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小説作家の冒険者生活  作者: 才練人
〜魔術師と戦士の讃歌〜 第1章 新たなる仲間リアー

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第69話 早朝の走り

「ふあぁ……」


 いつも通り早朝に起きた。

 昨日はリアーさんが仲間になり、

 ギルドで手続き、

 リアーさんの案内で空いている宿を見つけて、

 そして、泊まったのだ。

 じゃんけんで決定したように一ヶ月は、

 男性陣と女性陣は別々に寝るようになっている。


「ぐがー……」


 隣ではベンガスが大の字になって、

 気持ちよさそうに眠っている。


「……あ、今の場合はどないしようか……」


 サイレンは了承してくれたが、

 流石にベンガスはどうだかわからない。

 下手をしたら嫌われるかも知れない。


「……まあええか」


 さっさと着替えて、

 紙を持って外に出た。


「あ、サイレン」

「練人か……」


 サイレンはトレーニングウエアを着ており、

 走り込むようだ。


「サイレンはトレーニング?」

「ああ……

 私達のパーティーは四人になったが、

 戦闘で強いのは私とベンガスだからな……

 仲間を守るためにも、

 鍛え続けなければならない」

「さよか、すごいんやな」

「……練人は?」

「小説を書こうと思っとったけど、

 ベンガスがまだ寝とるからな」

「……ならば、練人も走るか?

 今の練人の悩みを解決する魔法を教えよう」

「ほんまか。

 なら、お言葉に甘えて……

 杖いるん?」

「……そうだな。

 杖がある方がいい」

「なら、取ってくるわ」


 そして、俺達は杖を取りに行ってから走った。

 早朝と言うこともあって、

 誰もがまだ眠っており、

 起きているのは俺達のように走り込みをしている人だけだった。


「なんか、偶に俺の元の世界と。

 変わりはないように思うことあるんや。

 まあ、魔獣がおるからすぐに思い込みに変わるんやがな」

「……そうか。

 ……練人の世界では魔法がなくて使えないのだろ?」

「せやな。

 シャイニング・バーニングを使ったら大混乱やわ」

「……魔法が使えないのなら、私は嫌だな。

 ……練人の世界を否定する気はない。

 ただ,魔法を使えなくなるのは考えたくない」

「さよか。

 確かにサイレンは魔法一筋やもんな。

 逆に魔法なしのサイレンは思いつかんな」


 接近戦も強いから,

 一概に魔法職ではないサイレンは似合わないとは言わない。


「……さて、小説書ける場所あるかな」

「……向こうの公園のベンチならどうだ?」

「せやな」


 そして、ベンチに座って小説を書き始める。


「そういえば、リアーさんはまだ寝とるん?」

「……ああ。

 エアリーを抱き枕にして寝ている」

「ほんまメリボーは人気やな」

「確かにな……

 ベンガスは?」

「いびきをかきながら寝とるわ。

 結構寝るかもな」

「そうか……

 練人も結構寝るタイプだろ?

 いつも欠伸を噛み締めながら起きている」

「……正直、眠たい時はあるわ」

「……だが、起きているな」

「そりゃ、戦っていれば眠たいとか言ってられへんやろ。

 下手すれば死ぬし」


 今、書いているのは爆発事件である。


「……確かにな」

「……パーティー、一気に増えたな」

「……そうだな。

 今のパーティーで旅をするんだ。

 良い旅になればいい」


 サイレンは楽しんでいるように微笑む。


「……何を書いている?」

「カナイチシリーズ。

 書いた後は今までの俺達の話やな」


 加えて、今までの話の整理もしないといけない。

 量が量だから大変だ。

 全消しせずに書き直したり、

 書き加えるだけでいいから助かった。

 万年筆やペンで書いたらきっと遅くなっていた。


「……そうか。

 ……後で読ませてくれよ」

「了解」


 しばらくして、書き終えた。


「今日の分を終えたわ」

「……なら、練人にぴったりな魔法を教えよう」

「何の魔法なん?」

「……『生活魔法』の一つ。

 《サイレント》だ」

「サイレント?」

「……生活魔法は魔法陣を使う魔法だ。

 使う魔法陣を見せる」


 そう言ってサイレンは描き慣れたように、

 魔法陣を描いた。

 二重の円、中央には逆三角形、

 三角形の隅には曲線が描かれている。


「……二つの円の間に四つの同じ文字を使う。

 文字で使う魔法陣の効果が変わる。

 サイレントなら『silent』、

 クリーンなら『clean』などな」

「へぇ……」

「……見てやるから、やってみろ」

「おう、わかったわ」

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