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パーティーから追放された僕の最弱スキル『武器強化』が、気付いたら最強スキル【武器錬成】に進化していた件  作者: 五月雨前線
第2章

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第47話 ユミナの目覚め

投稿が遅れてしまい申し訳ありませんm(_ _)m

「ユミナ・ブルークイーンが!?」


「神級スキル『超回復』の娘か!」


「今すぐ話を聞きに行こう!」


 女性の報告に研究者たちが反応し、何人かの若い研究者が研究室から出て行こうとした。「待ちなさい」とウラナさんがその人たちを手で制す。


「気持ちは分かりますが、大勢で駆け付けてもユミナさんの迷惑になるだけです。私とリューオさんで対応するので、貴方たちは今の仕事を続けてください」


 有無を言わさない口調に、数名の研究者はすごすごと自分の持ち場へ戻って行った。ウラナさんは「すみません」と僕に苦笑を向けた。


「今は若くて血気盛んな子が多いものでして」


「いえいえ……えっと、僕もユミナのところに行っていいんでしょうか? ヒアリングとかは大丈夫なんですか?」


「大丈夫です。同じ神級スキル持ちのリューオさんも同席した方がいいと思うので」


 ウラナさんは言い、コミさんとジカヤさんに視線を向けた。


「すみません、ちょっと席を外すことになりそうなのですが、よろしいですか?」


「構わねえよ。というか、さっきの議論で十分煮詰まっただろ。俺が聞きたかったことは全部聞けたし、アンタが抜けるなら俺は帰らせてもらうぜ。仕事が立て込んでるからよ」


 ジカヤさんが椅子から立ち上がって言った。議論が煮詰まったという共通認識だったのか、「分かりました。本日は協力ありがとうございました」とウラナさんは言葉を返す。


「坊主の話、なかなか役に立ったぜ。久しぶりに武器職人の血が騒いだ。今日得た情報を元に俺も独自で研究してみる。そして坊主の神級スキルが不要になるほどの武器を作ってやるよ。じゃあな」


 ジカヤさんは明瞭な口調で言い、ぽんと僕の肩を叩いて研究室から出て行った。


「ジカヤさんは極めて優秀な武器職人なんですよ。武器作成に活用出来る金級スキルと鍛え上げた技術の高さは評判が高いです。ほんの少し癖が強いのが玉に瑕ですが……きっとジカヤさんならさらに強力な武器を作ってくれるはずです」


 僕にそう説明してくれたウラナさんの声音はなんだか明るい。先程のヒアリングや議論に手応えを感じているのだろうか。


「でしたら私もここで失礼します。有意義な議論ができて嬉しかったです。ありがとうございました」


 コミさんはそう言ってぺこりと頭を下げた。本当に丁寧な人だ。


「私のように、政治の側面からこの現状を変えたいと思っている人は国会の中に一定数います。そして、努力すればこの現状を変えられると私は強く思ってます。私は聖帝騎士団の戦闘部門の方々のように戦うことは出来ません。リューオさんのように特別なスキルを持っているわけでもありません。しかし、政治の世界に身を置く私にしか出来ないことがあると思ってます。これからもお互いに頑張っていきましょう。失礼します」


 コミさんは静かな、それでいて熱さを秘めた口調で言い、部屋から出て行った。残された僕は思わず「……めっちゃいい人だ」と呟く。


「わざわざ騎士団の本部に出向いてくれる議員は早々いません。コミさんのような方が我々に協力してくれるのは非常にありがたいことです」


 コミさんを見送るウラナさんは目を細めていた。


「ああいう素晴らしい方は他にどれくらいいるんでしょうか」


「数はそこまで多くないでしょうね。国会には利己的な議員が多いと聞きますし……まあ、ここはコミさんを信じましょう。ではユミナさんのところへ行きましょうか」


 こうして僕はウラナさんと一緒にユミナの元へ向かった。研究所がある巨大な建物を出て、広大な敷地内を歩く。騎士団の団員が複数目に入った。なんだか皆忙しそうだ。


「前よりも忙しそうに見えますね」


「フェアード教団が世界各地で動きを活性化させていることに加えて、教団の思想に共鳴して蛮行を働く人が増えているそうです。その影響を受けて各部門で仕事が増えているんでしょうね。……リューオさんはフェアード教団についてどう思いますか?」


 ウラナさんに突然問われた。歩を進めながら「うーん……」と僕は声を漏らす。


「この世界は不平等で、その不平等を是正したい、っていう教団の主張は理解出来ます。ただ、それを違法行為の理由にするのは間違ってると思います」


「リューオさんの仰る通りです。だいたい、不平等を是正とか言ってるくせに、罪のない人を理不尽に殺すなんて矛盾してますよ。殺された人からすれば、何で自分が殺されるんだ、自分だけ殺されるなんて不平等だ、ってなりますし。結局教団はなにかと理由をつけて、偽りの正義を振りかざして、自分たちの行為を正当化したい異常者の集まりなんですよ。絶対に許せません」


「…………」


 怒りの込もった口調で話すウラナさんは、さっきとは別人のように見えた。言葉を失う僕に気付いたウラナさんは、「すみません、つい本音が漏れちゃいました」と苦笑する。


「2週間前の6階層の襲撃事件の際に、複数の冒険者が教団に殺されましたよね。実は、殺された冒険者の中に友人がいたんですよ」


「え……」


「その友人とはけっこう前から仲良くしてて、お互いに仕事の愚痴を言い合ったりする仲だったんですが……理不尽に殺されてしまいまして……すみません、こういうことがあったので、教団について話す時に感情的になってしまいました。今のは忘れてください」


 寂しげに言うウラナさんを見ていると、胸が痛んだ。


 やはりフェアード教団は凶悪で理不尽な存在だ。絶対に打ち滅ぼす必要がある。そのために出来ることを精一杯やろう、頑張ろう、と僕は自分に言い聞かせ、決意を漲らせた。


 その後しばらく歩き、程なくしてユミナの病室の前に辿り着いた。ウラナさんが病室のドアをノックすると、中から「どうぞ」と小さな声が聞こえた。僕たちはドアを開けて病室に足を踏み入れる。


 2日前に僕が目を覚ました病室と、ほぼ同じような作りだ。そしてベッドの上で、病衣を纏ったユミナが上体を起こしていた。


「ユミナ、久しぶり」


「お久しぶりです、リューオさん。えっと、そちらの方は……」


 2週間ぶりに顔を合わせたユミナは、少しだけ顔色が悪いように見えた。ユミナは僕の隣のウラナさんに視線を向けている。


「はじめまして、私はウラナ・クオムと申します。聖帝騎士団の研究部門に所属している研究者です。今日からリューオさんの神級スキル『武器錬成』の研究を始めたところでして、そこにユミナさんが目を覚ましたという知らせが届いたため、お話を伺うべくここに足を運んだ次第です。突然押しかけてしまい申し訳ありません」


 ウラナさんは明瞭な口調で言い、小さく頭を下げた。



※第48話は2026年5月19日の午後9時20分に投稿します。お楽しみに。

ポケポケのランク戦でハイパーボール級に到達しました!


まりほー!



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