた。


  「なんだ、脳筋野郎の次は天下のヨミ様が私の相手をするのか?」

 

  ヨミは「いいや」と答えると学生帽のような帽子を深く被り直し、私の方に目を向けながら少しうつむき、語り始めた。

 

  「その武装形態 (アームド)は君の魔術回路だね。それもとびっきり厄介な『重力操作』だ。さらに君にはまだオーヴァーロードの魔力もある。つまり僕がどんな素晴らしい魔法を使おうがこの世界だったら君には勝てないということだ」


  ヨミはそう語りながら私に向かって一歩一歩ゆっくりと近づいてきた。

 

  「だから取り引きをしよう」

  「は?」


  元々不可思議でおかしなやつだと思っていたがついにネジ全てぶっ飛んだか?私は「こいつ大丈夫か?」という表情をしながら首を傾げた。

  しかし、ヨミは私の反応を気にせずに続けた。


  「簡単な話だよ。君が奪ったものを僕達に返してくれれば君にかかってる犯罪者の汚名を消してあげる。ただそれだけの話さ」

  「それは、面白い話だね。私を勝手に犯罪者呼ばわりしているのはお前らなのにその汚名を消すって………そもそも私が何をとったのさ」



  「王の器」



  ヨミの口からとんでもない言葉が飛び出てきた。


  「おいおいおいおい。それは聖戦時代に封印された兵器だろ。それに王の器って先代魔王の魔術回路のことだろ。そんなものを私がいつどこからとったっていうんだよ。

  「大和事件」


  ヨミはそういうと私を見つめくすりと笑った。


  「三年前に起こった大和事件。本来なら魔邪教潰して、はいめでたしめでたしだったんだけどね。ソロモンの人達からとんでもない情報が飛び込んできたわけですよ。魔邪教が王の器を所持しているっていう情報がね。だから、君たちが荒らした後でゆっくりと魔邪教の中から僕のギルドで保護をしようと考えてたんだけど………」

  「王の器は見当たらなかった。ってことか」

  「そういうこと。だからurban legendも綺麗に不発になった。本来なら魔力因子を王の器に集めるのが目的だったのにね。代わりに都市伝説とかほざくバカが生まれちゃったし………」

  「だから、私が王の器を盗んだってか。証拠もなしによくそんなことが言えるな」

  「いやでもね、君自身が己の手で魔邪教を潰してそして本来魔邪教にあるものが消えていた場合君が盗んだと考えるのもおかしくはない話だよ」

 

  ヨミは私のことをまるで犯人を見つけた名探偵の如く睨みつけると追い討ちをかけるように続けた。


  「さぁどこに隠してあるのか吐いてもらおうか。それとも怖いのがお好きかな?」


  正直な話、私は王の器の存在が今何処にあるのかなぞ知るよしもない。逆に見てみたいものだ。

  しかし、ここでヨミ様と殺りあうのは愚策だ。なぜなら状況が最悪すぎるからだ。

 

  「そもそもあんな代物何に使うのさ。魔王でも目覚めさせる気か?」


  私は話を晒すために下らない冗談を言った。


  「すごいね。流石は全ての退魔師を統べるギルドの長だよ。六割あってる」


  ん?冗談を冗談で返されたか?私は自分の耳を疑った。私の脳が、耳が、感覚が、正常ならば私は今、魔王復活の言葉を暴露されたはずだ。私はいったん脳で整理する何が狙いなのかを探る準備をした。しかし、久しく連盟に関わっていなかったせいか全くもって検討がつかない。


  「それが本当の話ならばなおさらお前たちには渡せないなぁ」

 

  私はまるで自分が持っているかの如く嘘をでっち上げた。

  すると、ヨミ様の細い目が一瞬見開いた。


  「やはり、もっているんですね」

  「さーて、なんのことかさっぱりだわ」

 

  すると、ヨミは黒いマントからドスを取り出すと私の方に向けてきた。

 

  「じゃあ早く出してくださいよ。僕もあなたにあまり手荒な真似はしたくないんですけど」

  「ドスを私に向けている癖によくそんなことが言えるよ」

 

  ヨミがお気に入りの式神でなくドスを抜いたということは相当焦っている証拠だ。私は再び拳を握りなおすと王の器のことを探るためにヨミにしゃべりかけた。


   「お前さっき『都市伝説とかいうバカ』がどーたらっていっていたな」

   「それがどうかしましたか?」

   「つまり今騒がせている都市伝説を名乗るあのガキはurben legendによって生まれた魔王の失敗作ってことだよな」

   「そうですがそれがどうかしましたか?」

   「いや、もういいよ」

 

  私の顔はすべてを理解したように満弁の笑みを浮かべていた。王の器がどこにあるのかも、魔道連盟の目的も、全て私の脳は理解把握していた。


 「ウフフフフフフ」


  あまりのあっけなさに笑いがこぼれた。


 「なにかおもしろいことでも?」

 「いいや、たいしたことでもありませんよ。......ただ」

 「ただ?」

 「あなたたちはいつまでたっても糞だなぁ。とそう思っただけですよ!」


 私はその捨て台詞と同時にありったけの魔力を込めた拳で床を殴った。すると床には私の拳を中心に八方位に亀裂が入り空間がじわりじわりとひん曲がっていった。


 「さすがleo,化け物ですね。ここまでやってくるとは」

 「魔王つくろうとしてる連中なんか、ここで葬るのが最善策だからね。だから、出し惜しみなしの全力でやらせてもらうわ」

 「本当にその気のようで.....ならしかたないっか」


 そういうとヨミはかまえていたドスをしまうと両手で印を組み始めた。

 

 「させるか!」


 私はそう叫ぶとこの場重力のを限りなく極限までいっきに高めた。

 ドシャン!床にめり込む音が脳に響き渡る。それと同時にヨミの動きも明らかに鈍ってきた。さすがのヨミもこの威力の重力内だと動きにくいらしい。

 勝機を感じた私は拳を握り、ヨミに向かって襲いかかった。その時だった。


 「ご報告します!たった今クロネコ隊本部が襲撃されたという電報が届きました!」

 

 でかい扉をあらら荒しく開けた兵士がそう叫んだ。

 私はヨミに当たる寸前の拳にブレーキをかけた。


 「もう一度言え」

 

 私は低い声でその兵士を脅した。


 「は、はい!たった今クロネコ隊本部が襲撃されたという電報が届きました」

 「誰にだ」

 「ソロモン部隊によると『アリス イン アンダーランド』だそうです!」


私は拳と術式を解いた。あたりが元の空間へと戻っていく。

私は下を俯いたまま、ヨミから離れた。


「なぁジジィ。お前の差し金か」

「はて、何のことじゃろーのぉ」

「は?とぼけんな。あの都市伝説もお前の道具のひとつだろ。それにヨミがやたら弱かったのもこのためか」

「何を叫んでいるのかさっぱりじゃな」

「とぼけんなっつってんだろ!」


私はジジィを殴ろうとした。しかし、身体は全くもって動かなかった。


「チッ、クソ!金縛りか」

「はいそーです。それよりもいいんですか?お仲間さんを助けに行かなくて」

「ほんっとにクソ野郎どもだな。いつもいつもいつもいつも」

「お褒めの言葉をどうも」


私は金縛りを解いてもらうと首を二回ならし扉の方を見た。

まず、コータローとともにソロモンに行って武具を揃える必要があるがその前にやらなければやらないことがあるな。


「おいサクヤ!いるんだろ」


私は何もない空気に向かって喋りかけた。

すると、あたりは霧に包まれると同時に忍装束を着こなしたサクヤが目の前に現れた。


「はほぉ、これがソロモンの忍か。なかなか忠実ではないか」


ジジィが関心してるのを無視すると私はサクヤに向かって命令をした。


「サクヤ、すぐに現地に行って私に状況を報告して、迎撃はしないで」

「御意に」


サクヤは一言返事をするとまた闇に消えていった。


「さて、コータローつれて帰りますか」

「カザリさん」


私が帰ろうとした時、後ろからふっと声が流れてきた。

ヨミの声だ。彼はまるで全てを透かしたかのような笑みを浮かべながら



「また、遊びましょ」


と囁いた。



またひとつ世界が壊れる音がした。


今回出てくる【魔術回路】というのはいわゆる固有能力だと思ってくださいww

いやぁ、説明書こうとしたけど何処に書けばいいのかわからなくなってしまい結局書かずに………

また、別の場所で詳しく取り上げる予定でふ!


では、いい夢を

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