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パーティーから追放された僕の最弱スキル『武器強化』が、気付いたら最強スキル【武器錬成】に進化していた件  作者: 五月雨前線
第1章

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第25話 フレンドリー

「当然だ」


「駄目です、そんなの! 私なんかにそこまでする必要はありません! 自分でどこか宿を取りますから!」


「所持金が底をついた、とさっき言っていただろう。無理しなくていい」


「あっ……それは……その……」


 発言の矛盾を指摘され、ユミナは顔を赤くして体を縮こませた。かわいい。


 その後ユミナはミラエルに説得され、騎士団への仮入団の手続きを済ませた後に寮へ移動した。寮の提供はともかく、仮入団までさせてしまうのがミラエルのすごさといったところだろうか。


 そして僕も、騎士団への入団手続きを済ませ、給料の支払い方法や諸々のシステムについての説明を受けた。2週間前にミラエルと出会ってから、間髪入れずに色々なことが起こったため、腰を落ち着けて必要な手続きを行うことが出来ていなかったのだ。


 ちなみに月給は10万ゴルが固定給で、あとは活躍次第で報酬が上乗せされる形式。普通の冒険者の稼ぎが月平均7万ゴルくらいと聞いたことがあるから、騎士団は相当金払いが良いことになる。


「うおお……すごい……!」


 寮へ移動した僕は、割り当てられた部屋の豪華さに驚いた。面積はかなり広く、キッチンやベッド、トイレやお風呂、本棚にベランダなどなどが揃っている。これを無料で自由に使っていいのだから、まさに聖帝騎士団様様だ。


「ふう……なんか疲れたな……」


 素早くシャワーを浴びて普段着に着替えた僕は、ベッドに体を預けて呟いた。こうやってゆっくりするのは久しぶりだ。


《リューオ様、色々とお疲れ様でした。次の戦いに備えてゆっくりと休息をとってくださいね》


 神級スキルが話しかけてきた。やっぱり、前と比べて感情豊かというか、フレンドリーになってる気がする。気になったので質問をぶつけてみることにした。


(1番最初に神級スキルが開眼した時と比べて、明らかに感情豊かになってる気がするんだけど)


《そうでしょうか。特に自覚はありませんが》


(そうだよ。まあ、悪い気はしないから別にいいんだけどさ)


《悪い気はしない、と言っていただけて嬉しいです》


 スキルは使い込めば使い込むほど、鍛えれば鍛えるほど強くなるというのは冒険者の間では有名な話だ。同じスキルの同じ技でも、初心者と上級者では技のキレや威力が変わる。故に冒険者には鍛錬が欠かせない。

 神級スキルも似たような感じで、何回も使ったり話したりすることで、練度が上がるというか、距離が縮まったりするんだろうか。スキルと仲良くなっていく、というのもなんか変な感じがするけど。


(あ、さっきのユミナの件だけどさ)


《はい》


(ちょっと前から話題になってた、パーティーハラスメントの一種だと思うんだよね。わざとパーティーに引き込んで、弱みを握ったり借金させたり、風俗で無理矢理働かる口実を作ったり、奴隷として売り捌くってやつ。ハラスメントっていうかもはや犯罪だけど)


《そうですね》


(僕たちが動くのがもう少し遅かったら、ユミナを助けられてなかったかもしれないと思うとゾッとするよ。どうしてそういう悪いことをする人っていなくならないんだろうね)


《この世界の支配者が人間だから、ですね。人間が人間である以上、悪事を働く人がいなくなることはありません。その摂理はいつの時代でも共通しています。リューオ様のように優しい人ばかりではないんですよ》


(うーん、そっか……)


 神級スキルの言葉はやけに説得力がある。そういうところも神級スキルたる所以なのだろうか。

 相手が人間ならざる神級スキルとはいえ、こうして話し相手がいるというのはけっこう便利だ。話したい話題が脳内に浮かび上がってくる。


(こうやって落ち着いて考えるとさ、やっぱり不思議な感じがするよ。僕はついこの前まで、無名の一冒険者にすぎなかった。それが、神級スキルが開眼して、ミラエルと出会って聖帝騎士団に所属することになっちゃったんだから。しかもあんなにかわいいミラエルと友達になっちゃうとかさ……夢を見てるみたいだよ)


《全て現実です。一連の出来事は、リューオ様が今まで積み重ねた努力が結実した結果、と受け止めるべきでしょう。もっと自分を誇るべきです》


(神級スキルが開眼したことも?)


《勿論です》


(よく考えたらそれも不思議だよね。きつい環境の中で鍛えられたら神級スキルが開眼するってどういう原理なんだろう)


《こればかりは、そういうものだから、としかお答え出来ませんね。ただ、私が開眼する下地が形成されたのは、間違いなくリューオ様の努力の結果です。あれだけ酷い環境に身を置きながらも、努力を続けたわけですから》


 なんかやけに褒めてくれる。まあ、悪い気はしないけど。

 たしかに、気炎万丈にいた頃は本当にきつかった。ただ、あそこで踏ん張ったことで今があるのだとしたら、それはそれでなんだか誇らしい。よく頑張ったぞ、リューオ・アルブレード。


(そういえばさ、気炎万丈の3人は今どうしてるんだろうね?)


《分かりません。以前ミラエル・ソードフレアがきつめに脅していたので、既に自首しているかもしれませんね。リューオ様を追放したゴミ屑には相応の罰が下ることでしょう》


(ゴミ屑って……口が悪いよ)


 思えば救出作戦の前に3人と遭遇した時、去り際にシャーベが「お前を絶対に許さない」とか言ってた気がする。

 逆恨みも甚だしいとしか思えないが、当のシャーベは自首したんだろうか。性格的に素直に自首する感じはしないけど……。


(そうだ、教団はこの後どんな動きをすると思う?)


《救出作戦で対峙した化け物、ミュルヴォは人間兵器でした。教団は今後も人間兵器を用いて凶行に及び、事件を起こす可能性は高いでしょう》


(あの化け物、めちゃくちゃ強かったよね。結局あれってどういう原理なんだろ)


《どうでしょう。騎士団の研究部門からの報告を待つしかありませんね》


(そうだね。……あれよりも、もっと強い奴と戦うことになったりするのかなぁ)


《可能性はあると思います》


(そっか……僕ももっと強くならないとなぁ……)


 その時、強烈な睡魔が押し寄せてきた。ネミアとの一騒動があり、さらに王都を歩き回ったりしたため、かなり疲れている。


(眠いから寝ることにするよ)


《おやすみなさい。ゆっくり休んでくださいね》


(ありがと、おやすみ)


 僕は部屋の電気を消し、目を瞑った。


 この時の僕は、まだ知らなかった。僕を追放したシャーベが教団に捕えられていたこと、人間兵器として体を歪められ、改造されていたこと、そして、いずれ対峙する運命にあることを……。



※第26話は2026年4月28日6時40分に投稿します。お楽しみに

ポケモンカードめちゃくちゃ楽しいのですが、デッキを1から作ろうと思うとそれなりにお金がかかってしまうのが難点かも(´・ω・`)

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