少女の隠し事
「あ〜あ疲れたぜ。」
「そうだね!迷子の猫を捕まえるの大変だったね」
2人は依頼から帰ってきた。
すると扉の前に女性の姿が。
「ここであってるのかな?」
と女性はあたりを見渡す
「何か用か?」と武が近づいた。
「あのここって何でも屋さんであっていますか?」
「あぁそうだけど。まぁとりあえず上がれや」と言い武は女性を部屋にいれる。
「それでどういった用件なんだ?」
「はい。あの私保育園に通ってる娘がいるんですけどその子がいつも泥だらけになったり怪我したりして帰ってくるんです。理由を聞いても何でもないの一点張りで。遊んでるだけならいいんですけどね。」
「それは心配だね。先生には話聞いたの?」
と守は心配そうに訊いた。
「はい。そしたら保育園では皆と楽しく遊んでるらしいんですけど、服を汚すまではないと言われ。一応心配なのでたまに様子を見に行ったら本当に楽しく遊んでいるだけなんです。」
「確かにそれは心配だな。」
「だから、お二人に娘の保育園に行ってきて調査して欲しくてきたんですけど」
「潜入捜査ってわけか」
「はい。本当は私がずっといれば良いんですけど、夫とは死別して私も在宅の仕事なんですけど忙しくて。」
「1人で子育てってのも大変だよな」
と武は頷いた。
「お願いしにきて言うのもアレですけど流石に保育園の潜入なんて難しいですよね」と頭を抱える女性。
武はしばらく考え込むと
「嫌、そうでもねぇかもな。ちなみに保育園は◯◯保育園だよな。」
と武はニヤついた。
「そうですけど何か策があるんですか?」
と不思議がる女性。
「あぁとっておきの策がある」
と言いながら守の方を見ていた。
その次の日女性は女の子を保育園に送っていると
「ママ、なんか知らない人が皆と一緒に遊んでるよ」と子供が指を指す。
その指を指した方を見るとなんと子供達と遊んでいる守の姿が。
女性はすぐに守の所へいき
「守さんどうしたんですか?ここで働けるようにしたんですか?」
「ちっちっち!働いているんじゃなくてここの園児になったの!」
「どういう事ですか?何でそんなに自信満々に言っているんですか?」
と唖然とする女性。
すると後ろから
「あいつの頭も行動も園児と変わんねぇ〜からいいんだよ。」
と武が歩いてきた。
「でも、よく先生達許してくれましたね。」
「あぁ!ここの卒園生でもあるし園長先生にも事情を話してあるからな」
と武と女性が話していると。
「とりゃあ!」と武の顔に水鉄砲が
顔を上げるとそこには守の姿。
「テメェ〜」
といかにも怒り出しそうな武。
「皆!いけ悪の怪人タケールを倒すんだ!」と園児を引き連れ守は武に水鉄砲を当てる。
武は水鉄砲に当たりながら外へ出ていき
「覚えてろぉ〜」と笑っていた。
その日の夕方女性の娘が帰ってきた。
「お帰り。今日は保育園どうだった」
「ママお帰り。あの新しい人楽しかったよ」と笑顔の子供
(今日は服も汚れていないし怪我もしてないしよかった)
と安堵の表情をした女性。
一方守達のアパートでは
「そういえば守、あの女性の子供はどうだった?」
「ん?何のこと?それより見てよ。今日の授業で武の絵を描いたんだよ!」と怪人みたいな絵を見せてきた。
「何で俺こんな鬼みたいな見た目なんだよ!あと何で保育園に潜入させたのか覚えてるのか?」
と怒った顔を武がした。
「これは怪人タケールの絵。見たまんま書いたんだけどなぁ、保育園から人生やり直すために入園したんじゃなかったけ?」と守は笑った。
「お前なぁ〜依頼者の女の子の為に入ったんだろが」と呆れ顔の武。
「あ〜、そうだったね。皆と楽しく遊んでたしいじめられてる訳でもなかったよ。でも少し気になったのが絵を描く時間にお母さんと小さい茶色い生き物も描いていたんだよね」
「なんだよそれ?」と武は首を傾げた。
その次の日。
娘は濡れて帰ってきた。
女性はすぐに守に電話をかけた。
「あの娘が濡れて帰ってきたんですが何か知りませんか?」
「え!保育園帰る時は濡れてなかったですよ。」
「じゃあどこで」と落ち込む女性。
「帰り道なんですかね。明日から帰り道にも気をつけて見てみますね。」
と守は電話を切った。
そのまた次の日娘は泥だらけになって帰ってきた。
女性は泣きながら
「お願い!何があったのか教えて」
と娘に言うも、
「なにもないよ。」
と下を向きながら返す。
するとインターホンが鳴った。
玄関に行くと守の姿が。
「守さん!娘が!」
「その事だけどちょっときてもらえます?」と言われ守についていく。
その道中女性は
(娘が誰かにいじめられているんじゃないか)と心配していた。
河川敷につき
「アレ見てください!」
と守が指差した方を見ると
ダンボールの小屋に子犬の姿が
「アレは?」
「娘さん、ほぼ毎日あそこで犬と遊んだりしてるそうだよ。」
「何で?そうやって言わなかったのかしら」
「アパートでは飼えないしママにワガママ言いたくなかったらしいですよ。優しい娘さんですね。」と女性の肩を叩く。
「ママ!ごめんなさい。秘密にして」と女の子がもじもじしながら女性の元へ。
「何で言わなかったの!」
「だってママいつもお仕事で忙しそうだったし、困らせたくなかったから」
「我慢させてたのね。ごめんね。」
と女性は泣きながら娘を抱きしめた。
その後も保育園では
「ママ!守くんがまた変な事してるの」とはしゃぐ娘の姿が
「えっ!?まだ守さんいたんですか?」
「そうですよ!子供は遊ぶのが仕事なのでここにいれば仕事しなくて済むので」と親指を立てた。
「おい!テメェ〜いい加減帰ってこいよ!仕事がたまってんだよ」と怒った武の姿が。
「やばい!皆怪人タケールに爆弾を投げつけろ〜」と言い水風船を投げる。
女性はその光景に笑いながら
「本当にありがとうございました。これからは仕事の量も減らしてもう少し娘との時間が作れるよう頑張ります。」
と武と守に頭を下げた。
「そうですよ!生活も大事ですけど子供との時間も大事ですからね」
「あぁ!そうだな!子供は親の事よく見てるからな」と守と武は女性に優しく語りかけた。
後日女性はペット可のアパートへ引っ越し犬を迎え入れたそうだ。




