何でも屋車を買う
武が鬼のような顔をして
公園に座っていた女性に話しかける。
「おい!そこに座ってる女の人。悪りぃがこんな奴見かけなかったか?」
と守の写真を見せる。
「すいません。見てないですけど」
と焦る女性。
「ほんとだろうなぁ!嘘ついてたら許さらないからなぁ」
と問い詰める。
「ほんと知りません。」
とオドオドする女性。
「まぁいい。そう遠くには行ってない、多分この辺に居るはずだから」
と武は公園を後にする。
武が見えなくなった後
「もうどっか行きましたよ」
「ありがとうございます。助かりました。」
と守が出てくる。
「怖い人に追われているって言ってけどほんとに怖い顔してましたね。だけど何があったんですか?」
「話すと長くなりますが」
と守は今日の出来事を語りだす。
「武!起きて。」
「何だよ守。こんな朝から」
「見せたいものがあるんだ。」
「何だよ。」
と言いながら守と一緒に外へ向かう。
するとそこには高級車が
「おい!これどうしたんだよ」
「この間雑誌見ながら一度は乗ってみたいって言ってからさ!」
「マジかよ!守。お前最高だな!」
「でしょ!もっと褒めてもいいよ」
「でも、高かっただろうにどうやって金用意したんだよ?」
「うん?それはもちろん武と会社のお金だよ」
とニヤけながら守は言う。
「はぁぁぁ!?ざんなよ!俺と会社の金って俺たちの生活費も使ってんじゃねー〜か!」
と武は怒り出す。
「俺に車買う金なんてあるわけないじゃん」
「今すぐ売ってこい!」
「う〜ん。もう売れないんだよねぇ〜。これ中古だしかくかくしかじかで」
「何やってんだよ!守〜」
と武が追いかけてくれる。
「って事があったんですよ」
と守は今日の出来事を話した。
「それ完全に守さんが悪いんじゃあ?」
と女性は呆れ顔をする。
「俺は武の喜ぶ顔が見たかっただけなのに」
と守は口を尖らせる。
「それにしても、お姉さんどうしたんですか?ここに居た時ため息ついてましたけど悩みでもあるんですか?」
「いや〜そんな見ず知らずの人に話す事でもないので」
「助けてもらったのでそんな訳にはいきません。恩は返さないと!」
と半ば強引だった為仕方なく悩みを守に話す。
「この間商店街のクジで温泉のチケットが当たったので家族旅行に行こうって話になったんですけど車がなくて」
「なるほど!旦那様も車を持ってないんですね」
「そうなんです!私達2人とも免許はあるんですが車を持ってなくて。一時期は車を持っていたんですけど隣人の人が貸せ貸せうるさくて。断っているんですけど子供も同じ保育園で子供に嫌がらせされそうな気もするので売ったんですよ」
「じゃあ僕の車お貸ししましょうか?どうせあっても使わないので」
「えっ!?良いんですか?そんな高級車」
「良いですよ。でも一つだけ注意点が」
と言い守は女性の耳元で囁く。
「えっ!?そんな車どうすれば」
と注意点を聞いてびっくりする。
女性は少し考えた後
「旦那に相談してみます。」
「とりあえずあなたの家に置いておきますね」
「それは困ります」
「まぁまぁ」
と言いながら守は公園を出た。
その夜女性は今日の出来事を夫に話す。
「って事なの。あなたどう思う?」
「どうって言われてもそんな車どうする事も出来ないよ。」
と女性の旦那が困った顔をする。
するとインターホンがなり玄関に行くとそこには隣人の姿。
「ちょっと奥さん!高級車なんていつ買ったのよ!」
(あっ!守さん本当に車置いって行ったんだ)と思いながら女性は
「あれは人のものなんで買ってないです」と答える。
「もらい物?なら私が乗っても平気よね!鍵も挿しっぱなしだし乗っていくわね!」
「あっ!ちょっと待ってください」
と引き止めようとするも隣人のおばちゃんが乗って家を出ていく。
その後、女性の家に武と守の姿が。
「おい!女!車はどうした?」
と焦った声で武が声をかける。
「それが今隣の人が乗って行ったんですよ!」と女性が答える。
「マジかよ!おい守!今すぐに止めにいくぞ!」
「えぇ〜もう疲れたから走りたくない」
「元はと言えば守のせいだろ!」
と武は守を連れ回す。
一方隣人のおばちゃんは
「いや〜こんないい車乗れるなんて本当あの人が隣で良かったわ〜」
と上機嫌で車を乗り回す。
「でも、なんか変なブレーキの効きが悪い気が?」
と不思議がっていると
先回りしていた武と守の姿が!
「あ〜あ〜犯人に告ぐ君は完全に包囲されている。」
「なにいってんだよ!守。そうじゃねぇ〜だろ。」
と言い守が持っていた拡声器をとり
「おい!ババアその車から降りろ!その車はブレーキが壊れてんだ!」
そう、この高級車は買った時からブレーキが壊れていたそうだ。
隣人のおばちゃんは武の声を聞き
「はぁぁ〜そんな事聞いてないわよ」
と焦ってブレーキを踏むも効かず。
「どうすんのよ〜」
「あっちに車を突っ込ませろ!」
と武の指差す方を見ると
行き止まり路地に沢山のマットレスが詰め込まれていた。
おばちゃんは車をその路地に突っ込ませる。
「助かったぜ〜」
と武は安堵の表情。
すると車からおばちゃんが出てきて
「あんた達のせいで怪我しちゃったじゃない訴えるわよ」
と荒い口調。
「でも車さえ盗まなければ良かったのでは?」
と守は言い返す。
おばちゃんは何も言い返すことができずその場を離れた。
後日女性は車を盗んだことを警察に話し窃盗罪の罪で逮捕される事に。
その後も何でも屋は
「お腹減って死にそうだよ」
「ウルセェ!お前のせいで会社の金も俺たちの金も無いんだからしょうがねぇ〜だろ」
「にしても豆腐だけなんて悲しいよ」
「だったら今すぐ仕事探してこい!」
と武は守を外に追い出す。
守はトボトボ歩きながら仕事の依頼を探しにいく。




