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パーティーから追放された僕の最弱スキル『武器強化』が、気付いたら最強スキル【武器錬成】に進化していた件  作者: 五月雨前線


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第21話 馬鹿な女

「は、はい? 何を言ってるんですか? 受け入れるわけないじゃないですか」


 困惑しながら僕は言葉を返す。ミラエルは何でそんなことを聞いてくるんだろう?


 ミラエルは「そうか……」と呟いた後、肩を落として盛大に溜め息をついた。


「すまない。リューオにこんなことを聞いてしまう私は、めんどくさい女だな」


「めんどくさいとは思ってませんが……どうしたんですか? 何かあったんですか?」


「隠してもしょうがないから素直に言う。あの時、リューオがネミア王女の求婚を受け入れて、私の近くから離れてしまうことを恐れた。はじめてできた友達を失うことを恐れたんだ。馬鹿な女だと笑ってもらって構わない」


「え……?」


 驚きを隠せない僕の前で、ミラエルは自嘲気味に口角を上げた。


「あの時の王女は本気だった。本気でリューオのことを想っていたんだ。同じ女だから、それくらいは分かる。だから怖かったんだ。リューオが王女のものになってしまうじゃないか、と一瞬本気で思った。……本当に馬鹿だな、私は。自分で自分が嫌いになりそうだ」


「……」


「私の中で、リューオという存在がどんどん大きくなっているのを感じるんだ。こんな感覚は初めてで、正直戸惑っている。どうすれば友達ともっと仲良くなれるか、もしリューオがいなくなったらどうなるか……そんなことばかり考えてるよ。……ああ、もう、こんなことをリューオに言ってもしょうがないのにな。今日の私は本当にめんどくさいな、すまない」


 ミラエルはそう言い、寂しげに笑った。


 ミラエル・ソードフレアという女性について、また1つ理解が深まった気がする。

 ミラエルは、極めて純粋な女性だ。普段はクールな感じだけど、口を開けばとても純粋無垢で、自分の気持ちに素直に向き合っている。6日前の時といい、今といい、これが本来のミラエルの姿なんだ。


 そして……そんなミラエルは、とても素敵だと、無性に思った。


「めんどくさいなんて思ってません。むしろ素敵だと思います。ミラエルのそういう、純粋で素直なところ、僕は好きですよ」


「え……なっ……そんなっ!」


 頭に浮かんだことを素直に口にしてみたのだが、ミラエルは突然頬を赤く染め、右手で口を覆ってしまった。

 なんだなんだ? 今、僕何か変なことしたっけ? そんな、まるで恥ずかしがってるみたいに……あっ!


「い、いやいやいや! 今の好きっていうのは、えっと、普通の意味で好きってだけで、恋愛的な意味は決してありませんから! 変な意味じゃありませんから!」


 頬が熱くなるのを感じつつ、僕は慌てて弁明する。

 ミラエルは純粋無垢だと何秒か前に確認したじゃないか。好き、という言葉を迂闊に使うべきではなかったかもしれない。


「あ、ああ、そうか……言われたら納得出来るが……一瞬ドキッとしてしまってな……すまない……」


「い、いえ、変なことを言っちゃった僕が悪いので……ごめんなさい……」


「いや、謝る必要は……」


「……」


「……」


 ……なんだこれ、めちゃくちゃ恥ずかしくて気まずいぞ!?


《青春ですね。眩しいです》


 うるさいうるさい! なんか前と比べて神級スキルが饒舌になってる気がするんだけど!?


 ミラエルは頬を赤く染め、髪をいじりながら視線を逸らしている。めっちゃかわいい。そして、なんかエロい。

 い、いやいや、それどころじゃない。この空気をなんとかしないとさすがにまずいだろう。


「……な、なんかしましょう! 暇つぶしで何かを! そうだ、しりとり! しりとりはどうですか!」


「……そ、そうだな! 友達ができたらやりたいことリストにしりとりも含まれていたしな!」


 やけくそでしりとりを提案したところ採用されたため、王都に到着するまで僕はミラエルとしりとりに興じた。


 時間が経つにつれ、段々と恥ずかしさが静まって平常心を取り戻してきた。見る限りミラエルも同様のようだ。ふう、これで一安心だ。さっきみたいな状況が続くと心臓がもたない。


「本部に戻る前に王都を軽く散策したいんだが、いいか?」


 機関車が王都に到着し、駅のホームから外に出たところでミラエルがそう言ってきた。


 なんでも、騎士団の紋章が入った装備を纏った状態で王都の中を歩くだけでも、犯罪抑止効果が期待出来るらしい。カジュアルなパトロール的な感じなのだろう。そういうのも、騎士団に所属してる冒険者の仕事の1つのようだ。


「いいですよ」


 迷うことなく僕は言葉を返す。僕はもう騎士団の一員なのだから、出来る限り仕事はしたい。ただ歩くだけだから楽だし。なにより、ミラエルと一緒に街中を歩くのが楽しそうだと思った。


 その後、僕はミラエルと一緒に王都の中を歩き回った。ミラエルは時折足を止め、店の中に足を運んだ。花屋、本屋、八百屋、化粧品を扱うお店などなど。ミラエルは楽しげで、18歳の女の子としての言動を隠そうとはしていなかった。


 これも感情の発散の一種なのだろう。こうすることでミラエルの負担が少しでも減るのなら、それに越したことはない。

 そしてなにより、ミラエルと一緒にいる時間はとても楽しかった。なんだか心がぽかぽかと温かくて、心地が良い。こんな感覚は生まれて初めてだった。


《リューオ様、止まってください》


 しばらく散策し、そろそろ騎士団の本部に戻ろうか、という雰囲気になったその時。突然頭の中で神級スキルの声が響いた。

 先程、僕をからかっていた時とは微妙に声音が違う。真剣な声音だ。思わず僕の背筋が伸びた。


「どうした?」


 突然足を止めた僕を、ミラエルは不思議そうに見つめている。


「ちょっと待ってください。神級スキルが何か言ってるので」


(何? どうしたの?)


《武器錬成の消耗に干渉出来るスキルを持つ人間の存在を感知しました》


 僕は思わず息を呑んだ。以前、ミラエルに古文書の内容を教えてもらった際の、『武器錬成の負担は特定のスキルによって軽減出来る』という情報がずっと頭に残っていたのだ。


 僕の神級スキル『武器錬成』がかなり強力であることは、13階層のミノタウロス戦とネミア王女救出作戦の経験からなんとなく分かってる。

 そんな神級スキルの、現時点での唯一といって弱点が、錬成に伴う消耗。仮にそれを解消出来れば、無敵とまではいかなくても、今より明らかに戦いやすくなるのは自明だ。


 つまり……今、神級スキルが伝えてくれた情報を、見過ごすことなんて出来るわけがない。


「ミラエル、緊急事態です。武器錬成の消耗に干渉出来るスキルを持っている人が、この近くにいるかもしれません」


※第22話は2026年4月25日10時30分に投稿します。お楽しみに

いよいよ決戦の刻! 妹とポケモンカードで戦う日が来ました!


準備は万端……ではない! 昨日デッキの試運転をしたら、改良ポイントが見つかりました!


ということで、この後カードショップに行ってカードを買いに行きます!


俺はポケモンマスターになる(錯乱)!!

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