裏表のある人にいい人はいない
今まで、一週間間隔で投稿してましたが、そろそろ無理かもしれません
次元輪廻。
それがただのワープホールの発生能力とは違う事はこの時、涼しか知らない。
コウはパチッ、と指を鳴らすと歪んで揺らいでる穴が出て来た。
「鍵矢、この中に入れ。そうすれば星屑の近くに行ける。」
「え……あ、はい!」
ゆっくりとその中に入ると、星屑の目の前に出た。
「星屑!大丈夫か?」
「鍵矢さん!」
星屑を背負って穴に入ろうとした瞬間、薙刀が鍵矢の頬を掠めた。
「その男は我々が扱うべきモノ、返してください。」
大桃は手に二本、薙刀を持っている。始めは一本だったのに。
眠たい……とても……俺は…とにかく立たないと……ッいぃ……てぇ!体が動けない。
クソ、目も開けられない……どうなってんだ?外は………。
「一体……あいつら誰なの?」
ハイジョが呟く。
「星屑くん!」
「加那太………。」
永遠と月美だ。
あいつら……心配してんのか?なら……。
これ以上心配させられねぇ!
あいつを一発、ぶっ飛ばす!
「うぉぉぉおお!!!」
星屑は立つと、鍵矢を振り払う。
「先輩、先に屋上行っといてください。」
コウの造った穴に鍵矢は吸い込まれる様に入っていった。
一度深く深呼吸をする。
「星屑………お前は…なにをする気なんだ?」
指を立てて、両手を胸に叩きつけた。
頼んだぜ………奴!
<おお!>
衝撃波のようなモノが星屑から出た。
砂煙が上がり、星屑の姿は見えなくなった。
そして見えた星屑の格好はまるで別人だった。
目の色は黄色に輝き、髪は少し逆立ってる。
「待たせたな……第二ラウンドの始まりだ!」
ふん、と玲は鼻で笑う。
「格好だけじゃ力じゃない。なりが変わったって、そんなの………無意味だ!」
ゆらりと涼の体が揺れる。そして………。
消えた。…また現れる。それはまるで、細かい瞬間的な移動の連続だ。
星屑の目の前に涼がいきなり現れた。
そうだ。敵が前にいきなり来たら、そうやって前にガードが固まる。だから……。
その隙に玲は星屑の後頭部を蹴った………いや、蹴れたが後頭部ではなく、腕に当たった。つまり腕でガードされた。
「な………さっきは効いたはず………。」
「俺はアイツほど間抜けじゃねぇ!」
体を捻じり、腹にパンチを喰らわした。
まるで全身で殴ったかの様なその一撃は涼をふらつかせるにはお釣りがくる程だった。
まずい!体勢を立て直さなければ………ッな!
そんな隙を与える程、星屑は甘くなかった。
気付いた時には、腹を殴った方の腕を振り上げ、肘の部分が玲の顎をぐらつかせた。
「顎を殴られれば、脳が揺れ少しふらつく。」
星屑は涼の左腕を掴んだ。
「追撃又負傷。」
そのまま涼の腕を軸にして回転した。
当然、涼の体もそれに合わせ、回転くる。
「グ…………らぁ!」
止めなければ倒される!そんな思いが涼にやってはいけない事をさせてしまった。
足で受け身をとった。
「ダメです!涼様!」
大桃の言葉は届かなかった。
星屑はまだ回転している、つまり涼の左腕だけが星屑と共に回転し………後はわかると思う。………歪な音を発して、涼の左腕は本来無理な捻れ方をしていた。
「グ……アァァァアアアア!!!う……う…うぅ…………腕………………腕がぁ!!」
こ……こいつ……いきなり運動神経が格段に上がってる!
「星屑くんなの?……本当にあれ………。」
「あれは、誰?」
月美も永遠も驚いた。
「星屑……お前は、一体……?」
「星屑さん…………。」
「ホッシー……。」
「これが父さんが書いていた"可能性"…か。」
コウは煙草に火をつけ、一回だけ吸った。
煙をフゥ、と出す。
「あの動きは……人の域を超えているな……………あれが進化とシンカの結果か……。」
誰にも次の言葉は聞こえなかった。
村雨は……こいつを予言してたんだな。




