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小説作家の冒険者生活  作者: 才練人
〜魔術師との冒険〜 第1章 水と稲の町 イナミ

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39/50

第39話 凶暴な切り裂きウサギ

「おぉ~!

 改めてみると凄いわ」

 リップ・ラビットを倒すためにイナミの外に出た俺達。

 外に出ると、田畑が多く、様々な作物が芽を出し始めていた。

 よく見ると、農家だけではなく、冒険者も手伝っていたり警備もしていた。

 エアリーははっきりいえば危なさそうなのでギルドの受付嬢に預けた。

「……そうだな」

「……そういえば、オルド・ドラゴンと戦った時に魔力が剣に纏ったんやけど、あれは何や?」

「……練人のはまだ《マジック・ウェポン》だ。

 ……魔力を扱うのに慣れていないから属性は付与されないが、本来はマジック・ソードの後で属性が付与される」

「ってことは俺のはいずれ《フレイム・ウェポン》になるん?

 ソードやのうて?」

「ああ……

 ウェポン系は剣だけじゃなく、他の武具にも使えるからな。

 何だったら拳や足に使うこともできる」

「へぇ~……

 ほんで、そのリップ・ラビットってどこにおるんーー」

 望遠鏡で確認すると、何やら大きなウサギがいた。

「……サイレン、もしかしてあれが?」

「ちょっと貸してみろ……

 ああ、あれが【リップ・ラビット】だ」

 俺が思っていたラビットとは全然違った。

 可愛いのかと思ったら目つきは鋭いし、脚には爪が生えており、もしゃもしゃと葉を食べていた。

 どこからどう見ても凶暴そうな見た目だ。

「……行くぞ、練人。

 ……リップ・ラビットは群れで行動するからどのくらいいるか注意しろよ」

「わ、分かったわ……

 《マジック・ソード》!」

 すぐに戦闘になると思ったので、先に剣に魔力を通して強化しておく。

「……先手は貰う。

 《シャイニング・ショット》!」

 光の貫通弾が飛び、リップ・ラビットの一体を貫いて倒した。

 しかし、それがきっかけでピクッとウサギの耳が立ち、こちらを見た。

「なっ!」

 その数は多かった。

 ウサギは二足歩行で立ち上がり、その数は七体だった。

「……割と多いな」

「呑気なことを言っとる場合!?」

 ちなみに他の冒険者達は依頼人や作物を守るために前に出るが、こっちに協力はしない。

「……《シャイニング・バレット》」

 サイレンも流石に多過ぎると判断したのか無数の光の弾丸を放った。

 ウサギ達の距離が八メートルくらいあったので、その弾丸に撃たれて倒れたウサギは三体。

 残り四体になった。

 いつもなら、近付く前に《シャイニング・バーニング》を使っている筈だが、すぐに使えない理由に気付く。

 田畑がある以上、強力すぎる魔法は作物などに被害が出てしまう。

 通常のシャイニング・バーニングなんて間違いなく畑を荒らしてしまう。

 強い魔法は使えない。

 戦う場所によっては強力な魔法は使えなくなるのも彼女の弱点の一つだろう。

「うおっと!」

 そのウサギが真っ先に俺に襲い掛かった。

 一体のウサギの攻撃を剣で受け止める。

 その一撃は割と強く、蹴りを使う余裕はなかった。

「……」

 もう一体はジリジリとこちらに様子を見ており、残りの二体はサイレンに囲んだ。

 その一体がサイレンに攻撃してきた。

 サイレンは華麗に回避する。

「サイレン!」

「自分の戦いに集中しろ……」

「……!」

 ウサギはさっきの一撃で終わらず、素早く爪を振るう。

「くっ!」

 それに対応するが、一撃が鎧に当たった。

「っ!」

 ガリっという音がした。

 オルド・ドラゴンで作った鎧だからダメージはないが、軽装だったらこの一撃で破けただろう。

「はっ!」

 俺はそれでも攻撃を続ける。

 だが、攻撃だけに集中するつもりはない。

 目でもう一体の動きを注目する。

 こういう戦いにおいては大事なのは目の前の戦いに集中することじゃない。

 それをすれば挟み撃ちにされてすぐに倒される。

「ギィ!」

 剣をずらしてウサギの立ち位置を変える。

 こうすることで常にもう一体のウサギが目に入る。

 目に入れば予想外の行動は起こせなくなって不利になることはない。

「はっ!」

 幸い、オルド・ドラゴンやサイレンと比べると弱く感じ、一撃を入れることもできる。

 サイレンから教わったこともあり、回避もできる。

「でい!」

 一瞬の隙をついてウサギの片手を掴む。

 ウサギが驚いている間に、剣でウサギの片手を切り離す。

「はあっ!」

 ウサギが悶えている間にトドメの一撃を刺す。

 それでウサギの一体は倒れた。

「っ!」

 サイレンの方を心配で見るが、サイレンはウサギの攻撃を回避し続けていた。

 しかも、俺と同じように常にもう一体のウサギの動きを視界に入るように立ち回っていた。

「……《シャイニング・カッター》!」

 一瞬の隙を突いてサイレンはウサギを切り裂く。

 至近距離で使ったため、他の作物に傷が入る筈がなく倒すことができた。

 サイレンの強さを前に一体のウサギは一瞬怯む。

「……練人!

 耳を塞げ!」

「っ!」

「……《シャイニング・ロアー・バーニング》!」

 俺は急いで耳を押さえたおかげで何とかなった。

 サイレンはシャイニング・バーニングを威力と閃光を抑えて音だけに特化させて放った。

 ガキィンという爆音が響き、ウサギの動きが一斉に止まった。

 ウサギなだけあって耳が良いから爆音が響くと止まってしまう。

「もう一回!

 《マジック・ウェポン》!」

 ボロボロになったマジック・ウェポンを上書きにして威力と強度を上げてから鍔迫り合いをする。

 もう別のウサギを気にしなくてもいいと思い、素早く剣を振るう。

 ウサギも耳を押さえながら対応するが、防戦一方だ。

「これで決める!」

 剣を回してウサギの爪を上方向に向かせる。

 完全な隙を見せたウサギに容赦なく一閃する。

 バタリとウサギは倒れた。

「サイレン……!」

 ウサギは最後の戦いだと思ってサイレンにダッシュし、近付く。

 ウサギだから動きは素早くすぐにサイレンに近付いた。

 俺も駆け寄るが間に合わない。

「……《シャイニング・バーニング・ゼロ》!」

 だが、サイレンは怯むことなく至近距離で放つシャイニング・バーニングを使って倒した。

「……やっぱ、強いわ」

「……お疲れ様だ、練人」

「お疲れ……」

 ともあれ、何とか依頼をこなした俺達。

 これだけ倒せば報酬も期待できる。

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