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小説作家の冒険者生活  作者: 才練人
〜魔術師は何故か俺を選んだ〜 第3章 冒険者の交流

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第24話 ネーミングセンス

「「「「きゃ~~~!

 可愛い!!」」」」

 メリボーを仲間にしたらこれである。

 ダイヤナさんも夢中に抱きついている。

 目にハートができていても不思議じゃないくらいに

「メリッ!」

 メリボーは女性冒険者達に抱きつかれ、もふもふされている。

「わかっとたけど、やっぱこうなるわな」

「……そうだな」

「……クールぶっとるけど、大事そうに抱えてたやないか、サイレン」

「……ん?

 悪いか?

 ……私もああ言うのは好きだし癒される」

「さよか」

「……そう言う練人もメリボーを撫でたりしてただろ」

「それは……

 ……ぷっ」

「……ふっ」

「ハハッ、やめた方がええわな。

 不毛やわ」

「……そうだな」

「さてと、そろそろ返してくれへんか?」

「え~!」

「まだギルドに手続きとかしとらんからしゃーないやろ」

 ブーイングしながらメリボーを返してくれた。

「メリッ!」

 メリボーは俺の頭の上に乗ってきた。

「何や?

 そこが気になったんかい?」

「メリメリ」

「まあ、ええわ。

 あの受付さん、そう言うことやからこのメリボーを仲間にしたいけど手続きとかどないするん?」

「へっ?

 あっ、そうですね!」

 どうやら、受付嬢達もメリボーの可愛さにノックアウトしたようだ。

 手を伸ばしたので、俺はメリボーを渡した。

「ノミやダニがついていないか、感染症予防のためにも検査は必要だと思います。

 そこで健康状態も確認しなければならないので一時的にギルドが預かります。

 費用は八十デラルになりますよ」

 やっぱり、そうなるか。

 俺は懐から八十デラルを渡して、受付も受け取った。

「はい、確かに。

 それではこのメリボーは私達が責任を取って管理しますので、今日はこのまま帰っても大丈夫ですよ」

「メリ?」

 そして、テンタクル・フラワーの依頼を達成したので報酬金などを貰う。

「……今回も全部練人が持っていけ」

「そうするわ」

「メリボーを仲間にするということになりますので、登録のために二人のカードを渡してくれませんか?」

 そう言われて俺達はそれぞれカードを渡して、受付は手続きをする。

「そのメリボーの雌雄ってわかります?」

「ちょっと待ってくださいね」

「メリメリリ」

 受付はメリボーを触り品定めをするように見る。

 メリボーがくすぐったそうに笑うと、綻んでいるのは見逃さなかった。

「……メスになりますね」

「メスか」

「このメリボーに名前を考えてますか?」

「名前か……」

 困ったな。

 所謂、ニックネームのようなものだろうけど、基本的に俺はそのままでつけることが多い。

 けど、人気である以上、多くのメリボーと遭遇可能性もある。

 文様つけてくれるとは言え、名前はつけた方がいいかも知れない。

「ふむ……

 サイレンは何かあるん?」

「……あるが、知り合いからお前は名付けるなと言われたことがある」

「……何でやねん?

 まあ、採用するかどうかわからんけど、とりあえず言ってみぃ。

 参考になると思うで」

「……“フワフワ”」

「……へ?」

「……あるいは“わた”」

「……マジ」

 フワフワとサイレンが言うのは面白いし、わたはそのまま過ぎる。

 それがあのクールで賢いサイレンが言ったのだ。

「待て待て!

 お嬢さん、あんた本気!?」

 耐えきれなくなって男性冒険者がツッコミを入れる。

「フワフワって、わたって!」

「全部印象で決めてるでしょ!?」

「……それを真剣に言い切っているからすげぇよ。

 ある意味」

「……なっ?

 こうやって私の名前は不採用される」

「……慣れているってことは他にもあったんか?」

「……当初、シャイニング・バーニングも種類分けに呼ぼうとしたんだ」

「うん」

「……普通のシャイニング・バーニングはそのままとして……

 光と爆音タイプは……

 《シャイニング・ピカドーン・バーニング》」

「……ピカドーン?」

 確かにあれは強い閃光と強い音が主だが、ピカドーン。

 要するにピカっと光って、ドーン。

「……閃光タイプは《シャイニング・ピカ・バーニング》、音は《シャイニング・ドカーン・バーニング》」

「わかったわ。

 サイレンはやめよう」

 真顔だった。

 真顔でつけていた。

(サイレン、もしかして今まで真顔で戦っている時も内心それで使い分けてた?

 シャイニング・バーニングを言いながら内心ではシャイニング・ピカドーン・バーニングって)

「……この杖も名付けようとした……

 ……けど、周囲から反対された」

「……どんな名前?」

「……私の杖だから……

 ……“サイレンの杖”」

「まんまやんか」

「……だから、この杖は“サイレン・ロッド”と名付けられた。

 そっちの方がまだマシだと言われたんだ」

「……それやったら、今回は“エアリー”か“コットン”やな」

 合うかどうかわからないが、そっちの方がらしいと言えばらしい。

「……ならば、私の魔法は練人なら?」

「せやな~。

 閃光タイプは《シャイニング・フラッシュ・バーニング》、爆音タイプは《シャイニング・ロアー・バーニング》、どっちもは《シャイニング・ワーク・バーニング》」

「……フラッシュはわかるが、残り二つは?」

「ロアーは轟音って意味やから合うと思うねん」

「……ふむ」

「ワークは……

 花火はファイア・ワークって言うやん。

 あのバーニング、光と音やから花火にピッタリやと思って」

 威力がないっぽいからサンダーは違うと思うし、花火の方が合うだろう。

「……なるほど、いいな」

 サイレンもこくこくと頷いた。

「……今後はそれで行こう」

「なあ、兄ちゃん、兄ちゃんなら何をつける?

 お前さんの方がマシなような気がしてきた」

「せやな~。

 俺やったら“ハクア”やな。

 白いし……

 純白にしたいのやったら“ピュア”」

 純白はピュアホワイトって呼ぶし、ピュアでもいいだろう

「“コットン”、“ハクア”、“エアリー”、“ピュア”……

 どれもいいな」

「よかったぜ……

 兄ちゃんのネーミングセンスがまともで」

「……そこまで悪いか?

 ダイヤナ」

「あ、あははは……」

 流石のダイヤナも苦笑いをするしかなかった。

 さっきまでメリボーに目がハートマークになっていたのに。

「で、どれにするんや?」

 捨ててもいい紙を四枚に切り分けて、メリボーに決めさせる。

「メリ~……

 メリッ!」

 そして、手に取ったのはエアリー。

「わかったわ、今日からこのメリボーの名前はエアリーや。

 よろしゅうな、エアリー」

「メリッ!」

「それではそのニックネームをギルドで登録しますね」

「……それにしても魔法の名前って自分で決めてええの?」

 その割には原初魔法、基本魔法、生活魔法の魔法は統一されているような気がするけど。

「それはサイレンさんが特殊ではないでしょうか?

 普通は魔法を種類別に分けようという発想はありません。

 バーニング系ならそのままのバーニング系を使いますような」

 ああ、普通の魔術師は一つの魔法をそのまま一つとして使っているのに対して、サイレンは一つの魔法を使って派生を作っているってことか。

「他の魔術師はせぇへんのか?」

「……もったいないことにしないな。

 ……私の故郷の冒険者にも見せたがほとんどが驚いたし、ギルドも前例がないと言っていたし」

「さよか」

 魔法に対する探究心が強いってことか。

「……私の付けた魔法の名前を聞いたらすぐに止めたけどね」

「……それはお嬢ちゃんの故郷の冒険者が正しい」

「そういう魔法は新魔法として登録できますが、後世にまで残ることを考えると」

 残したくないだろうな。

 真面目な教科書にピカやドカーンやピカドーンはつけたくない気持ちはわかる。

 黒歴史を残すようなものだ。

「……他にもあるん?」

「……あるが今は内緒だ」

「まあ、ええわ。

 エアリー、今日はここに預けるけどええ子におるか?」

「メリ~」

 エアリーがしょんぼりと明らかに落ち込む。

 その姿が愛らしいのか、またキャーキャーと女性冒険者達が言って目がハートになっている。

「メリッ!」

 すぐに持ち直し手を上げた。

「よっしゃ!

 ええ子やで、エアリー!」

「……今日はエアリーのために必要なものを買おう」

「木の実って安いん?」

「ああ……」

「ほんなら、買いに行くで」

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