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小説作家の冒険者生活  作者: 才練人
〜魔術師と戦士の讃歌〜 第1章 新たなる仲間リアー

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68/103

第68話 新たなる仲間

「おお〜!

 『美味しい堂』か!

 面白い名だな、練人殿!」

「メリメリ!」

「せやな。

 でも、入ろうや。

 お腹が減ってきたわ。

 ……てか、エアリー……

 メリボーも一緒に食事して平気やろうか?」

「大丈夫ですよ。

 登録されている魔獣なら同伴で」

「さよか」


 ペット同伴拒否の店もあるから、

 確認を疎かにするのはいけないことだ。


「……空いている席を見つけた」

「では、メニューから選びましょう」


 リアーの言う通りに俺達はメニューを開いた。


「おっ!

 ステーキがあるじゃないか!

 俺はステーキとコーラで頼む!」

「私は温野菜のサラダで……

 加えて、海老天を二つ」

「……ベンガスとリアーは対照的やな」

「……そうだな」


 ベンガスはステーキ、

 リアーは海老天があるとはいえ温野菜のサラダ。

 対照的に見えてしまうのは仕方がないだろう。


「……俺はせやな。

 豚の生姜焼き、白米セットで」

「メリメリ!」


 エアリーはメニューに書かれている、

 きのみセットを指した。


「きのみのセットやな」

「メリ!」

「ふふ、本当に可愛い。

 エアリーちゃんって呼ぶのですか?」

「せやで。

 メリボーのエアリーや」

「メリ!」

「……私は川魚定食で」

「サイレンもほんま魚好きやな〜」

「ああ……」

「すんませーん」

「はい!

 メニューお決まりでしょうか?」

「俺は豚の生姜焼き、ご飯付き!

 向こうのベンガスはステーキとコーラ、

 サイレンは川魚定食、

 リアーさんは温野菜のサラダ、海老天付き、

 エアリーにはきのみセットで」

「メニューを確認しますね。

 豚の生姜焼き、ご飯付き、

 ステーキとコーラ、

 川魚定食、

 温野菜のサラダ、海老天付き、

 きのみセットでよろしいですね?」

「OKやOK!」

「では、少々お待ちください」


 店員は一礼してから、キッチンへ向かった。


「にしても大勢の食事は家族との食事以来やわ〜」

「……そうだな。

 私には妹もいるから、久しぶりだ」

「……え?

 サイレン、妹おったん?

 初耳や」

「……話していないからな。

 私には五歳の妹がいる。

 旅立つ時に泣かれたな」

「ほぅ!

 サイレン殿の妹か……

 サイレン殿と同じように将来美人になるのだろう!」

「……美人になるかはわからないが……

 可愛いのは確かだな」

「意外とサイレンってシスコンかもな」

「……シスコン?

 私がそうか自分ではわからないな……

 妹を大切に思うのは当然のような気もする」

「喧嘩とかしたことあるんか?」

「……一方的に怒られたことがある。

 何故かわからないが……

 姉妹でいるのなら、喧嘩もあり得るさ」

「さよか。

 俺は割としょっちゅう兄ちゃんと喧嘩しとるがな」

「練人殿にも兄がいるのか」

「まあの」

「……気になったのですが、

 皆様、ずっと一緒に旅をしてきたのですか?」

「いや、ベンガスは最近パーティーに入ったんや。

 移籍したと言う方が正確かのぅ」

「移籍したのですか?」

「危ないところを練人殿に救われたことがあってな……

 練人殿の男意義に惚れたってところだ」

「正面で言われるのは恥ずいんやがな〜」

「二人は?」

「……私と練人はコガワで出会って……

 私から誘った」

「そ、そうだったのですか」

「……ベンガスが入るまでは二人だけだった」

「練人殿は羨ましいことに、

 サイレン殿と一緒の部屋に泊まっていたこともあるぞ」

「そ、そ、そうなんですか!?」

「間違っておらへんけど、言うなよ!

 また、前のベンガスみたいに嫉妬向けられるやんか!」

「……何かおかしいのか?

 私の故郷の冒険者では、

 仲間の男性冒険者と一緒に寝た女性冒険者もいたが……」

「割と特殊ケースだぞ、サイレン殿」

「……練人様とサイレン様は付き合っているのですか」

「ブフッ!

 今言う!?」

「……付き合う……

 ああ……

 恋人同士のことか?

 ……ふむ。

 ……故郷の冒険者のようない感じではないような」

「え?

 サイレン、そう言うのわかるの?

 てっきり知らないものかと」


 サイレンは天然で鈍感な女性だ。

 だから、男女関係に関してもかなり

「……故郷の冒険者の中にも、

 そう言う関係になる者が多いからな……

 私の母も父もそう言う関係になったから私がいる」


 あ、普通に知っている感じだ。


「お待たせしました〜」

「おっ、来たで」

「……そうだな」


 何か変な空気になってきたから、

 構わずに食べ始める。

 対して、サイレンはいつも通りだ。


「な、なんだか、すみません」

「リアー殿、気にしていたら持ちませぬぞ」

「そ、そうなのですか?」

「……リアーの温野菜のサラダ……

 野菜が思ったよりも多いな」

「美味しいですよ」

「さ、さよか」


 そう言ってリアーはマヨネーズを使って食べ始める。

挿絵(By みてみん)

「メリメリ!」


 エアリーは美味しそうにベリー系のきのみを食べている。


「エアリーって酸っぱいのいけるんやな」

「メリ!」

「うふふ、エアリーちゃん、可愛いですね」

「メリ!」

「……確かリアーは回復士(ヒーラー)だったな」

「はい!

 癒しの魔法は得意ですよ」

「……そうか。

 回復士は最もセンスが大事なジョブだからな……

 私はあまり得意ではないのだ」

「そうなのですか?」

「ああ……

 ポーションなら母に教わったから私も調合はできるが」

「ポーションと回復魔法は別物ですからね」

「……どう違うんや?」

「回復魔法は傷口などに直接に魔力をかけて治すもので、

 ポーションは身体の回復能力を向上させるものが多いのですよ」


 回復魔法はHP直接回復させたり、

 傷口を直接治すもので、

 ポーションは自然治癒能力を上げさせて、

 治しやすくするようなものか。


「……戦闘は得意ではないのか?」

「はい……

 今回のグラットン・イーグルに抑えられたように、

 戦闘は得意ではありません。

 旅には出たいのですけど……」

「……ならば、私のパーティーに入らないか?」

「え?

 サイレン様、よろしいのですか?」


 俺も少しだけ驚いた。

 三人目の仲間ができるのに時間はかかったから、

 サイレンがあっさりと誘うとは思ってもみなかった。


「……いいか?

 みんな」

「俺は構いませぬぞ!

 綺麗な女性がパーティーに入るのなら大歓迎だ!」

「反対がないんやったら、リアーさん次第やな」


 あくまで、仲間になるかは強制しない。

 リアーさんが困るのなら、加入しないことになる。

 リアーさんの自由意志にかかっている。


「……確かにサイレン様達は頼もしいですね。

 よろしければ、私、仲間になってよろしいでしょうか?」

「……誘ったのは私の方だ。

 もちろん構わないさ」

「では、今後ともよろしくお願いします」

「よし!

 新しい仲間ができたことだし!

 乾杯だな!」

「ああ……

 乾杯」

「「「乾杯!」」」

「メリ?」

「私も入ることになったのよ。

 よろしくね、エアリーちゃん」

「メリ!」


 エアリーは嬉しそうに手を上げた。


「近接タイプでタンクにもなれる守護者に、

 回復ができる回復士、

 光属性の攻撃型魔術師……

 俺らのパーティーも王道になってきたな」

「……私としても、

 私だけのパーティーの形ができたことに関して、

 喜ばしい」

「……ちなみにリアー。

 練人は小説作家でもあるからな。

 よければ小説を読んでやってくれないか?」

「そうなのですか、練人様?」

「探偵小説を書いとるんや」

「そうなのですね。

 よろしければ、私にも読ませてくれても?」

「もちろん、構わへんで!

 読者が増えるのやったら俺としても大歓迎や」

「……リアー、目的地として行きたい場所はあるか?」

「私はエンディミオンを行ってみたいですね。

 魔法都市としてエンディミオンに並ぶ都市はありませんから」

「……なら、カシアを通るな。

 わかった。

 エンディミオンに向かおう」

「よろしいのですか?」

「……長くかかるからすぐにとは言わない。

 大体一ヶ月は町に留まるつもりだからな……」

「行ってくださるのなら私は構いませんよ」

「……私も杖をエンディミオンで買ったが、

 観光はしなかったからな」

「そうなのですか?

 確かにサイレン様の杖はエンディミオンで買ったように、

 上質ですが、観光しなかったのですか?」

「ああ……

 ……仲間と一緒に観て回りたかったからな」

「……楽しみですね、サイレン様」

「……ああ、楽しみだ」


 サイレンはそう言って微笑んだ。

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