第100話 再会
「ここか」
「メリ!」
南リーマハはボア・アンガスとかが近くにいるからか、
外壁はしっかりしており、門番も強そうだった。
南リーマハの中は北リーマハと比べると、
都市になっており、人の往来が多い。
「へ〜
北とは全然ちゃうんやな」
「近くに海がありますからね。
隣国とかの貿易があるんですよ」
「隣国か〜」
「メリリ〜!」
「では、ギルド近くの馬車停に馬を停めますから、
少々お待ちください」
「あっ、コンフィを持って売るから俺も行くわ」
「では、お願いしますね」
そして、俺はコンフィが入った壺を持って、
ギルドに入った。
南リーマハギルドは北と比べると洋風であり、
お馴染みのギルドであった。
「……すまない」
「いらっしゃいませ。
南リーマハ冒険者ギルドへようこそ」
「……あの子は、もしかして」
「……私達は冒険者だ。
……確認を頼む」
「少々お待ちください」
「メリ!」
そして、俺達のカードを確認して、
受付嬢は丁寧に返してくれた。
「確認を終えました」
「……それで旅をしている途中で魔獣を討伐した。
……タックル・ボア、ボア・アンガス、オーク。
……これが証拠だ」
「確認しますね」
そう言って、受付嬢は笑顔でそれぞれの素材を持って、
奥の部屋に向かった。
「確認終えました。
報酬の一万二千四百デラルになります」
「……四人で分けるから千デラル多めにしてくれ」
「かしこまりました」
そして、話し合った通り、四百デラルは共有資産に、
三千デラルをそれぞれ配った。
「それとコンフィを売りたいんやけど、どこで売ればええんや?
ここか?」
「その場合は宿に行けばお金を換えてくれますよ。
そうですね。
この“青空と海の止まり木”とかはどうですか?」
「わかりました。
後で行ってみます」
「あ、しばらくここに馬車を置きますので、
料金を払います」
「かしこまりました。
どのくらい滞在することになりますか?」
「……一ヶ月だな」
「では、千八百デラルになります」
「はい」
リアーはすかさずに払った。
「では、冒険者の皆様、南リーマハにようこそ。
良き日々になることを祈っています」
コンフィをここに持ってきたのは、意味なかったが、
聞けたことだし、いい運動になるから構わないか。
「サイレン〜!」
すると、可愛らしい女性冒険者が俺達を見て、
手を振りながら駆けつけた。
「……!
……久しぶりだな、ユレイラ」
「サイレン!
久しぶり!
何ヶ月ぶり?」
「……三ヶ月ぶりだな」
「そうよね〜
聞いたわよ!
凄腕の女性魔術師が活躍している話!」
「あの〜……
あなたが【ユレイラ・カナン】さんですか?」
「え?
アナタは?」
「……紹介しよう、ユレイラ。
……彼が私の最初の仲間。
……【練人】」
「練人と申します、よろしゅうな」
「アナタが練人ね!
リシアから聞いたわよ!
ユレイラ・カナンよ!
ユレイラ先輩かさん、呼び捨てでもいいわよ」
「ほんなら、ユレイラ先輩、よろしゅうお願いします」
「俺はベンガスだ。
よろしく、お嬢さん」
「あはは!
お嬢さんだなんてよしてよ」
「リアーと申します。
よ、よろしくお願いします」
「よろしくね、リアーちゃん!
私も仲間を紹介するわ!
剣士がーー」
「……【ヒューズ・グレファー】だ」
「……久しぶりだな、サイレン」
「……ああ、久しぶりだなヒューズ」
「俺も忘れるなよ!
俺は【レオ・マックリー】!」
「……ブフ!?」
「わっ!
な、なんだ!?」
「どうしたんだ、練人殿」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!
さ、サイレンさん!?
俺に嘘教えたん!?」
「……ん?」
「とぼけんなや!
サイレン、レオさんはひょろひょろの体型で、
典型的な魔術師って紹介したやんか!
話と全然違うんやん!」
だからこそ、ヒューズさんに関しても驚かなかったし、
ユレイラさんのことも気づけたのだ。
だけど、レオはどう見ても筋骨隆々で、
ひょろひょろの弱そうな人には見えない。
むしろ、言う方が失礼だ。
「どう言うこと?」
「……後で話すが、練人にはユレイラのことは話してあるんだ……
……練人、私は嘘はついていない。
……あの時のレオは確かにガリガリのひょろひょろの体型だったんだ」
「サイレン、アタシ達のことを紹介してたの?」
「……私が十歳の……
あの魔法の練習をしていた時期のな」
サイレンはまるでイタズラに成功した子供のように、
ニヤニヤしていた。
そんな顔できたのですね、サイレンさん。
「何でサイレンが教えているのか気になるけど、
確かにあの時のレオを知っている人なら驚くよね」
「……確かにな」
「いや、あの時の俺に言っても、まず信じないだろうな〜」
「……何かあったの?」
「……まだ秘密だ。
……気になるのなら早く書くことを勧める」
「……それを言われると弱いな〜」
「「書く?」」
「……私が教えられるのは……
そうだな……
練人には教えたし、イナミにリシアが来たから、
ベンガスも知っているが、リアーは、
“魔術の筋トレ理論”を知っているか?」
「魔術の筋トレ理論?
そういえば、エンディミオンでリシア様が推奨している、
魔術師にとって必須になりつつあるトレーニング理論ですよね?」
「ああ……
レオは、その理論を証明するために実践した最初の魔術師の一人だ」
「……ん?
最初の一人?
他にもおるん?」
「……それは練人が進めないとな」
「……筆が遅くてすみません。
てか、それやったらレオの成果が出て、
サイレンも一緒にやったってことなんか?」
すると、ユレイラとレオは苦笑した。
「よくわからないけど、
まあ、そこも内緒にしておくわ」
「そうだな」
何か気になる話の切り方だ。
「アタシからすると、可愛い妹分と再会できて嬉しいわ!」
「……私も嬉しいさ、ユレイラ」
「あっ、サディちゃん、寂しいって泣いてたわよ」
「……旅立つ時も泣いていたからな」
「里帰りするつもりなの?」
「……仲間も増えたしな。
故郷に帰りたくないわけでもない。
いずれ、帰りに行くさ」
「そうよね、あの時から言ってたことだもんね」
「ちなみにもう一つ気になったんやけど」
「何?」
「……リシアに会ったんやろ?
俺がどんな人物か聞いてへんかったんか?」
俺が転移者であることは確かに秘密になっているが、
それ以外は別に口外しないように言っていないはずだ。
口外されていたら恥ずかしいが、あくまでその程度だ。
しかし、ユレイラさんの話から、
俺が小説を書いていることは知らないようだ。
「……ああ〜……
……聞くの忘れちゃった」
「聞くの忘れたんかい!」
「しょ、しょうがないでしょ!
サイレンに仲間ができてよかったな〜
って思っていた時に、最初の仲間がまさかの男よ!
驚くなって言う方が難しいわよ!
むしろ、よくサイレンが仲間に入れる気になったわ」
「ああ……
練人は私と同じ日、同じタイミングで冒険者登録したからな」
「……え?
以前言っていた最初の仲間は決めてあるって言ってたけど……」
「……同じ日、同じたいーー」
「二度言わなくていいわよ……
てか、そのやり方だったのね……
不確定要素多すぎるわよ」
「……練人は当たりだぞ」
「正面から言われると恥ずかしいわ」
「……何を言っている。
……一人でボア・アンガスを倒しただろ?
……練人はきちんとEランク冒険者になりつつある」
「へ〜
サイレンから当たりって言う辺り見所はありそうじゃない」
「ないない。
サイレンほどないんや」
「当たり前よ。
サイレンは昔から次元が違うからね。
でも、いい子よ」
「それはわかっとるわ」
「よろしい。
少し心配してたけど、ちょっと安心したわ」
「メリ!」
「ちなみにこの仔はメリボーのエアリーや」
「可愛いわね!
……エアリーって誰がつけたの?
間違いなく、サイレンじゃないわよね」
サイレンの昔を知っているからよくご存知で。
「……サイレンのフワフワから俺なりに換えたんや」
すると、ユレイラさんは俺の肩を掴んだ。
「良かった、本当に良かったよ〜!
あの子を見送った時に全員心配したことだったんだから!」
「……サイレンさん、ネーミングセンス壊滅ですから」
「……?」
そっちも苦労があったのがよくわかったよ。




