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小説作家の冒険者生活  作者: 才練人
〜魔術師との冒険〜 第3章 冒険者への道

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53/103

第53話 ジョブ

「さて、今日も依頼を受けようか」


 冒険のための路銀は貯まりつつあるが、

 でも金があることは悪いことではない。


「……そうだな」


 ただ、ふと気になったことがある。


「……ん?

 どうした?」

「いや、気になったんやけど、

 空を飛ぶ魔法の箒とかあるんかなと思ってな」


 サイレンは魔術師だが、魔法使いと似たようなものだ。

 そして、サイレンは白いとんがり帽子とローブ、

 魔法の杖と典型的な魔術師の格好だ。

 なら空を飛ぶ魔法の箒もありそうなものだ。


「……さあな。

 サイレン・ロッドを買った時に、

 訪れた都市ならあるかも知れないが……

 前にも言ったように、

 杖だけを買ってさっさと帰ったからな」

「さよか。

 ジョブって魔術師(マジシャン)

 盗賊(シーフ)のような呼び名って他にもあるんか?」

「あるな……

 戦士(ファイター)

 回復士(ヒーラー)

 守護者(ガーディアン)

 射撃者(アーチャー)

 魔獣使い(ライダー)

 暗殺者(アサシン)がいる」

「ほんならカナイチは盗賊だとして、

 アドランは戦士、

 マコさんは元魔獣使いになるんか?」

「……合っている」

「ほんなら俺はどんな感じになるんや?

 戦士?」

「……練人は剣を主体に戦うから、

 戦士の括りで大丈夫だ。

 ……だが、練人は魔法も使うから、

 魔術師の適性もある。

 今のままいけば魔術戦士になる可能性もあるな」

「あっ、複合もあるんやな」

「……ただ、当然ながら極めるのは難しくなる。

 ……魔術師でも様々な戦い方もあるし、

 基本的には一つの道を極めるのが普通だな」

「そうなるわな」

「……だが、練人のように頭が回るのなら魔術戦士の道もありだ。

 ……リシアを翻弄できたんだ。

 ……他の魔術師相手に有利を取れるポテンシャルはある」


 サイレンは言ってくれた。


「そう言ってくれるんやったら嬉しいわ」


 明らかにサイレンは特化型だし、

 俺はやれる範囲でなんでもやる感じでいこう。

 魔法も剣も興味はあるし、

 臨機応変ということで……


「……さて、ほんなら今日の依頼を決めるぞ」

「せやな。

 今持っとる依頼とかどうなんや?

 虫を討伐する依頼やけど、

 報酬も悪くないし、ええか?」

「……ああ。

 私も賛成だ」

「ほんならいつも通り受付に持って行くわ」

 そして、受付嬢から依頼の受理を終えてギルドを出る。

 エアリーも受付嬢に預けておく。

 どうやら、エアリーはここの女性冒険者に可愛がられているらしい。

「……私が説明したこと、練人は小説に使うつもりか?」

「使うで、もちろん」

 ジョブの名前を知っているのと知らないのではだいぶ違うし、知った方が読者に共感を得やすい。

「……そうか」

「まあ、書くことが多過ぎたら混乱しがちやからな。

 今んとこはネタ収集が主やな。

 楽しみに待って欲しいわ」

 確かに物語の大方な道筋は考えているし、設定も練ってある。

 だけど、今は練るだけで書くことはしない。

 単純に睡眠時間も減るし、こうして依頼を受けに行くからそこらへんのバランスも大事になる。

 ブラックコーヒーだけでは眠気は飛ばせないのだ。

「……そうだな。

 ……時々練人はボーッと眠たそうにしているからな」

「言うなや、恥ずかしいやろ」

「……練人は真面目な時とそうじゃない時の振り幅が大きい」

 そう言ってサイレンは笑った。

「……そう言えば、カメムシの時は急にいなくなったんやけど、虫嫌いなん?」

「……正直に言えば臭いものは嫌いだな。

 冒険の場所によっては臭いところに訪れるかも知れないが、できれば遠慮したい」

「……ほんなら、ゴキブリとかは平気なん?」

「……平気だ。

 ……そこは私の故郷の冒険者に聞けばすぐに証言してくれるさ。

 ……ギルドでゴキブリが出た時は多くの冒険者が混乱していた時に私は魔法で対処したからな」

「どんな子どもやねん」

「……ネズミも母が薬の実験の時に必要だからと言って大量にいる場面を見たから平気だし、蛇も同様で平気だな。

 蜂も平気だぞ」

「お、おう……

 幽霊とかホラーはどうやねん?」

「……アンデッドはいると言うからな……

 ……出会ったことはないから、そこはわからないな」

「さよか」

 そうして、俺達は話をしながら依頼場所へと向かっていった。

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