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小説作家の冒険者生活  作者: 才練人
〜魔術師と戦士の讃歌〜 第1章 新たなる仲間リアー

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65/103

第65話 三人との旅

「俺は小説家志望の高校生、

 【静川練人(しずかわ れんと)】!

挿絵(By みてみん)

 二月二十八日に、

 惑星直列を撮るために出かけて行って、

 星を見とった。

 星を見る時に、

 星から眩い光が発した。

 余りの光の強さに、

 目が眩み俺は目を閉じてしまったんや。

 光が収まり、

 目を開いたら……


 ファンタジーの世界に来ていたんや!

 今いる世界が元の世界やあらへんと知った俺は、

 金がなくなり道具も変化、

 あるいは消滅したことにも気づいた。

 冒険者登録の時【練人】と名乗り、

 元の世界に帰る方法、

 そして生きる手段を手に入れるために、

 冒険者として戦うことにした!


 俺の頼もしい仲間で協力者、

 【サイレン・マジャン】!

挿絵(By みてみん)

 彼女は光属性の魔術師で俺と同い年。

 冒険者になって世界を旅することが夢で、

 俺とパーティーを組むことになった。

 彼女の魔法は強く、

 得意魔法は《シャイニング・バーニング》!

 シャイニング・バーニングで多くの魔獣を倒して、

 バリエーションも豊富!

 俺達のパーティーのリーダーでもあり、

 俺の正体や夢を知るただ一人の人物でもある。


 俺の使い魔である、

 メリボーの【エアリー】!

挿絵(By みてみん)

 小学生レベルの知能を持っとり、

 女性冒険者のマスコット的な存在なんや。

 俺の頭に乗るのが趣味らしいで。


 そして、もう一人。

 イナミ地方で俺達の仲間になった守護者(ガーディアン)

 【ベンガス・アレクサンダー】。

挿絵(By みてみん)

 彼は一度、蛇女に食い殺されそうになったところ、

 俺の活躍で命を救われ、

 仲間に加わることを決意したんや。

 今後の活躍が楽しみやな。


 何故、俺が今いる世界に転移されたのかも、

 他にも同じ人がいるのかも謎や。

 別世界に行っても好奇心はいつも通りな冒険者!」

「……前より長くなったな」

「まあ、ベンガスが花を摘んどる最中やからな。

 今は新しい章を始めとるから、

 ベンガスがおらん内に書いておかんとな」

「……ラミアと戦い終えた練人……

 書き直しているように見えるが、気のせいか?」

「せやな。

 読者が読みやすいように、

 今までの話を書き直しとるわ」


 長く掛かりそうな気もするが、

 まだ読まれていない今がチャンスだ。


 やり直さない拘って、

 読者が確保できなかったら本末転倒だしな。


「……そうか。

 では、確認だが……

 練人が私達が体験していることは秘密。

 練人が転移者であることも秘密でいいんだな?」

「ああ、頼むわ。

 俺達の記録でもあるからな。

 俺達の体験しとる小説を預かってもええか?」

「……前に言っていた、

 小説として出されると思って意識すると、

 怪我や、

 最悪の場合、死ぬ可能性もある、

 という話しか?」

「せや。

 俺が持っとったら、バレてしまう可能性もあるしのぅ。

 ついでに、変な部分はないのか、確認して欲しいんやわ」

「……わかった。

 とりあえず、預かっておこう。

 ……《ストア》」


 サイレンは原稿用紙を受け取ると、

 ストアを使って、原稿用紙をしまった。


「……ライト以外の生活魔法も便利やな〜」

「……なら、教えてやる。

 練人ならすぐに習得できるさ」

「ガハハハ!

 ソーリーソーリー、練人殿!

 終わったぞ!」

「メリ!」

「おっ!

 もう終わったんか?」

「ああ!

 では、行こうか!

 確か、次の目的地はリーマハだったな」

「ああ……

 歩き続ければ、辿り着ける筈だ」

「さよか。

 リーマハには何があるんや?」

「……正確に言うのならば北リーマハにあるギルドだな」

「北リーマハ?」

「リーマハは大きいからな……

 南北の二つに分けられているんだ」

「へ〜……

 何や?

 南北で仲が悪かったりするんか?」


 中には南北や東西で仲が悪い国がある印象がある。


「……仲が悪い話は聞かないな。

 ……北リーマハは伝統的な屋敷などが多い印象らしい。

 ……反対に南は私の目指していた海に近いらしい」

「そうなんか」

「む?

 サイレン殿は海に行きたいのか?」

「ああ……

 私の幼い頃の目的の一つだな。

 ……仲間と一緒に海鮮料理を食べてみたいと」

「そうだったのか。

 確かにサイレン殿は練人殿とご飯を食べる時は、

 川魚料理をよく食べていたからな」

(にしても、ちょいと既視感があるんよな)


 三月にいたコガワからずっと抱いていた違和感。

 イナミ地方とリーマハでもそうだった。

 だから、サイレンに聞いてみるとしよう。


「三月にコガワ、四月にイナミ、

 五月に北リーマハで六月に南リーマハになるんやったら、

 七月にいよいよ目的の海が中心の町になるんかいな?」

「……ああ、そういうことになる」

「で、七月に行くことになる町の名前とかわかるんかいな?」

「……もちろんだ。

 ……七月に私達が向かう場所は【カシア】地方」

「むむ!

 知っているぞ、カシア地方!

 冒険者でも有名な海の町だろ!

 エンディミオン都市の近くで【ゴヒョウ大国】の中では、

 一番の港町!

 カシアに集まる物は酒も海産物も絶品!

 カシア焼きも有名だ!」


 ベンガスは興奮したように、

 カシアに付いて語り始める。

 そして、俺の中にあった違和感の正体も、

 ようやく気付いた。


(ゴヒョウ大国……

 コガワ、イナミ、リーマハ、カシア……

 まだ都合のええ情報ばっかりで、

 確証バイアスが働いとるような感じもするが……

 加古川、稲美、播磨、明石……

 ほんで兵庫……

 俺の故郷の地名にそっくりやわ。

 まあ、まだエンディミオンは謎やし……

 今後の情報次第やが)


 しかし、兵庫と同じだとしたら、

 辻褄が合いそうなものだ。

 もし、惑星直列によって、

 俺の元の世界と今おる世界を繋ぐ、

 ワープトンネルみたいなものが開いたとしたら、

 辿り着ける場所は、元の世界に近い地点になる筈。

 何者からの干渉でもない限りは、

 ワープ先は一直線の筈。

 俺がいた加古川から、

 サイレンの世界にあるコガワに着くのも、

 納得と言えば納得だ。


「……?

 考え事か、練人」

「ん?

 ああ、ちょいっとな」


 流石にベンガスが目の前にいる状況で、

 今の推測を語りにくい。

 ならば、別の、

 そして、間違いでもない考えを口にしよう。


「もうちょい強くなりたいと思ってな」

「強く?

 練人殿は十分に強いのでは?」

「いや、俺の戦法に弱点はあるんや。

 無視できひん弱点がな」

「……無視できない弱点?」

「……相手が強すぎる場合は、負けやすくなる。

 最初はええ。

 策を立てたり、奇襲で動揺しとる隙に倒せるんやったら、

 越したことはあらへん。

 せやけど、しばらく耐えられて……

 俺が油断できない相手だと警戒されたら、

 いくら策を立てても回避される。

 加えて、俺は強い冒険者やない。

 俺ができるってことは相手もできるってことや」


 転移者である俺ができて、

 ずっと、サイレンがいる世界の人ができないとは、

 考えづらい。

 チートがない世界だ。

 ならば、俺だけができる要素はある筈もない。


 今までの戦いでも、

 奇襲でサイレンもリシアもラミアにも有利に動いたが、

 俺が油断できないと思われたら、すぐに追い詰められた。

 リシアは油断できないと判断したらすぐに負けて、

 サイレンもすぐに対応して、

 ラミアも後少しで負けかけた。


 ラミア戦では一か八かの作戦が、

 上手く行ったおかげが大きい。

 そうでなければ、負けていた。


 もっと精進しないといけない。


「……練人の欠点は『焦りすぎる』ことだな」

「え?」

「……確かに力不足を悩むのは誰でもある。

 ……私の故郷にいた故郷でも多くを見た。

 ……私を意識して焦る者もいた。

 そして、私の机の上に落書きをする者もいた」

「そ、そうだったのか、サイレン殿」

「……練人にも言ったが、

 落書きなどをされたことに対して私は気にしていない。

 ……むしろ、もったいないと思ってしまう」

「もったいない?」

「……私ができることは確かにある。

 だが、私にはできないこともたくさんある。

 ……ライバル意識は歓迎するが、

 自分の周囲から得られる信頼を傷付けてまですることではない」

「サイレン……」

「……練人は私はできないことを……

 小説を書いている。

 メリボーにエアリーと名付けた。

 私が名付けたら反対意見も出ただろう」


 確かに、サイレンはネーミングセンスはないように思う。


「……私は最強のパーティーを作りたいんじゃない。

 ……楽しい旅……

 楽しい旅をするための仲間が欲しいだけなんだ」


 サイレンは先を進んだ。

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