第六章 裁判
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第六章 裁判
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最初の訴訟は、予想外の当事者から起きた。
原告は「レシピ・フリーダム連合」。被告は大手ファミリーレストランチェーン「すずらん亭」。
すずらん亭は2026年から2027年にかけて、季節メニューのレシピをプロモーション目的で RML 形式で自社サイトに掲載していた。翌年、プロモーション終了とともに非公開にした。
フリーダム連合の主張:「GPL 対象のコンテンツを一度公開した以上、非公開にはできない。すずらん亭は直ちにレシピを再公開せよ」
すずらん亭の反論:「レシピは著作物ではなく、GPL の対象外。また仮に GPL が適用されるとしても、一時的なプロモーション掲載に GPL が遡及的に適用されるとの通知を受けていなかった」
この裁判は東京地裁で始まり、一年かけて審理された。傍聴席は毎回満席だった。IT エンジニア、料理研究家、弁護士、哲学者、そして純粋な野次馬が押し合った。
担当裁判長の鷹野文彦は、判決文の中でこう述べた。
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本件の核心は、著作物性を持たないコンテンツに対して著作権ライセンスが有効に機能し得るか、という点にある。
当裁判所は、以下のとおり判断する。
RML 仕様自体は著作物であり、GPL の保護対象となる。
しかしながら、RML 形式で記述されたレシピの内容(食材、手順、分量)については、日本著作権法第一〇条の規定の趣旨に照らし、著作物性を認めることは困難である。
したがって、被告が RML 形式を利用してレシピを記述した行為は、RML という著作物のライセンス条件の適用を受けるものの、その「ライセンス条件」が要求するのはあくまで「著作物の複製・配布に際しての条件」に限られ、著作物性のないレシピ内容そのものの公開を強制する法的根拠とはなり得ない。
よって原告の請求を棄却する。
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法廷の外で待ち構えていた群衆は、半分が喜び、半分がブーイングした。
フリーダム連合は控訴した。




