表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある夜の物語  作者: 星六
12/56

第三章 ある夜の星の風祭り


お爺さんの横のベニヤ板で出来た台の上には大小さまざまな大きさの不定形の石たちが並んでいるのだけれど、その石がまた奇麗だった。

鉱石の類なのだろうけど、赤や黄や青や緑や桃や橙や白または黒までいろんな色の結晶石。


しゃがんで近づき眺めてみると細かく奇麗に輝いて、私の心を捉えた。


「星のかけらだね」


キネムも横に並んでしゃがむ。確かに台の端には『星のかけら』と達筆で書かれた札が乗っていた。


「なんて美しいんだろう」


「欲しい?」


「けど、お金ないから」


どこにも値札はないけど、きっと高いに決まっている。子供に買える額じゃないのは確かだ。


ところがキネムは「お爺さん。これ、いくらだい」と訊くから、私は一応、お爺さんからの返答を待った。が、返ってこない。


もう一度キネムが訊くけど返答はなく、背中を丸めたお爺さんはゆらりゆらりと身体を静かに上下させるだけだ。


「寝ちゃってるようだね」とキネムがこちらを向いて、顔を見合わせると私たちは苦笑いを交わした。


「私たちに買える値段じゃないんでしょう?」


「うん。そりゃもうね。それにこれらは観賞目的でここに置いてあるんだ。でも値段を訊くのは無料ただじゃないか。そうだ。星のかけらを採るのを見に行かない? ちょっとした見物みものなんだよ」


「今から?」


「すぐそこさ。行こう」


キネムは迷いもなくスクッと立つと歩き出す。少し強引だけど、そんなキネムにはなんとなく頼りがいがあって、それはそれで悪くない気がした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ