圧倒的存在/圧倒的火力
守護者を名乗る少年は竜へと姿を変えた。
「……さあ、我々<竜神族>の力、身を持って思い知るがいい!」
竜の口が大きく開かれる。
「みんな、伏せろ!」
私は、直感的に声を出した。
皆、その場にしゃがみ込む。
ゴウッ
私たちの頭上をガスバーナーではたとえにならないほどの凝縮された真っ赤な炎が駆け抜けた。
通り過ぎたときに起こった熱風も凄まじい。あんなものを食らえば、頭がパンチパーマになるくらいでは済まないだろう。下手をすればあっという間に炭になってしまう気がする。
「なんて威力だ……」
「流石ボスキャラだけあって強すぎますね~ジャンヌ様」
「まったくだよ……私達は低レベルクリアをしに来たわけじゃないんだがな」
「そうですね~こいつは<かなりヤバい!!>て感じですね~」
「また、随分と打ち切り漫画なセリフを……とにかく、あの火炎砲を食らったら終わりだ。何とか回避しきらなくては……」
しかも、ただ避けているだけではだめなのだ。あの竜を倒さなくてはこちらがただ体力を奪われるばかりで、いつかは死に直結する。何とかして早く攻撃の糸口を見つけねばならない。
竜はなおも私たちに炎を放ってくる。
幸いなのは、炎を打つ前に数秒の間がある事だが、それだけでは奴に近づくのは難しい。とにかく、まずは比部と私、斉藤さんとまく朗の二手に分かれてかく乱を試みることにした。
「へぇ、攻撃を分断させるつもりか。でも、そうはいかないよ?」
そういって、竜はまく朗達の方に集中的に炎を放つ。
今のところ逃げられているとはいえ、かなり危険な状態だ。何とかしないと……
ん?
これは、まさか……そういうことなのか?
その時、私にある事に気づき……閃いた。
天もどうやら私を見捨ててはいないのかもしれない。
「比部!」
「どうした、ジャンヌ!?」
「向こうにもう一度合流するぞ!」
「んん? これまたどうして?」
「とにかく、今は従ってくれ」
私達は炎が燻る、まく朗達の方へ急いで走り出した。




