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クラスごと異世界転移した俺のハズレスキル『堕落』、実は最強の能力だった。すべてを奪われた俺は、ありえた自分となって復讐する  作者: 黴男
第二章:ハイブ拡大編

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082-アジラス攻略完了

というわけで、アジラスは堕ちた。

ここを前線化するために、この近辺にいた魔王軍をかき集めたらしいな。

ドゥームロードの魔法で深淵生物を食物に変えないと、維持できない数が集まっていた。

もっとも、アジラスの陥落を知らない奴らがどんどん集まってきたので問題は無い。

かなり無理してここを要塞化する予定だったそうだ。


「なるほどな、都市というのは強い魔族が管理管轄するものなんだな」

「はい」


俺の前で、デインが報告する。

こいつはこの都市の管轄だったようだ、今は教団の制服に着替えて俺の前に正座している。

これが魔族の最大の服従ポーズらしい。

どうやっても武器を抜くか拳を振り上げるまでに時間のかかる姿勢で、叛意を見せた瞬間に殺せるからだ。


「つまり....リュドミラは」

「はい、私はサバンを任されていました」


強い奴は相応しい教育を受け、各都市の上層部の管理管轄を行う。

俺は知らなかったが、魔族は強い存在に本能的に従うようだ。

だからこそ、相応しい知識と能力を持った魔族が管理者となる事で都市運営を円滑に行う事が出来る。

.........というのを、リュドミラからの説明でようやく理解できた。

俺はあまりにも無知なんだなと、同時に理解もした。


「それで、ここはこれからどうなる予定だったんだ?」

「はい、教祖様。要塞化した後に、余剰の人員を内地へ引き払い、精鋭だけで固めた対勇者軍を組織する予定でした」

「つまり、兵を撤退させても違和感はない訳か」

「はい、城壁はもう完成していますから」


教団員となった魔族たちは兵士も民間人も関係なく協力してアジラスの要塞化を完了させた。

休むように命じていたのだが、勝手に聖堂も建てやがった。

ハイブ生物と違って、あいつらは狂信だ。

黙々と従うのではなく、信じるあまりに勝手に色々やらかす。

ブレーキが効きにくいスポーツカーみたいなものだ。

「俺」も苦労していたようだな。


「このままだとアジラスに入り切らなくなる。教化した魔族を各都市に送り込むぞ」

「素晴らしいお考えだと思います、神の教えを広めるのですね?」

「あ? ...ああ、その通りだ」


それは思いつかなかったな。

そういえば、その手があった。


「リュドミラ、教団員として魔族にこの教えを広めることは可能だと思うか?」

「はい! 私たちは魔王を崇めていましたが、魔王程度の強さでは深淵に対抗できません。その事を理解させれば、第一段階までは行けます」


第一段階とは、本来の形――――教団員が得意とする話術が心に入り込む段階らしい。

それは完全に洗脳できるって事じゃねえか。

ならばやらない理由は無い。


「リュドミラ、おまえを聖女に命じる」

「なんという栄誉を.....」

「魔族共を各都市に撤退させ、教義を広めろ。その旨を魔族共に伝えるのだ」

「承知しました、お任せを」


俺はリュドミラに全部投げて、今度はデインの方を向く。


「デイン、お前は不自然にならないように調整を続けろ。魔王軍から出来得る限り物資を放出させるんだ」

「はっ」


何十年も戦争しているから、国力はそれなりに疲弊しているはずだと最後の「俺」がささやく。

要塞化を完了したアジラスに物資を集めさせ、勇者の侵攻と同時にアジラスを「陥落」させる。

主力と大量の物資を勇者軍に奪われる形となり、魔王軍は継戦能力を失う。

そうなると自然と攻勢を焦り、制圧された都市の奪還に動くだろう。

その間に俺はグロス・ザクラスに侵入する。

とにかく、今はグロス・ザクラスから魔王軍の軍隊を引きはがす事に専念だな。


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