子供を預かる!?
「守〜!」
と怒った顔して武が帰ってきた。
「どうしたの?武」
「どうしたのじゃね〜よ。さっき買い物行ってる時やたら皆が俺みてクスクス笑ってるから何かと思ったらこんな写真ばら撒きやがって!」
とチラシを見せてきた。
そこには可愛らしい寝巻きを着て寝ている武の姿が
「可愛いでしょ!わざわざ朝写真撮って町中に貼ってまわったんだよ。だから疲れてるんだよ。」
と言いながら守は寝室に行こうとした。
「ざけんな!これで町のおばちゃん達から可愛い一面があるんですね。って話しかけられるんだよ!」
「え〜でもこの間言ってたじゃん。この会社をもっと知ってもらわないと稼げないって。だから俺はやったのに〜」と口を尖らせる守。
「だからといって俺の写真使ってんじゃ〜ねぇよ」と武は守を殴った。
「イタイ。」と涙目の守。
その時インターホンが鳴った。
「俺が出る!どちら様ですか?」
と武はドアを開ける。
そこには20代ぐらいの女性の姿が。
「あのここって何でも屋さんですよね」
「あぁそうだが」
「お願いがあってきました」
と言われ武はその女性を家にあげた。
その女性の名前は竹島優子。
今回の依頼者だ。
「お願いってのは何なんだ」
「このチラシを見て来たんですけど、何でも引き受けてくれるんですよね?」
「まぁある程度の事は引き受けるぜ」
「それなら良かったですれウチの子を預かって欲しいんですよ。出来れば1ヶ月ほど」
「えっ?何言ってるんだお前」
と戸惑う武。
「そんなに構わなくて大丈夫です。ある程度放っておいてもいいので」
「放っておいていい訳ないだろ!大体その子はいくつなんだよ!」
「生まれて1ヶ月ぐらいです。」
「ちょっと待てよ!そんな小さい子を預かれる訳ないだろ」
と武は驚いた。
「確かにちょっとうるさいかもですが慣れてくると意外と」
と優子は笑いながら話す。
「流石にそんな子を預かるわけにはいかない」
「そうですか。残念です」
と優子は悲しげな表情をした。
「残念ってよ〜そんな小さい子一緒にいてあげないと駄目だろーが。その子も淋しい思いするだろ」
「嫌〜淋しいなんて思いますかね?1人でも生きていけると思いますし」
「何言ってんだよお前!それはひどいぞ!というか何でうちに預けようと思ったんだよ」と武は怒った。
「たまには羽を伸ばして少し旅行に行こうかなと思ってまして」
「そんな依頼絶対に受けねぇー!」
と言い武は優子を追い返した。
「一部始終聞いてたけど大丈夫?」
と守は眠たそうな声で出てきた。
「お前は何寝てんだよ!」
「眠たかったから。それよりさっきの女性の依頼引き受けないの?」
「引き受けるわけねぇ〜だろ!」
と武は怒っていた。
「う〜ん。俺ちょっと後追いかけてくるよ」
と言い守は優子を追いかけた。
「優子さ〜ん」
「えっ!?あなたな誰ですか?」
「俺は守。神崎守です。何でも屋の1人ですよ。」
「はぁさっき断られたんですけどどうしましたか?」
「子供預かる話なんですけど旦那さんや両親は見てくれないんですか?」
「本当は旦那が見ててくれるはずだったんですけど旦那も忘れてて旅行に行くんですよ。両親は遠方ですし」
「なるほど」
「後は旦那の両親に連絡してみます。」
「もし両親が駄目ならどうするんですか?」
「その時はその子置いて旅行に行くことになりますね」
「マジですか?」
と守は焦った表情をする。
「まぁ最悪の場合ですけどね」
「いや置いていくのはちょっとどうかと思うので一応僕の連絡先です!本当は武から怒られるかもだけどそんな小さい子1人にするのも怖いので」
といい守は連絡先を渡した。
「1人?まぁでもありがとうございます!とりあえずお義父さんに今から電話してみますね!」といい優子は去って行った。
その夜優子はお義父さんに電話をかける
「もしもしお義父さんですか?」
「あぁ、優子さんどうしたんじゃ?」
「あのお義父さんにうちの子と預かってほしくて」
「うちの子?優子さんの所に子供が居たのか?」
「あれ?この間話しませんでしたっけ?もうすぐ産まれるって」
「聞いてないぞ!ウチの息子もそんな事言ってなかったし」
「あれ?そうでしたっけ。」
「しかも預かるなんて言われてもなぁ」
「お義父さんも難しいですかね?友達とかにも聞いてみたんですけど皆苦手みたいで」
「苦手?そんな人もいるんじゃなぁ」
「お義父さんは好きなんですか!?」
「まぁ嫌いな人の方が少ないんじゃないか?」
「私の友だちなんか見た瞬間悲鳴上げたりするんですよね」
「それは喜んでいるんじゃないのか?分からないが。」
「あっそういう事だったんですね。納得です!そういう訳で預かって貰えませんか?」
「まぁワシで良ければ少しぐらい預かる事できるかもなぁ」
「じゃあお願いします!」
と優子は電話を切る。
一方その頃何でも屋では
「ただいまぁ〜」
「守!どこに行ってたんだよ」
「あぁ優子さんの所だよ」
「お前まさかあいつの依頼受けるとか言うんじゃねぇ〜だろなぁ」
「う〜ん、でもこれで断ってたら子供置いて旅行に行くかもだからね」
「あんな奴母親失格だろ!」
「まぁまぁでもお義父さんに聞いてみるみたいだし仮に駄目ならその子を助けるって思って依頼を引き受けよ〜よ」
と守は武を説得する。
旅行前日、優子の元に着信が
「ん?お義父さんからだ。もしもし」
「もしもし優子さん。やっぱ考えたんじゃが預かるのは難しいし怖いから誰か他の人居ないかね」
(お義父さんは心配性だなぁ)
と優子は思いつつ
「大丈夫ですよ!他にも当てがあるのでそっちに連絡しますね」
と優子は電話を切り守に電話をかける。
旅行当日
「すいませんね。守さん」
「全然大丈夫ですよ」
と守が優しく笑う後ろには鬼の顔をした武の姿が。
「ところでお子さんはどこにいるんですか?」
と守の質問に
「今車の中で待ってますので持ってきますね」と車の方へ向かっていく優子。
「車の中に放置してるなんてありえねぇ!しかも、持ってくるなんて物みたいに扱いやがって、あいつ育児放棄してるんじゃねぇか!おい守俺は警察に連絡するぞ!」
と怒った顔をする武。
「すいません!じゃよろしくお願いします。」
と連れてこられた子を見て、守と武は目を丸くした。
そこには水槽にカエルの姿が。
「あの、これって?」
と守は首を傾げた。
「これって、私の子ですよ。預かってくれるんですよね?」
「おい待てよ。うちの子ってカエルの事かよ。」
と武はツッコむ
「そうですけど。私言ってなかったですかね?」
「言ってねぇ〜よ。ウチの子って言ったからてっきり赤ちゃんかと思ったじゃね〜か」
「赤ちゃんを預けるわけないじゃないですか〜」と優子は笑った。
「お前絶対天然とかぬけてるって言われるだろ。」
と呆れる武。
「よく言われますね。私は全然そんな事ないと思ってるんですけどね。それじゃ飛行機の時間があるのでよろしくお願いします」
と楽しそうな表情しながら優子は旅行に行った。
その後
「ありがとうございました。これ旅行のお土産です。ウチの子大丈夫でしたか?」
「大丈夫でしたよ。それに可愛くて癒されましたし。」
「可愛いですよね!所で武さんの姿が見当たらないんですけど、どこかに行かれているんですか?」
「あぁ武はねカエルが苦手みたいで近づかないんだよね。武も可愛いとこあるでしょ」
「武さんあんな怖そうな見た目なのにカエル怖いんですね」
と2人が笑っていると部屋の奥の方から
「早く引き取ってもらえよ!そうしないと俺がそっちいけねぇ〜だろ〜が」
と武の声が。
その声を聞きまた優子と守は笑った。
「あっ!あとそれと優子さんのお義父さんから依頼があったんですよ」
「えっ!お義父さんからですか?」
「ウチの息子のお嫁さんが子供をちゃんと育ててないんじゃないか?って」
「えっ!そんな事相談してたんですか?わたし達赤ちゃんいないのに」
「まぁ誤解は解けたみたいですけど優子さんも相手に伝わるように言わないと武やお義父さんみたいに警察やこういう所に相談にきますよ」
と守は優子に告げた。
「そうですね!気をつけまないとですね」
「でもありがとうございます。カエルを預けてくれて」
「え?お礼は私が言うべきでは?」
「まぁまぁ」
と守はニヤけながら優子を帰した。
次の日の朝
「守〜!」
と武が大声をだす。
武の周りには大量のカエルが
「武の驚いた表情いいね!今度はこれを町に拡散してウチのことを知ってもらうね」と言いながら守は動画を撮り優子に送った。
優子はその動画見て微笑んだ。




