一閃と一戦
「どぉした?それでもアイツを倒した男か?」
圧倒的。それがピッタリの言葉だった。涼は力の差と言うのを何年かぶりに思い出した。
「星屑くん、一体どうしちゃったの?」
月美のその言葉はコウにも聞こえたらしい。
「そうでもないみたいだぞ。」
「え?」
「よーく見てみろ。あいつ……隠してるが肩で息をしてるぞ。」
みんな星屑を見る。確かに肩で息をしてる状態だ。
フラフラとふらつくとボソっと言った。
「悪い……た……ぶん……………次………でげんか……いだ…。」
<んなことない!助かったよ……本当に>
「戻ったら……かな………り……きついと…………思う……………。」
<いいんだ……俺はどうなっても………。>
「なら……いいん……だ……がな……。」
その時、腕抑えてうずくまっていた涼が立ち上がった。
「仕方ない…あまり使いたくなかったが…………全員!頭下げてろ!」
腕を上に上げる。
「こいつはとっておきなんだ……なにせ…。」
大桃は呟いた。
「涼様の、"弓"が発動する………。」
涼はニヤッと笑うと腕を下ろしながら言った。
「ここら一帯、大惨事だからな!」
まずい!
真っ先にそう感じたのはコウだ。
「上を見ろ!あれがあいつのとっておきだ!」
上?都伝部の皆は上を見た。その光景に息が止まった。
「んなぁぁぁぁああああ!!」
光の塊とでも言うべきだろうか?光が空から一直線にこっちに向かって落ちてくる。
それもとんでもないスピードで………。
「ハハハハハァァハハァア!どうする?後ろのお前の仲間を見捨てればお前は助かるぞ?」
見殺しにしろ、ってか?
「クッソ……クッソ……。」
もう、やるしかない………!
「反転・崩壊、重力集中。」
「何する気?星屑くん?」
「クッソォォォォオ、ウラァァァアアア!」
光に向かってジャンプした。人間とは思えない勢いで。全力で。本気で。
もう体がおかしくなりそうなのは分かってる!届けぇ!
たった一つの光に手を伸ばしても普通は届かない………でも!それでも、人は手を伸ばすんだ!大切な何かを助けるため、それは人によって違うかも知れない。金とか、家族とか、自分とか、恋人とか、色々ある。
それでもみんな何かに手を伸ばすんだ!
元の人格のアイツならこうするはずだから!
「反転・崩壊、衝撃集中!」
あと少し…………。
「届け………」
呟いた。
それが永遠に届いたのかもしれない。気付けば永遠は叫んでた。
「加那太……行って……!」
その一言でみんなが分かった。
星屑は今まで、自分達を助けるために、いつも耐えて来たこと。
例えば、村雨の時。
行かない。と言う選択肢もあった。でもそんなことしなかった。
もし星屑が行かなければ、大変なことになっていたはずだ。
今回も結局、星屑一人で片付けるつもりだった。
星屑がいきなり下に飛び降りたのは、好戦的だからじゃない。
もしあのまま的が上にいたら、みんなまで危険な目にあっていたかも知れない。
そうなことを、やっと分かった。
「行っけーーーーホッシー!」
ハイジョが叫んだ。
「がんばって下さい!星屑さん!」
今度は四宮先輩。
「ぶっ飛ばせ!星屑!」
三浦先輩。
「とことんやってやれ。星屑。」
鍵矢先輩。
「やれ!星屑!」
村雨。
「星屑くん……負けるなぁぁぁああ!」
月美。
「加那太、あと少しよ。」
永遠。
「届けぇぇぇぇええええええええ!!!」
星屑!
ここで届かなきゃ男じゃねぇ!
<行け!お前の力で、みんなを救え!>
「了…………解!!!」
光に手が当たり、もの凄い衝撃が星屑を襲った。
「ぐぅ……アアァァアアア!アッ……グフッ……るぁぁぁああああ!」
とんでもなく痛え!でもこれが、アイツの望むことなら!
それを見ていたコウは舌打ちをした。
「あの馬鹿!……死ぬ気じゃねぇだろうな?」
フゥ、と大きくため息をつく。
「っしゃあねぇなぁ……援護射撃だ。」
次元輪廻。
地面に向かって撃った弾丸はその穴を通り、星屑の目の前に現れた。
光の塊に当たり、威力を少し、消す。
「サンキュー!コウ先生!」
声にならない叫びをあげ、突き進むのは光を消す道。それが例え、無理があるとしても、力を貰い、誇りを握り、ただただ、希望を求める。
「それがこの……生き方だぁあ!」
風船が弾ける音。
ガラスが割れる音。
爆発する音。
全ての中間とも言える音が響いた。
中々前に進めることが出来ません………




