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小説作家の冒険者生活  作者: 才練人
〜魔術師との冒険〜 第2章 永遠のライバル

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44/50

第44話 宣戦布告

「おはよう、サイレン」

 そう挨拶してきたのはリシアさんだった。

 昨日は寝る時間まで色々語り合うことができた。

 主にサイレンの昔話で伏線に触れないようにしたが、それでもサイレンも懐かしそうで楽しんでいた。

「……リシア、いつここにいられる?」

「私はランクとしてDランクでヴァルクロウ家なのよ。

 昔と違って忙しくなっているの。

 明日が限界でしょうね。

 あくまで数日間の休暇ってことになっているわ」

「……そうか」

「私が好きでやっていることよ。

 貴方が冒険者となって仲間と旅をする道を選んだように、私もヴァルクロウ家として相応しい人間になる道を選んだ。

 それだけのことよ」

 リシアさんのその顔はサイレンと同じくまっすぐで誇り高かった。

「明日までのんびりするんか?」

「……いえ」

 すると、リシアさんは俺に杖を向けた。

「……へ?」

「……練人、次は貴方が私と闘いなさい」

 いきなりの宣戦布告だった。

「俺が?

 リシアさんと!?」

 その声は周囲の人に聞かれたようだ。

「おいおい、あいつもリシアさんと戦うみたいだぜ?」

「マジか?

 勝てんの、あいつ?」

「当然、サイレンに届かない貴方では私に勝つのは不可能。

 今の私の実力はサイレンと同等と言われても過言ではないわ」

「……そうだな。

 リシアの実力はそれだけあると私も認める」

「故に私もある程度譲歩するわ。

 ダークネス・バーニングはもちろん、カッターもニードル・ウィップもショットなどの殺傷能力が強い魔法を封じるわ。

 それを破った時点で私の敗北で構わないわ」

「……いいのか?

 ……リシア」

「ええ。

 まあ、それでも私が勝つでしょうが……

 貴方も練人の実力がどれほどのものか確かめたいでしょう?」

「……練人はどうする?」

 本当にいきなりの展開だった。

 てっきり、このまま俺に触れずに帰っていくものかと思っていた。

 けど、俺は自然と拳をギリギリと握っていた。

「さあ、貴方はどうする?」

「……はっ」

「ん?」

「サイレンと旅すると決めた時に俺は決めたんだよ。

 “さあ、キミはここで何を残すんだい”って誰かに問われているって」

「……何を」

「……受けて立つよ、リシアさん。

 何を残せるか知らないけど、何も動かない人にはなるわけにはいかない」

「結構、挑戦を受けて嬉しいわ。

 練人……

 心置きなく闘いなさい。

 精々私を退屈させずに失望もさせないでね。

 私のライバルの相棒としてね」

「……練人が決めたことなら私もうるさくは言わない」

「おぉ、あの兄ちゃんどうやら闘うみたいだぜ?」

「マジか?

 あれだけ凄い戦いをした人に勝てんの?」

「無理無理。

 数秒か数分で沈むと思うね」

「まあ、俺は行くけどね。

 リシアさんが闘うということは……

 ねえ」

「お前も懲りないね~」

 当然のように好き放題言われる俺。

 それに対して何も言わないサイレン。

 要するにそういう声を黙らせるのは俺がやることなのだろう。

「さて、私は先に行っておくわ。

 逃げずに来るように、練人」

 そして、リシアさんは行ってしまった。

「……先に腹を満たすか」

 まだ朝食を食べていない。

 腹が減っては戦はできない。

 大変な戦いだからこそ、万全の準備はしておきたい。

「……わかった。

 ……今日も納豆とかか?」

「せやな。

 サイレンもやろ?」

「……まあ、練人と一緒に食べ続けたから私も食べれるようになったのは確かだな」

「せやろ?

 意外と美味しいもんや」

 朝食は特別ではなく、納豆ご飯に味噌汁、たくあん。

 納豆に飽きてきたらとろろご飯という選択肢もある。

「……本当に練人は自分で言ったようにご飯信者だな」

 そう。

 朝食でパンを食べるが、俺は基本的にご飯派。

 腹は満たされるし、毎日小麦よりもご飯の方がいいタイプだ。

 おにぎりの方が好きだし、チャーハンも好きだし、寿司や丼も好きというものだ。

(……まあ、食べている間に作戦は考える。

 ……ちょうどいい機会や。

 やっておきたい戦法もあるからな)

 思っていた機会ではないとしても練習相手として申し分ない。

 俺も本気で闘うとしよう。

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